2010-01-02

ネズミの集団自殺は本能なの?

008006001%5B1%5D.jpg
食糧問題、環境問題、エネルギー問題などの社会問題が深刻している現在ですが、このような危機的意識が社会的な収束不全を引き起こし、性の衰弱に至っているということが、11月のなんでや劇場で議論されました 😀
一般的に社会問題の原因として、人口の増加が原因なのではと言う意見をよく耳にします。
そして、「集団自殺するねずみ」が存在するということをふと思い出し、種の存続のために自殺するという本能が、DNAに刻印されている可能性があるのではと心配になりました 🙁
仮に刻印されていて、かつ人類でも同じことが言えるとすれば、性の衰弱は自殺本能によるものという可能性が浮上することになります
ねずみの集団自殺について説明しているサイトがあったので紹介したいとおもいます。

 にほんブログ村 科学ブログへ


以下引用

「集団自殺をするネズミ」といえば聞いたことがあるとおっしゃるのではなかろうか。分類学的には一属なり一種なりのネズミを指しているのではなくレミング属・クビワレミング属などのネズミの総称で、中でも一番有名なのはノルウェーレミング、またの名をタビネズミという種である。
生物として個のレベルでも自殺というのは非常に珍しい行動なのだが、それを集団で行うとなるとこれはただごとではない。人であるならば後天的に死を恐れない教育をされることはあり得るかも知れないが、これがネズミとなると遺伝情報としてインプットされていなければいけないことになる。これは種の存続として非常に危険な情報でありそれを持っているとは思いにくい。あるいは細胞であれば「アポトーシス遺伝子」をもち、発生の段階で細胞が自己融解する機構はあるが、それが個体をも死へと導くのであるとすれば、タビネズミの遺伝子を取り出して自殺に追いやる遺伝子・・・などという恐ろしいものが生まれてしまうかも知れない。

では、本当に集団自殺するのか?
「集団や種に有利な性質が広まる」といわれることがある。そしてレミングなどのネズミの集団自殺が、その例としてよくとりあげられる。 
 これらのネズミは、何年かおきに大発生することで知られている。とくに北欧では、レミングが大発生して森林から移動し、一部は川や海に突入したり、谷から飛び込んだりする様子が、集団自殺の例として伝説になっている。「集団自殺」というのが適当かどうかは疑わしいが、大発生したんネズミが集団で移動し、大量に死亡するというのは事実である
 このような性質(集団移動)が進化した原因として、次のように語られることがある。森林におけるレミングの数が異常に増え、そのままでは、そこにいるレミングが絶滅しかねない。そこで、レミングという種を存続させるために、レミングは集団の一部を残して大移動し、川や海に阻まれると自殺する、というのだ。
 この話はよく、集団や種にとって利益となるような性質が進化する例として語られる。

 それではなぜレミングは集団で移動し、大量に死ぬのであろうか。
北海道のエゾヤチネズミの例で説明してみよう。レミングほどの大規模な集団移動ではないが、エゾヤチネズミもレミングと同様に、個体数が大幅に変動し、その増加期には多くの分散個体(生まれた場所や定住場所から移動する個体)が現れるのだ。
 エゾヤチネズミの雌は繁殖期になわばりをもち、一匹の雄は何匹かの雌のなわばりを動き回る。雄同士はなわばりはなく、行動圏は重なり合う。雌が発情する(雄の交尾を受け入れる状態になる)と、何匹かの雄が交尾しようと雌に接近する。接近した雄の間にかなり優劣の関係があるときは優位な雄が他の雄を追い払い、雌を独占する。雌と交尾するためには雄同士で競争が行われ、交尾できずに終わってしまう雄もいる。
 もとの場所を離れて分散した個体を調べてみると、競争に負け、雌との交尾に失敗した雄が多いことがわかった。分散する雄にとってみれば、そこにいても繁殖ができないので、移動に伴う危険を冒しても、別の場所に移ったほうがましなのだ。

 このように、レミングやエゾヤチネズミでみられる移動、分散は、元の場所にいては繁殖可能性の低い個体が、他の場所への移動を試みたほうが少しは繁殖の可能性が生じるために、引き起こされるものと考えられる。そうした観察結果から、最近では、レミングが川や海に飛び込むことなども、「自殺」ではなく、泳いで新しい場所へ移動しようとする行動であるといわれている。


どうやら集団自殺するような本能は存在しないようです
よかったよかった
とは言っても、性の衰退が種の為に集団自殺する本能によるものではないとわかっただけで、収束不全による性の衰退は実際起きていて、とても深刻な問題なので、みんなで新秩序の構築に向けて、考えていく必要があると思います。

List    投稿者 mizuguti | 2010-01-02 | Posted in ⑨おもしろい生き物5 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2010/01/925.html/trackback

トラックバック(1)


コメント5件

 さんぽ☆ | 2010.08.21 19:00

金魚すくい懐かしいですね。
鯉が混ざっているなんで、びっくりです(@0@)
金魚って寿命長いのですね!!
飼えなくなった時に、川に放流って危険だったのですね。
これ意識してない人って多いと思います。
勉強になりました!

 ジャギ様 | 2010.08.22 13:50

 稚魚の金魚と鯉の見分けがつかないなどとても参考になりました。
 アクアリウムで身近に魚を飼いたい、それ以上に小動物の「命」を掌で感じたいという感情は、人間の根源的な欲望に根差していると考えられます。
 ヤマッ気のある飲食店が完璧なロケーションで無料引取り→防疫→展示→販売できるようにすれば、かなり被害を減らせそうですね。
 公益性の高い立地と規模の店舗には、設備の一部を自治体に助成させる法律も必要かと思われます。

 nannoki | 2010.08.23 1:27

そうか~
うちの金魚も10cmくらいデカイのがいますが、もしかしたら、鯉・・なのかも。
記事にあるように、必ず成仏させるようにいたします。

 HeavyGun | 2012.08.15 13:51

川に放流するのは良い事、みたいにする
風潮があります。
実際は、自分の手を汚さずに殺しているようなものです。周囲の生態系にも影響が及びます。
「百害あって一利なし」とは、正にこのことです。

 かぼちゃ | 2014.01.27 16:12

ちょっと変だ。
色々言ってるけど、固有種だって世代交代を重ねれば100年後には別の生物というべき遺伝子の持ち主になる場合がザラなんだよね。
たとえばメダカは生後3か月で性成熟するわけで、これを考えると人間の数十倍~百数十倍の速度で世代交代を重ねる計算になる。
いかに固有種だけで交配を繰り返そうと、100年もすればそれ以前のメダカと比べて縄文人と現代人ぐらいの違いが出るわけ。
縄文人と現代人を比べたって遺伝子的に同一の種族と決して言い切れないだろ?それと同じさ。
この際言っとくけど、メダカだけじゃなくて大半の生き物がこれぐらいの短い周期で世代交代を繰り返すものだ。
つまり固有種という概念は大型動物でもない限り実質を有しない。

Comment



Comment