2010-08-04

原猿から真猿へ8 ~真猿の進化過程~

これまで、数回にわたり「実現論:第一部前史」を参照しながら、原猿から真猿へ進化していく過程を外圧状況を押さえながら追求してきました

しかし、一口に「真猿」と言っても、世界には様々な真猿が存在していて、それぞれ固有の機能や様式を獲得しています

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ハゲタカウリ(新世界ザル)
ニホンザル(旧世界ザル)
オランウータン(類人猿)
(画像は「サルの百科 杉山 幸丸ほか著 データハウス (1996/06)」よりお借りしました)

今回の記事からは、様々な真猿達がどのように進化してきたのか?を猿の進化過程を概観していきます 🙄

その前に復習として、これまでの記事も併せて覗いてくださいね
【過去シリーズ記事】
原猿から真猿へ1 ~原猿って何?~ 
原猿から真猿へ2 ~猿の拡散と進化過程~
原猿から真猿へ3 ~真猿への進化を、現存する原猿の特徴から探る~
原猿から真猿へ4 ~原猿が陥った「本能不全」~
原猿から真猿へ5 ~共感回路の獲得~
原猿から真猿へ6 ~闘争集団の形成~
原猿から真猿へ7 ~サルの共認統合~

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真猿の進化過程

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(画像元)

真猿の進化過程についてはるいネット『真猿の進化史』にまとまってますのでそのまま引用します

真猿の進化(系統分化)は以下のような軌跡を辿っています。
①オモミス類(原猿)からメガネザル系統と初期真猿(の祖先)が分化
②4000~4500万年前真猿登場
③その後広鼻猿類(新世界ザル)と狭鼻猿類が分化。3500万年前?
狭鼻猿類がアフリカ大陸からアメリカ大陸に渡ったのは約2500年前と言われており(最古の化石がそれ)、当時はアフリカとアメリカ大陸は既に分離しており約500kmしか距離がなかったとはいえ、島伝いに奇跡的に渡った模様。おそらく狭鼻猿類に追われたものと考えられます。
④狭鼻猿類が旧世界ザルとホミノイド(類人猿含むテナガザル系)に分化(約2500~3000万年前)
 その後旧世界ザルは尾長ザル系とコロブス系に分化
⑤ホミノイド(原テナガザル)から類人猿分化(1000~1500万年前)
これらの過程では概ね進化するにつれて、大型化する傾向が見られます。(例えば新世界ザル<尾長ザル<テナガザル系<チンパンジー)
この過程を推測するに、南方の樹上という特権的世界を独占したサル類は、主要な敵が異種のサルとなったと考えられます。そして、大型の新たな種が登場する度に、従来の種がその場を追われ、(もしくは淘汰され)追われた種は新天地を求めて、新たな環境に適応するという過程を辿ったのではないかと類推されます。
また大型化のベクトルは種間の闘争のみならず、サルの集団内の序列闘争(ボス争い)でも有利に働く=より大型の血統が多く残るので進化と大型化の相関関係により拍車をかけたと考えられます。
加えて原猿から追うとこの進化過程は単体→オスメス同棲の単雄複雌集団→複雄複雌の集団という過程です。つまり種間の闘争に勝ち残るために、概ね大型化と、集団化⇒知能の発達と言う二つのベクトルで発達してきたこれが、サルの進化史の大きな流れだと思われます。

上記のように真猿は外圧に対して共認機能の進化(集団化)+大型化というベクトルで進化していきました。特に共認機能の進化(集団化)のベクトルに舵を切ったのは真猿の祖先に由来がありそうです。次はそれを見ていきましょう。

真猿の祖先:「オモミス類」の特徴

約5500万年前頃、サルの祖先と言われるプレシアダピス類の衰退にともなって、「アダピス類」と「オモミス類」が登場します。
「アダピス類」は、昼行性で大型種も存在し食性は昆虫・果実・葉食。それに対し「オモミス類」は、夜行性で小型種のみ、食性は昆虫のみという違いがあります。
このうち「オモミス類」が現存する真猿類(ヒト・類人猿・旧世界ザル・新世界ザルを含むグループ)の共通祖先であると考えられています。
(メガネザルもこのオモミス類から進化したと考えられています)
そこで、少しこのオモミス類について具体的な個体例をあげて追求していきます。
※画像は人類の起源 同朋舎出版様よりお借りしています。

ネクロレムール
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分類:哺乳類・霊長目(サル目)・メガネザル下目・オモミス科
生息年代:第三紀前期~中期
生息地域:ヨーロッパ西部
東南アジアに生息する現生の メガネザルの祖先といわれる。現生種と同じく大きな目と耳をもっており、体はひと回り大きい。夜行性だったと考えられている。

テイヤールディナ 
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分類:哺乳類・霊長目(サル目)・オモミス科
生息年代:古第三紀(始新世前期~中期)
生息地域:北アメリカ・ヨーロッパ・アジア
テイヤールディナの化石は北米やヨーロッパでも発見されているが、アジアでも化石が発見された。従来の初期の霊長類は夜行性で果実などを食べていたとされていたが、アジアで発見された化石は目の大きさやアゴの特徴から、昼行性で昆虫と食べていた捕食動物だったとされている。

オモミス類は原モグラに近く夜行性で小型であるという特徴から種間闘争で劣勢だったのでしょう。そこで、共認機能に可能性収束し、集団を形成→種間闘争を有利にすすめていったと考えられます。
弱者がゆえに、助け合うために群れを作り適応していったということです。僕らに助け合う心があるのも、この時代に共認機能を強化したがゆえなんです :P。
今回は真猿の進化過程について見ていきました。次回は真猿の中でも新世界ザルの特徴について見ていきます。楽しみにしといてくださいね 😀 。

List    投稿者 MASAMUNE | 2010-08-04 | Posted in 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ)No Comments » 

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