2010-02-13

オスとメスの違いって何?(5)~変異こそ生物史の中心命題

哺乳類はXY(雄へテロ)型の性染色体を持ち、Y染色体に変異情報が蓄積されているのではないか?と当ブログで提起されています。 ※参考:性染色体は変異の模索機構
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引き続き、今回は外圧情報(=新たな外圧に対する適応情報)をどのようにして伝達するか、そのメカニズムを考えてみたいと思います。

その前にポッチ m092
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父親の情報は当然のことながら精子から受け継ぐことになりますが、その精子形成の過程はというと、
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精細胞から精子が出精するまでの流れは、精巣(細精管)→精巣上体→輸精管→精嚢→出精の経路で、注目されるのは精巣上体です。

哺乳動物の精巣上体は、長さが数十メートルにも及ぶ一本の細管からできており、精巣に近い部分から頭部、体部、尾部に分けられている。精子はその中を数日から10日程かかって移動し成熟する。
精巣上体では、その部位に応じて多種多様のタンパク質があり、それらタンパク質を介して運動能、受精能を獲得していく。外圧(変異)を伝達するHY抗原タンパク質も、おそらくこの精巣上体で分泌され、抗原抗体反応により精子中心体へ作用していると思われる。
また、精巣網と精巣上体を繋ぐ精巣輸出管は、精巣上体の頭の大部分を占める部分だが、この精巣輸出管の結合組織には血管とリンパ管が豊富に存在している。刻々と変化する抗原抗体反応は、この精巣輸出管によって精子に伝達されている可能性あり。

精細胞膜には100種類を超えるタンパク質が付着しています。卵子が、精子という異物を一つだけ取り込む受精のためだけでなく、精巣輸出管で為される抗原抗体反応をはじめ様々な外圧情報を細胞内に取り込んでいるのではないでしょうか。
獲得免疫のような機能なら、新たな外圧を細胞内に記憶することが可能です。
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この事から考えられられるのは、抗原シャワーを浴びた精子の中のある器官が抗原から受け取った情報を蓄積、伝達する機能を有しているという事だ。
ここで注目したいのが「中心体」である。
なぜ中心体かというと、
○中心体が細胞分裂の司令塔を担っている。 ※参照:生物史に興味を持ってもらうシリーズ-3 ~その1.中心体が生命活動の統合役~
○精子のみに存在する器官である。 ※参照:精子と中心体
からである。
精子のみに存在する中心体が抗原シャワーを浴びる事で何かしら変異し、細胞分裂時にその変異を発現させると考える事が出来るのではないだろうか。
中心体が外圧情報を伝達する

中心体はRNAとタンパク質の複合体であるRNPで構成されており、遺伝情報を担うことが出来ます。
中心体や免疫機能などが、外圧情報(新たな適応機能)の記憶、情報伝達に用いられているのでしょう。

中心体の構造は、GTP(GDP)とチューブリンタンパクという非常にシンプルである。とすると、ペンローズ・ハメロフ・モデルで提唱しているような、「デジタル的変化」(二進法の様なイメージ)によって変異を伝達している可能性は十分に考えられるのでは無いだろうか。

List    投稿者 tsuji1 | 2010-02-13 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 

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