2009-07-08

サルにおける「発情と交尾」(産卵・排卵シリーズ番外編)

哺乳類の事例で見たように、排卵方式や発情期間は補食行動と密接な結びつきがあります。つまり、生殖様式も外圧適応した姿に他なりません。

サルはどうでしょう?

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サルは、一定の排卵周期を持ち、交尾の有無によらず排卵が起きる自然排卵動物という点は同じです。

ところで、発情期の位置づけについて、サルでは、それまでの動物とは大きく異なっています。

例えば、哺乳類一般は、発情期の一部が交尾期となります。サルの中でも、原猿は他の哺乳類と同様、発情期(=交尾期)は限られています。群れを作る種であっても、ヴェローシファカは1~3月、ワオキツネザルでも、4~5月に数~10数時間と極めて短いようです。(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=19058

ところが、真猿、とりわけ進化したチンパンジーなどでは、年中発情すなわち交尾が可能となっています。発情周期約4週間に、発情期は10日間続きます。ボノボに至っては、「疑似発情」状態にあって、いつでも交尾できる状態にあります。

ヒトの排卵周期も4週間間ですが、ついに「発情期」は無くなり、年中発情状態にあります。すなわち、もともと【排卵・交尾・受精】は一体のものとして生殖のためであったはずが、交尾が、子孫を残す意味だけでなくなったということではないでしょうか。以下は、実現論 http://www.rui.jp/ruinet.html?i=100&c=1&t=5#03 から。

 そして、この存在理由=役割を巡って、真猿以降、メスに決定的な変化が生じる。

真猿集団は、同類闘争(縄張り闘争)を第一義課題として共認している。本能に基づく外敵闘争なら、メスも闘える。例えばライオンの雌はシマウマを倒せるし、サルの雌もリスを蹴散らせる。ところが、本能に基づく外敵闘争ではなく闘争共認に基づく同類闘争になると、同じサル同士の闘いなので体格が劣るメスは全く戦力にならない存在となり、存在理由を失って終う。

その結果、メスは極度に依存性を強め、首雄に強く依存収束する(強固な依存収束回路を形成する)と共に、首雄の性的期待に応望すべく、自らの全存在理由をかけて性機能(挑発機能や発情機能)を発達させてゆく。

例えば、メスの尻は赤く膨れ上っているが、これはオスを挑発する為であり、一定期間だけであった発情期も次第に延長されてゆき、最も進化した真猿では、遂に年中発情することが可能な状態に至っている。

かくしてメスは、首雄に対する性的役割(広義には解脱充足を与えること、その中心が性的充足を与えること)を、自らの第一義的な存在理由とする性的存在となる。従ってメスの脳回路は、存在理由の欠損を原点にした強力な首雄収束⇒性的役割収束⇒性機能収束の共認回路が主軸になっている。首雄との雌雄解脱共認を主回路としているとも言える。

もちろん、それが生物を貫く雌雄の差別化というベクトルに合致した、一つの進化形であることは、言うまでもない。

List    投稿者 blogger0 | 2009-07-08 | Posted in 4)サルから人類へ…No Comments » 

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