2008-12-25

遺伝子だけでは本質が見えにくい

先日、久々にTVを付けたら「長寿命遺伝子」なるものが紹介されてました。確かに寿命には、みんな関心あるのかもと考え、少し調べてみました。たまには、こんな記事も良いかな?
 
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■長寿命遺伝子「サーチュイン」抜粋
 
日経サイエンスから

寿命に影響を与える遺伝子は動物実験などから多数発見されている。その中で著者ら注目しているのは,サーチュインと呼ばれる遺伝子ファミリーだ。この遺伝子は食物不足など環境のストレス因子に応じて活性化され,細胞修復,エネルギー生産,アポトーシス(プログラム細胞死)などに影響を与える。サーチュインは生体機能の調節役として働いているのだろう。
 
寿命を延ばす効果が明らかな方法としては,カロリー制限が知られているが,サーチュイン遺伝子の働きは,カロリー制限が寿命を延ばすメカニズムと同様のものと考えられている。したがって,サーチュインの効果を生かした化合物が開発できれば,厳しい食事制限のかわりとなるカロリー制限模倣薬が誕生するかもしれない。
 
すでに酵母や線虫,ショウジョウバエでサーチュインによる長寿効果が確認され,現在マウスで実験が進められている。哺乳動物での効果が明らかになれば,抗老化薬への期待もますます高まるはずだ。

不老不死への科学から

様々な種類の生物において、摂取カロリーを制限しながら飼育すると寿命が延長し老化関連疾患の進行を遅らせることができる。
 
カロリー制限がどのような仕組みで老化を遅らせるのかを解明するための研究が行われた結果、サーチュイン(sirtuin)ファミリーというタンパク質が強く関連していることが分かった。そしてこのサーチュインを人工的に活性化することでカロリー制限を行うことなく、老化を抑制する効果を模倣することができるかもしれないのだ。
 
アメリカではこの原理を用いた老化抑制薬の開発も現に行われている。酸化防止薬と並び次世代の老化抑制薬として爆発的なヒットを飛ばすことが予想される!

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画像はコチラからお借りしました。
 
 
■感じた違和感
 
●遺伝子が全ての要因ではないのでは
番組の中で、低カロリー食事法を実践されている方として、聖路加国際病院の日野原名誉院長が紹介されていました。97歳になられた今も現役。先生は長寿というより、健康維持の医学的見地から、①低体温 ②低インシュリン ③高い抗加齢ホルモン値 を示されていました。それを実現する方法の一つとして、低カロリーを実践しているとのことです。番組では、低カロリーとサーチュイン活性をつなげたかったようですが、②は単純説明できたとしても、①③は説明が難しいと感じました。他にも要因があるのでは?と思えます。
 
●長寿命が、生きる目的ではない
また同じく番組の中で、サーチュイン活性による長寿命を目的とした、低カロリー食事法を実践されているアメリカ人が紹介されていまいした。しかし日野原先生とは対照的で、見るからに元気がなさそう。健康的な面持ちでしたが、残念ながら、彼らにはあまり活力が感じられませんでした。
 
●市場化だけを目指し進む研究
生命は、所々の機能が連携して、様々な調整機構の中で成り立っています。特に外圧に対して適応するよう進化してきたことは、このブログでも追及してきました。人工的な特定の遺伝子活性は、外圧とバランスせず、悪影響になる可能性があります。また事実追及の前に、市場化だけを押し進めようとする研究に違和感を感じました。
 
 
日野原先生の「真剣に仕事をしていれば腹は減らない。」との発信が印象的でした。(もちろん例えだと思いますが。)みんなの期待=外圧を受け、それに応えるように、活力をもって毎日を生きている(仕事してる)からこその、健康維持≒長寿と思えてなりません。

List    投稿者 tanizaki | 2008-12-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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