2009-07-03

猿・人類の脳回路発達と共認充足の関係性、脳内物質との連関

こんにちは、NISHIです。現在るいネットのネットサロンで、猿の脳回路発達について調べています 😈
猿・人類の脳回路の特徴の一つとして「共認回路」がありますが、この共認回路は感情の起伏をコントロールするドーパミンやセロトニン、エンドルフィンなどの脳内物質の働きと密接に関連していると考えられます
共認回路と脳内物質の関係性についてネットサロンで調べていたところ、その密接な関係性を証明する、猿(真猿の一種であるマカク猿)における興味深い実験結果を発見しました 😀
下の写真がその実験の様子です。(実際の実験写真です)
clothmom1238096368.jpg
なんだか不気味な様子の写真なので内容が気になりますよね 😈
ポチっと押してから、中身に迫りましょう。
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◆布製代理母と針金製代理母の比較実験
この実験は、アメリカの心理学者ハリー・ハーロウによる実験で、発達心理学の分野では良く知られた実験のようです。
まずは、こちらの動画を見てください。(結構衝撃的ですよ・・・ 🙁 )
YOU TUBE リンク「harry harlow & rhesus monkeys – development」
動画にあるように、ハーロウは箱の中に布で出来た代理母と、針金で出来た代理母を容易し、その箱の中で赤ちゃん猿を育てました。
ちなみに布製の代理母は、体温同等の温度に暖められていますが、ミルクを飲むことは出来ません。針金製の代理母には、哺乳瓶を取り付けてあり、ミルクを飲むことが出来ます。
動画を見れば解るように、赤ちゃん猿はお腹が減ったときだけ、針金の代理母からミルクを飲み、お腹が満たされると、直ぐに布製代理母の方に寄り付きます。その姿は、とても不安そうです。布製母と針金製母の距離を遠く離しても、同じ結果になったようです。
なお2匹の猿を、哺乳瓶を取り付けた針金代理母と、同じく哺乳瓶を取り付けた布製代理母で別々に育て、しばらくその環境下で過ごした後に、哺乳瓶を取り付けていない(=ミルクの出ない)針金母と布製母の下で過ごさせると、2匹の猿はその殆どを布製母と過ごし、針金母からミルクをもらっていた猿も針金母に興味を示さず、布製母にしがみついていたそうです 🙄
◆代理母が及ぼす心理的影響 その1
次は、こちらの動画を見て下さい。(さらに衝撃的ですよ・・・)
YOU TUBE リンク「Scaring a monkey: another experiment by Harlow」

恐怖感を与える人形を赤ちゃん猿に見せると、赤ちゃん猿は戸惑いなく布製代理母にしがみつきました。
この状況で布製母を取り除くと、猿は部屋の隅で泣き叫び続けますが、やがて自分から人形に近づいていきます。同じ実験を、針金代理母だけを設置し、布製母がいない状況で育てられた赤ちゃん猿で行うと、今度は叫び続けるだけで、人形に近づくことはできなかったそうです
このことから、例え布製の代理母とは言え、温もりを感じる存在と触れあうことで、一定の心理的安定性を構築し、外界に向かう好奇心や探究心を持つことができる。
つまり、猿の心理的・精神的成長にとって、「皮膚感覚の接触(=スキンシップ)」が何よりも重要であることが解ります
上記の代理母の比較実験の結果と合わせて考えると、共認動物(猿・人類)にとって、皮膚感覚の接触を求める行動は赤ちゃんの時から染み付いている、文字通り心理的・精神的成長の為に必要不可欠な行為であると言えます 😀
◆代理母が及ぼす心理的影響 その2
ハーロウは、これらの実験結果を踏まえ、なんとも大それた発表を行います。
それは「母性なんて不用」と言う内容で、布でも何でも温かい接触さえあれば、子供は育つので母親なんていなくても育つと言う論理です。(そんなバカな・・・ 👿 )
ところが、この発表は赤ちゃん猿の成長過程での発表であり、1~2年経つと布製の代理母で育った猿も、針金製の代理母で育った猿も、全部正常に育ちませんでした 🙁
代理母で育った猿は、恐怖感が以上に強く、攻撃的で異常行動を起こすようになってしまいました。社会性も育たない為に集団に馴染めず、虐められ、最終的には集団を追い出されてしまう。性行動も子育てもできない。自分の腕や指を噛んで血だらけになっていたり、自分の腕を噛み切ってしまった猿もいたそうです
こちらの動画に、恐怖感が強く、集団に馴染めない猿の様子が収録されています。
YOU TUBE リンク「Harlows Monkeys」
結局、ハーロウの発表した「母性なんて不要」と言う結論は事実に反しており、単に温もりがあるだけの代理母では、対象性と社会性を欠如してしまうことが明らかになりました 🙁
なお、代理母の体を動くようにしたり、正常な猿たちと遊ぶ時間をつくると、発達はかなりマシになったそうです。(あくまで「マシ」と言う程度です・・・)
猿(人類も含めて)の成長と発達において、母親や仲間との関係性や反応が非常に重要であることが解ります
◆共認充足と脳回路の発達、脳内物質との関係性
この実験で最も注目すべきは、このように代理母で育てられた猿の脳を解剖し、脳回路の発達状況を調査した点にあります
解剖の結果、これらの猿の脳回路は通常の猿に比較して前頭連合野が極めて未発達で
ニューロンやシナプスの発達度合いも低い。更には脳内物質の量も少なく、ドーパミンやノルアドレナリン、そしてセロトニンが極端に少なかったそうです
このことから、以下の2つの事実が解ります。

①脳回路の発達において、共認充足(=母親や仲間とのスキンシップや発信・反応の充足)は必要不可欠であること。
②共認回路は、各種の脳内物質、情報伝達物質と密接に連関していること。

これらの事実から猿→人類に至る脳進化の過程を考えると、共感・共認機能によるプラスの充足感を基盤として脳回路や脳内物質による伝達・反応経路を発達させ、適応してきたと考えられるのではないでしょうか 😈
※なお、ハーロウの実験はあまりにその内容が酷かった為に、社会的に衝撃を与え、動物擁護運動を生み出すきっかけにもなったそうです。。。確かに人間性を疑う実験ですよね
参考:子育て爺ちゃんの幼児心理学(予防カウンセリング)①       
   脳の発達と動物飼育

List    投稿者 crz2316 | 2009-07-03 | Posted in 4)サルから人類へ…1 Comment » 

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コメント1件

 あれっくちゅ | 2009.09.27 2:20

夏みかんなども収穫しないと実が落ちて、極端な酸性土壌になるそうです。
これもアレロパシーですね。
セイタカアワダチソウも自家中毒があると聞きました。
河川敷などセイタカアワダチソウだけで大群落を作っている場所は、たまに草刈を行っているようです。
まったく草刈を行わない空き地では、ススキに取って代わられている場所も多いみたいですね。
また、観察していると日当たりや標高に関係なく群落ごとに開花期がそろっているようなので、大株を作っていて他の個体が入り込めていないのではないでしょうか。
また大群落の方が開花が遅いような気がします。
セイタカアワダチソウは蕾の蜜がアレルギーに効能があるとかで、民間療法があるそうです(入浴剤)
私は蕾をつまみ食いしてみたところ、
気管支喘息が多少軽くなったような気がします。
風呂に入れると家族が嫌がるので、お茶にでもしてみようかな?

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