2009-07-30

原猿と真猿の縄張りはどう違う?

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原猿と真猿では、縄張りでの生活はどう違うのでしょうか?
まずオスを中心とした縄張り全体について、るいネットで調べてみました。
詳しくは「闘争集団の成立 資料編」をご覧ください。
大きく特徴を整理すると
●原猿 単独生活の縄張り。
・オス縄張りは複数のメス縄張りを包含する。
・侵入者は同性は撃退するが異性は受容
・雄は自縄張り内のメスに他の雄が近づくのを撃退(一夫多妻型)。
・若雄は縄張りを持たず放浪し成長し、縄張りを狙う。
・雌には、母系の雌は縄張り内に入っても許容する種と撃退する種がある。
●真猿 集団生活の縄張り
・1つの群れに複数の雄雌を含む複雄複雌(集団)型している。
・雌が一生生まれた群で生活する母系型(ニホンザル)と雌が出ていく父兄型(チンパンジー)がある。
・集団内の雄間には、明確な順位が存在し、順位毎の役割が存在する。
・順位の上の雄が多くの雌と交尾を行なう。
・また、雄間でもマウンティングやグルーミングによる親和行為が認められる。
・集団間同士が接触すると、縄張り闘争が行なわれる。
では、オスを中心とした縄張りの中で、メス達の縄張りはどうなっているのでしょうか?なかなかこの情報がなかったのですが、ありました 😀
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以下、「類人猿の眠りと人の眠り」より部分引用。
●原猿の縄張りと子育て・睡眠

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夜行性の原猿類は、小さな縄張りの中の一点を定点巣として持っています。木のウロだとか実際に木の枝なんかを集めて巣を作ることがありますが鳥の巣のようなものです。そこに毎日帰って来て寝ます。一頭で寝るのではなくてペアで寝たり、あるいは子どもといっしょに寝ます。そしてそこで繁殖もする。
夜行性原猿類の定点巣は縄張りの中の定点です。外敵が接近不能な場所に作られている。これは安全な睡眠と繁殖・授乳・子育てということが目的です。いつも原猿類はこの安全な巣場所に子どもを置いて採食に出かけます。そして授乳をしに帰って来る、そういう生活をするわけです。

●真猿の縄張りと子育て・睡眠

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ところが昼行性の真猿類になりますとこの巣を捨てるのです。遊動域がどんどん広くなると、同じ定点に戻ってくることが不可能になりますので毎日寝場所を変えて木の上で巣を作らずに寝るようになります。このために子どもは生まれてすぐ母親の体につかまって運ばれるようになります。ですから比較的成長した子どもを産まなくてはならなくなったわけです。
真猿類は木の上に子どもといっしょに座って寝ます。枝に掴まって寝る。そのために彼らは枝を握る力が強いし尻ダコというのを持っているのです。尻ダコというのは長い間硬い場所に座ってもお尻が痛くならないような装置です。巣がなくなって遊動域が拡大したために寝場所を毎日移動しなければいけなくなりました。その代わりに尻ダコや尾で体を支えて、成長した子どもを出産する、乳児を常に抱いて移動する、集団で警戒体制を取る、こういうことが昼行性の真猿類に出てくるわけです。

まとめると・・・
原猿は夜行性で単独行動のため、縄張りの中心の最も安全な定点に巣を作り、他種から子を守ります。睡眠もこの定点でとります。
真猿になると子も親に捕まる程度の腕力を持って生まれ、親は子を抱いて食物を求めて木々を移動します。睡眠は、移動した木の上でとります。また真猿になり同類闘争の激化により集団での警戒態勢を作っていきます。
以上から、原猿段階では、まだ繁殖による樹上の数も少なくエサも豊富であり、定点による生活が可能であったと考えられます。
真猿になると、樹上のサルの数も多くエサを求めて移動するようになる。樹上の移動生活と縄張りの変化により自らの体も変化させ、共認機能の獲得により集団を形成し、他種だけでなく同類闘争からも縄張りを守る形態へと変化したことが分かります。

写真はこちらからお借りしました。写真1写真2写真3 ありがとうございました。

List    投稿者 yooten | 2009-07-30 | Posted in 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ)3 Comments » 

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コメント3件

 男 20代 | 2009.12.02 1:36

楽しみです。

 mika | 2009.12.02 9:48

一昨日、今週の宿題「一通り読んでみる」をやってみました☆
難しい言葉が多くてわからないところもあったけど、それ以上に気付きと可能性がたくさんありました!!その夜は興奮して大学の課題が進まなかったくらい…笑
生物も歴史も苦手なふつつか者ですがよろしくお願いします♪

 kawai | 2009.12.02 20:10

さっそく、活きの良いコメントありがとうございます。
mikaさんの苦手意識は、過去学校の授業において「なんで?」という視点及び追求の場が設けられていなかったからでしょう。
既に実現している生物・人類の様々な機能に、改めて「なんで?」追求をしてみる事で沢山の気付きが得られます。
学び終わった頃には、生物大好き!になっていますので楽しんで学んでいきましょう!

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