2011-02-22

雌雄の役割分化16~脳の雌雄分化

前回の記事では、人類の雌雄分化について追求してきました。
人類において非常に重要な性に注目して、快感回路の発達についてみていきました。
今回は、そこで行われた肉体改造=脳進化=脳の雌雄分化について追求していきます。
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画像はこちらよりお借りしました。

 近年では、脳レベルの性差についての研究、分析、評論も増えています。それに伴い「男脳」「女脳」、あるいは「システム脳」「共感脳」というような通念も(学術的・厳密であるかどうかはともかくとして)広く普及してきています。
 男脳は空間操作に長ける傾向にあり、女脳は言語操作に長ける傾向にあるとのデータがあります。この差は、ヒトとしての進化の過程で狩猟採集生活が最も長期間であったため、そういった環境に適応した個体ほど生き残る確率が高かったことに起因すると考えられています。ただしこれが脳の構造に由来するか否かについては、まだ不明な点があるのが実情なのです。

(ウィキペディアより) 
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1.脳の解剖学的性差

 解剖学的に明らかなのは、男女の脳の大きさの違いである。男性の脳の方が平均重量で1割ほど大きい。
 ブローカ野を含む大脳皮質の前頭前野の特定の領域の働きは男性と女性では異なり、言語の脳内処理において男性では左脳のみの活動を示すが、女性は左右両方が活動していることが確認されている。
 左右の大脳半球を連絡する約2億本の神経線維の大きな束である脳梁の後部の膨大部は、女性の方が丸みを帯びた形をしており、大脳全体との比率でみると男性よりも大きいという報告がある(ただし脳の容積は男性の方が大きく、脳梁容積の絶対値も男性の方が大きい)。脳梁膨大部は、視覚情報や言語情報の処理に関わる大脳半球間を連絡する神経線維からなっている。脳の構造や容積と、機能の関連は明らかでないものの、このような脳構造の違いが男女の微細な認知機能の差に関係していると推測する人もいる。
 その他、分かっている以下のような性差が確認されている。
・前頭皮質部分は,男性より女性のほうが大きい。
・大脳辺縁皮質の情動反応に関連している部分は、男性より女性のほうが大きい。
・空間的知覚に関連する頭頂皮質の部分は、女性より男性のほうが大きい。
・扁桃体は、女性より男性のほうが大きい

(ウィキペディアより) 
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画像はこちらよりお借りしました。
2.脳がつくった「男らしさ・女らしさ」(先天的な脳性差)
 上記にて人類の脳構造(性差)を解剖学的に見ていきましたが、次に、ほ乳類から雌雄分化している先天的な脳構造の違いを押さえておく必要があります。

 古い脳とは、辺縁系と間脳、延髄などを含んだ脳幹のことで、その役割は生命を維持し、種族を保存することです。
 女性の古い脳は月経周期をつくりますが、男性の古い脳はつくれません。また、女性の古い脳は女性を小食にしますが、男性の古い脳は男性を大食にします。女性の古い脳はあまり攻撃を好みませんが、男性の古い脳は攻撃が好きです。それは、古い脳には性があって、生物学的/先天的な構造上の違いがあるからです。

 迷路学習とは、八方に経路をもつ八方迷路の各経路の先端にチーズを置き、中央にお腹を空かせたネズミを入れ、間違いなく8回だけ経路に入って8個のチーズを食べることを学習するまでの日数を調べる実験です。毎日学習させますが、ネズミは、その迷路のおかれた実験室の壁にある物や、机などをたよりに、空間的な位置を覚えて行きます。

 ネズミは最初のうちは、すでにチーズを食べてしまった経路に再度入ってしまったりと、間違いが多いのですが、やがて迷うことなく隣り合わせの経路に順番に入り、チーズを取れるようになります。雄ネズミだと12日くらいで学習しますが、雌ネズミだと16日もかかります。

 古い脳、新しい脳ともに性差がないと主張する研究者もいますが、古い脳は、ネズミでもサルにおいても完全に違いますし、また、性同一性障害の研究を通じてわかったことですが、男女では違う神経回路が古い脳にできていると私は思っています。

