両生類からホ乳類へ -2- ホ乳類の恒温性
前回に引き続き、両生類からホ乳類への流れを紐解いていきます。
今回のテーマは恒温性について 😀 。
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まずは、Wikipediaの「恒温動物」の記事を見てみましょう。
温血動物(warm blooded animals)という言葉が暗に示すように、恒温性はかつては哺乳類・鳥類に固有かつ普遍の特殊形質であると思われていた。しかし、哺乳類・鳥類以外にも様々な生物で様々なレベルの体熱産生を伴う能動的な体温調節の例が発見され、哺乳類・鳥類においても、ナマケモノやカッコウのように変温動物といっていい体温調節を行うものがあることが知られるようなった。
恒温が「恒に体温を一定に保つ」ことと考えるなら、そのような動物は発見されていない。「積極的な体熱産生と放散を伴って能動的にある範囲に体温を保つ」こととするならば、動物では様々な分類群に分布する(珍しくもない)生理特性である。例えばウミガメ,ネズミザメ類やマグロ類にはほぼ一定の体温を保ち、10℃近い冷水の中でも活発に活動するものがある。
例としてはクロマグロで35℃,アカウミガメで23℃付近とされている。特にネズミザメ類はほ乳類や鳥類と同様、属するほぼ全種が恒温性を持つ。ハナバチやガの一部も胸の筋肉をふるわせて体温を上げ、気温の低い(競争者の少ない)早春・晩秋や夜間に活動する。植物においてもザゼンソウ、ヒトデカズラ、ハスなど、花器を開花期間中一定の温度に保つものが存在する。例えばザゼンソウでは4℃から15℃の外気温中で、肉穂花序の温度を24℃±1℃以内に保つが、これは多くのほ乳類や鳥類の体温日周変動幅より小さい。
恒温動物って鳥類とホ乳類だけじゃない !?
個人的に超ビックリでした
ただ、この恒温性をもっている動物群は共通して気温の低いところに住んでいます。
気温の低いところに住む最大の利点は競争になる生物が少ないことです。
つまり、温暖な場所を追いやられて低温な場所に逃げてきた生物が生きるために恒温性を獲得したのではないでしょうか?
この仮説をもとに、ホ乳類の恒温性を探っていきます。
まずは、ホ乳類につながり恒温性を獲得した生物を考えてみましょう。
獣弓類が現生哺乳類につながる恒温性をもった動物として知られている。現在知られうる最古の獣弓類は、2億6,880万年~2億5,970万年前に生息したテトラケラトプスと呼ばれる生物であった。(Wikipedia)
では、獣弓類が生きた時代はどのような環境だったのでしょうか?
氷点下にいたる夜の寒さから摂氏40度に至る日中の暑さまで、激しく寒暖が変化した。
原始的な盤竜類(獣弓類以前の単弓類)の一部の種は、熱交換器の機能がある帆のような突起物が背中にあり、昼間は太陽光を吸収して不活発な体を温めていたと考えられている。
その後、獣弓類として知られる哺乳類型爬虫類は、自らの体内で体温を保つ方法を獲得した。(リンク)
ペルム紀の初期には、ゴンドワナ大陸が南極地域にあり、大規模な氷床が発達していたため、気候は寒冷だった。(Wikipedia)
ホ乳類につながる恒温性の動物は獣弓類と考えられており、それが生きた時代は寒冷期であったようです。
ただここで疑問が残ります。ゴンドワナ大陸には獣弓類以外もいたはず。他の動物が恒温性を獲得しなかったのはなんでなんでしょう?
獣弓類はペルム紀中期には陸上生態系の中の多数のニッチを独占し、盤竜類たちを駆逐していったようです(参考:Wikipedia)。
『古世界の住人』さんの記事をみていだだけると詳しくわかりますが、ローレシア大陸には両生類、盤竜類を含めいろんな生物がいますが、ゴンドワナ大陸には獣弓類が多くいます。
おそらく、その当時はローレシア大陸の方が住みやすかったのでしょうが、獣弓類の祖先はそこを追われた弱者でありゴンドワナ大陸という寒冷地に逃げてきた。そしてゴンドワナに適応しするために恒温性を獲得し、その機能により他の生物の有利にたてるようになったのではないでしょうか?
このように、恒温性という機能を獲得した背景には寒冷化という逆境があったからだと考えられます。
今回調べてみて、魚であれ植物であれ、外圧により進化の方向が基底されるということがわかりました。逆境をもとに進化を追いかけてみるのが進化史を探るポイントなんですね。ほ乳類(≒人類)は特別優秀な機能をもっているという考えは間違っているのでしょう。
るいネットにも恒温性についての投稿がたくさんあります。ぜひ読んでみたください。
『哺乳類への機能進化の流れ』
『逆境の連続が哺乳類を生んだ①』
『変温動物から恒温動物への進化について補足』
(masamune)
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匿名 | 2010.03.21 20:56
酸素のある 前 脳より消化器のほうが大切だったかも?