種無しスイカの秘密
突然ですが、みなさん 😀
果物 は好きですか
果物おいしいですよね
でもスイカやブドウって種があって面倒。。。
そんなニーズに応えて登場したのが
種なしスイカ
これって、よく考えると不思議ですよね 🙄
「果肉って種子の為にある」って理科で習いましたよね?
おいしい果肉を目当てに動物が果物を食べたときに、一緒に種子も食べてもらえる。
そして、種子は消化されずに、糞とともに排出される。
それによって、生息域を拡大できる。
植物が生き延びる為の戦略だったはず
なのに、「種なし」って!!
では、いったいどうやって種なしスイカは作るのでしょうか
いつも応援ありがとうございます 😀
通常、植物が子孫を残すために配偶子(生殖細胞)を作る場合、減数分裂を起こし、染色体の数が半分になります。
この配偶子と別の個体の配偶子が出会って、両親の性質を受け継いだ新しい個体が生まれます。
これが受精です!
※【図A】を参照して下さい。
しかし稀に、減数分裂が起こらず染色体が2倍(2セット)のままの配偶子が出来ることがあります。
この配偶子同士が出会うと、通常の個体の2倍の染色体を持った4倍体が生まれます。
4倍体は持っている染色体のセット数が偶数なので、正常に減数分裂を行うことができ、配偶子を作ります。
※【図B】を参照して下さい。(図は自作です。間違っていたら指摘して下さい。)
この配偶子(2n)と通常個体の配偶子(n)が受精することで、生まれるのが3倍体です!
3倍体は染色体のセット数が奇数なので正常な減数分裂が起こりません。
これにより、配偶子が出来きず、従って、種ができないのです!!
『種なし』は、このような仕組みで作られます。
「種なしブドウ」や「種なしスイカ」などは、ジベレリンやコルヒチンコルヒチンなどの薬品で処理され、人工的に3倍体にされています。
ではでは、具体的に説明すると・・・
<種無しスイカの作り方>
①22本の染色体(2倍体)を持つ普通のスイカを、成長過程で「コルヒチン」という植物ホルモンで処理します。
②コルヒチンには染色体を倍にする働きがあり44本の染色体(4倍体)を持つスイカができます。
③この4倍体のスイカのメシベに普通の2倍体のスイカの花粉を付けると、3倍体のスイカが出来きます!
奇数倍は種を作らないから種無しスイカのできあがり!!
この方法は、非常に手間がかかるため、最近は種無しスイカはあまり栽培されていないようです。。。
同様の操作がニジマスの養殖でも行われているようです。
3倍体雌魚は不稔であるので、成熟期になっても肉質の低下、成長の停滞がないため、肉質の良い大型魚の生産が容易になるとのこと。
こうやって大量生産や快美性をつきつめていった結果、通常自然界ではめったに存在しないものを人工的に作り出している。
これってどうなんでしょう?
という疑問がわきます 🙄
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こうやって、改めて進化の歴史をたどると、今の私たちって、過去の様々な外圧を乗り越えて適応してきた上に成り立っているのが、よく分りますね。
壮大な歴史の上に私たちの「生」がある。
なんだかありがい気持ちになりました。