2009-11-05

収束と統合、可能性収束の論理6-因果関係と収束関係(実現関係)

生物史を読み解くには『収束』という概念がキーとなります
同時に、現実の人間関係、仕事関係、社会関係において何かを実現していく上でも非常に重要な概念装置となります

ところで、少し前からでしょうか? ビジネス本などで「図解」が流行しています。「問題を発掘するため」「様々な視点で考えるため」「分かりやすく伝えるため」などの効用が説かれています。それはそれで有効なのですが、その図解手法には欠陥もあります。

図解化においては、「矢印(→)」が思考法そのものとして決定的に重要なわけですが、一般的な図解法の矢印(→)は「因果関係:原因→結果」「時系列:過去→現在→未来」「モノや情報の移動→」といった表現しかありません。

単純な状況整理であれば、因果関係:こうだから(原因)→こうなった(結果)で事足りることもありますが、現在のように外圧や人々の意識潮流が目まぐるしく変化する状況下では、単なる因果関係だけでは、答え=実現可能性を導き出すことはできません 🙄

そこで重要になってくるのが「収束関係(実現関係)」という思考ベクトルです

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1.生物史は『逆境⇒どうする?⇒可能性収束⇒新機能の実現』の塗重ね
るいネット「因果関係と収束関係(実現関係)の矢印」 より

進化(=実現)の歴史が、常に逆境発の⇒探索(どうする?)⇒可能性収束⇒(新機能の)実現態の塗り重ねであるとすれば、実現の摂理は常に、逆境⇒課題(どうする?)⇒可能性収束⇒実現態という収束関係or実現関係(⇒)で表現されることになる。
(かつ、時間軸上では、常に、古い左項から⇒新しい右項へと、⇒が引かれることになる。)

生物進化の歩みは全て、単なる因果関係ではなく、『逆境⇒探索⇒可能性収束⇒新機能の実現』という収束関係(実現関係)の連続です。

例えば、魚類から両生類への進化。
約5億年前、脊椎動物の先祖である無顎魚類は、オウムガイなどの頭足類に一方的に捕食される関係でした。
魚類のご先祖たちは、この(頭足類に食われる)逆境から逃れるために、汽水域(≒河口)に逃げ込みます。そこは安全地帯というわけではなく、海水との浸透圧の違い、ミネラルが十分摂れないなどの新たな逆境(環境外圧)が待ち受けていました。その中で、ご先祖たちは、鱗や硬い骨などの新機能を獲得していきました。
さらにこの汽水域に肉食種という新たな逆境が登場します。浅瀬へと生息域を追われ、水が少ない(乾燥)という逆境に直面します。そこで今度は、乾眠(乾季に土にもぐって栄養を蓄える)、肺呼吸を備えて肺魚に進化し、さらには手足の機能を獲得して両生類に進化していったのです。

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※参考
【図解】逆境からの進化 ~脊椎動物のあゆみ~

常に逆境(環境の変化や種間闘争)が進化(実現)の源泉となってきました。
逆境に対して「どうする?」と必死に追求していく中で、わずかな可能性を見出し、全身全霊をかけて収束することによって新機能を実現していく…そこには生命のエネルギーが感じられますね。
今を生きている人類も同じ。私たちが立脚すべき摂理を教えてくれます。

2.徹底した原因分析によって実現基盤を発掘する
るいネット「因果関係と収束関係(実現関係)の矢印」 より

そして、因果関係などというものは、収束関係(実現関係)の中の、最初の逆境という項目の内部を説明するだけの摂理にすぎないということも、一目で分かる筈である。もっとも、それ(因果関係の解明)はそれで必要で、徹底した原因分析によって窮極の原因に達することなしには、可能性収束が可能な実現基盤を発掘することはできない。(窮極の原因を打ち破る、より深い実在物が、即ち実現基盤である)

脊椎動物の進化で見たように、因果関係(原因→結果)は、収束関係(実現関係)の中の最初の逆境を説明するものです。
つまり『原因→逆境(不全)⇒どうする?⇒可能性収束』 ですね。
(→:因果関係の矢印  ⇒:収束関係の矢印)

だからといって、因果関係を追求することが不要なわけではなく、可能性収束が可能な実現基盤を発掘するためには不可欠な思考です。
逆境を何としてでも突破する、新しい可能性を実現する…そうした「実現の意志」があってこそ、因果関係の解明は意味を持つともいえるでしょう。

3.人類社会は実現不可能視を脱し、実現の時代へ
生物の進化、適応とは、実現可能性に向かって絶えず可能性収束し続けることでした。
しかし、私権時代の人類は、この現実(社会)は変えられない、私権の強制圧力を覆すことはできないという「実現不可能視」に陥ってしまいました。
そこから生まれた思考が、古代宗教であり、近代思想です。実現不可能視を刻印されたこれらの思考(思想)は、当然ながら現実(社会)を変えることはできませんでした。こうした思考が自然の摂理に反していることは言うまでもありません。

るいネット「因果関係と収束関係(実現関係)の矢印」 より

例えば、貧困という逆境の原因として、「資本の運動」という動因を明らかにするだけでは全く不充分で、そこには(「万国の労働者、団結せよ」という観念論以外に)、何の実現基盤も提示されていない。
更に深く「資本の運動」を成立せしめている根本原因をつきとめ、それが生存圧力を基盤にした私権意識にあることを明らかにしてはじめて、’70年に実現した科学技術etcによる「貧困の消滅」が、「資本の運動」を解体してゆく実現基盤であることに気付けると共に、現代という時代が人類史を覆すような大転換期であることをも教えてくれるのである。

貧困を生み出す原因が資本権力による搾取であることがわかって、アンチを唱えて願望を表明することはできても、脱私権を実現することはできませんでした。そこには、生存圧力という窮極の原因が存在していたからです。

しかし、’70年の貧困の消滅=生存圧力の弛緩により状況は一変します。
窮極の原因を打ち破るより深い実在=実現基盤の発掘が、人類社会を脱私権へと大きく転換させてゆく=実現の可能性収束先を示してくれるのです。

生物史の勉強は、現実を突破する思考を身につけることにつながりますね

List    投稿者 iwaiy | 2009-11-05 | Posted in ①進化・適応の原理2 Comments » 

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コメント2件

 さんぽ☆ | 2010.06.08 17:49

立体的に表現してあるので、分かりやすいですね!
名前は聞いたことがあっても、どこにそれがあるのかって以外と分からなかったので。。。
絵をみても??だったことも。
それってどこにあったけ?
となったら、このブログ記事に戻ってきま~す☆

 takesyo | 2010.06.19 19:58

さんぽ☆さんコメントありがとうございます。
コメントが遅くなってすみません。
>それってどこにあったけ?
>となったら、このブログ記事に戻ってきま~す☆
是非、戻ってきてください♪
むしろ、そういう風に使ってもらう為に、作ったので、嬉しいです。
シリーズ第三弾もアップしているので、是非ご一読くださいね。

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