2010-07-24

脳に見るサル・人類の進化史 ~ヒトの活動と脳の活性 1~

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脳の機能局在論はtakesyoさんにぶった斬られようとしていますが、ちょっと踏みとどまって、脳の機能分化についてもう少し詳しく押え、脳に見るサル・人類の進化史に迫ってみたいと思います。(takesyoさんは遠慮なくぶった斬っちゃってください)
  
 
 
脳が部位によって機能分化していることは、このシリーズを通じて理解されたことと思います。よくわからないという方は、こちらを参考にしてください。
機能局在論をぶった斬る?① ~脳の基礎勉強:パート1~
機能局在論をぶった斬る?② ~脳の基礎勉強:パート2~
機能局在論をぶった斬る?③ ~脳の基礎勉強:ラスト~
 
脳の機能分化は、進化に伴って諸機能を高度化するため、役割分化したことを表しています。とくに、ヒトでは脳のいちばん外側にあたる大脳新皮質が他の動物に比べ発達し機能分化ており、これはサルからヒトへの進化に伴うものと考えられます。
 
従って、ヒトにおける大脳新皮質の機能を明らかにし、サル段階の機能と照らし合わせることで、サルから人類への進化の過程で脳がどのように変化していったかがわかるはずです。
 
そこで、まずヒトの大脳新皮質の部位別機能の基礎データとして、人間が様々な活動(判断や思考、行動、感情生起)に際して、大脳皮質のどの部分が活動しているかを、紹介します。
 
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脳の活動部位のデータは、下記リンクのものがもっともよくまとまっています。1995年から2006年に発表された脳の活動部位に関する478の論文がデータベースになっています。その複数の研究結果を、行動、認知、言語、感情等の種類ごとに24のカテゴリーに当てはめ、そのときの脳の活動部位として一元化されています。
What do Brodmann areas do? Or: Scanning the neurocracy
 
大脳新皮質の部位の区分は、ブロードマン脳地図(下図)をベースにしています。これはドイツの精神医学者で神経学者のブロードマン(1868-1918)が1908年に大脳新皮質を細胞構築の違いに基づき47の領域(欠番を含め1~52の番号)に分類したものです。後頭部から見て開いた図なので、左側が左脳、右側が右脳です。なお、図の下にある23、24、31、32といった部位は脳の内側にある皮質です。
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活動のカテゴリーは、認知、言語、運動、感情などがあります。今回紹介するのは、原典の表現では「Cognition:認知、知覚」というカテゴリーです。実際の実験内容を見ると、いわば任天堂DSの「脳トレ」をやっているときの脳の活動です。(実は逆で脳トレがこれらのテストを応用しています。)
 
 
●計算する、数える
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13の実験のうち、8つが計算や数の比較、その他には、点の数を数えるもの、回転する立体に書かれた数値を判別するもの、顔の一部を見て性別を判断するものも含まれます。
 
 
●分類する
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11の実験のうち、7つがウィスコンシン・カードと呼ばれるマークの色と形と数の違うカードの分類を行うテストです。他には、ハノイの塔というパズルをやる、トランプが赤か黒かを当てるゲームをやる、などです。
  
 
●見て瞬時に判断する
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このカテゴリーの実験は87件あり、多彩な実験が行なわれています。集約すれば目で見て瞬間的に判断しボタンを押すという行為です。その具体的な実験内容は主に以下の4つです。
1、例えば「あか」という文字を見て「あお」と言う(23)
2、ルールに基づく押釦とルールの変更による反応(17)
3、位置を変えて表示される目印を見る(13)
4、ランプの色に応じた動作を行なう(8)
その他26の実験があります。
 
これら3つのカテゴリーは、多種多様な実験が行われていますが、脳の活動部位には、共通性が見られます。まず、右脳と左脳で大きな差がなく、右脳・左脳ともに概ね同じ部位を使っています。部位の共通性も見られます。番号でいうと、6、7、9、40が働いています。

List    投稿者 kumana | 2010-07-24 | Posted in 4)サルから人類へ…1 Comment » 

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コメント1件

 bolushichi | 2015.06.15 15:37

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質問ですが、この画像の原典を教えてください。

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