「自分は、男/女だ」という性自認に関わる分界条床核という場所が古い脳にあります。どうやらここで「自分は、男/女だ」と感じているようです。この認識は、普通は、生殖器が男性なら男、生殖器が女性なら女で、このことを性同一性といいますが、まれに一致しないことがあって、性同一性障害と呼ばれます。

 また、扁桃体は、ストレスになるような刺激によっては怒りという情動をつくり、われわれに攻撃行動をおこさせます。攻撃行動の起こしやすさ=攻撃性は、われわれに順位や縄張りをつくらせたりする最も基本的な心です。
 つぎに、この攻撃性に性差があるかどうか。これは研究者の論争の的ですが、扁桃体に分泌されるドーパミンの量が多いと攻撃的になることもわかっていますので、私たちの研究グループはドーパミンの量を調べてみました。
 その結果、雄ネズミのほうが雌ネズミよりもドーパミンの量が格段に多いことがわかりました。

(田中 冨久子氏インタビューより)
先天的な脳の雌雄分化について分かる事
・雌の脳は月経周期をつくる。
・空間把握能力が雄の方が高い。
・性自認が出来る(性自認に関わる場所がある)。
・攻撃性を司る部分(扁桃体)が雄の方が大きく、分泌量も比例に近い傾向にあると読める。

→脳の雌雄役割分化が既に出来ている。雌は性的存在。雄は(縄張り闘争・性闘争から)闘争存在。
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画像はこちらよりお借りしました。
3.古い脳から進化(より分化した)性差
 脳の性差自体は、ほ乳類の時代(外圧環境)から分化しているが、人類における脳の性差はそこから進化(より分化)している。人類の脳の雌雄分化については後天的な部分を読み解いていく必要がある。

共感脳」は、他者の気持ちを(一方的に)想定して思い入れをする傾向が強い、感情的な反応が強い脳です。さらには他者の感情的反応に自分の思考が左右されやすく、相手が喜ぶと自分の感情もそれを反映して喜びにふれてしまう(悪く言えば流される)人たちです

 「システム脳」は、論理的な展開に強く反応する脳です。喜びであれ怒りであれ、感情的な展開は、論理的な思考を導く妨げになるのでうざく感じたりします。相手のご機嫌を読んで共感を求めるよりは、推理して解決、分類整理して決着、筋道が通るような、すっきりした展開の気持ちよさを尊びます。(悪く言えばガンコとか、依怙地とか

共感する女脳、システム化する男脳 より)
→この「共感脳(女脳)」「システム脳(男脳)」の特徴から言えるのは、主に言語(観念)により後天的に獲得した脳進化であるという事。
・当時から女は安定した縄張りの中でおしゃべりをして共感充足し、子育てをして応望充足をする「充足存在」であったと推察され、共感脳として発達したのは自然であったと思われる。
・また、男は狩猟生活と自然という圧倒的な外圧に対して精霊を見て言霊化(言語)適応し、観念(言葉化)により集団を組織化(システム化)していった。そこでは感情論に流されると論理的思考(組織を導く思考)の妨げになるので、あえて反応を若干封印する傾向に進化したのかもしれません。そして常に外圧闘争から変異適応し続ける「変異闘争存在」であったと推察され、システム脳として発達したのは主に外圧適応の為であったと思われる。
●まとめ
・ほ乳類の脳においては、脳機能としては本能(古い先天的な脳)であり、脳の性差は既にある。
→性差がある事から雌雄役割分化が出来ていると言える。そして雌は性的存在。雄は(縄張り闘争・性闘争から)闘争存在という役割分化になっている。
・人類においては、脳機能としては後天的な脳を含めると、本能+(共認)+観念の塗り重ね構造である。
→雌雄役割分化はより進化していると言える。そして女は「(性を基盤とした)充足存在」であり、男は「(集団の組織化を突破口と捉え適応した)変異闘争存在」という役割分化になっている。

List    投稿者 h100p | 2011-02-22 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 

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