2008-08-14

生命の起源、先人たちの追求-1

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生命は、いつ、どこで、どのように生まれたのか。
人類は、この問いに対して数千年考え続け、まだ答えを出していません。
なんでや劇場の生物史シリーズでは、最後にその答え(仮説)が明らかにされる予定です。
その前に、先人たちの追求の過程を追ってみます。
内容は、丸善の「生命の起源」より柳川弘志「生命の起源研究の歴史」からの引用です。
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■第一段階 伝説、神話の時代

多くの神話は、宇宙創成のもとがあって、そこから人間の姿に似た神が誕生し、その神が万物を生み出したというものである。その認識には、世界各地の文明による違いがめられるが、一般には宇宙がまずでき、次に天と地、すなわち地球がつくられ、生命が誕生したと考えられていた。古代の人たちは生命が誕生するまでの細かいことを知る由もなかったが、生命は海のようなところで、ドロドロとした状態から熱の力により生まれたのではないだろうかと、何となく考えていた。

■第二段階 自然発生説
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アリストテレス

生物は親から生まれるほか、日常いたるところから自然発生しているという考えが古代の哲学者、アリストテレス(紀元前384~322年)によって提唱されてきた。アリストテレスによればダニ、ウジ、ホタル、ハチのような昆虫は、腐敗したごみや肉や泥の中や、汗や毛髪から生まれたというのである。彼はカエルやウナギやエビなどの動物もまた、腐敗した水底の泥から発生したと考えた。

いまでは考えられませんね。
しかし、自然発生説は17世紀のレディ、19世紀のパストゥールらの実験によってようやく否定されます。
■第三段階 化学進化仮説
1個の原始形態からはじまった(ダーウィン)
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ダーウィン

1859年、ダーウィン(1809~1882年)は大著『種の起源』の中で、生命のはじまりについて「すべての生物種には共通の祖先があり、その一番もとの始原生物は1個の原始形態から始まったのであろう」と簡単に述べている。

簡単な有機物質から複雑なものへ進化した(オパーリン)
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オパーリン

1924年、ソ連の生化学者オパーリン(1894~1980年)は小冊子『生命の起源』を出版した。その中で彼は「生命は原始的な簡単な有機物質からしだいに進化し、より複雑なものになり、その結果発生した」と述べている。
オパーリンの考えの新しさは、生命のはじまりの過程に対して簡単な物質から複雑な物質がしだいしだいに進化、発展するという、いわゆる化学進化の概念を取り入れた点にある。

原始のスープから誕生した(ホールデン)
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ホールデン

1928年、イギリスの生物学者ホールデン(1892~1964年)は論文を発表し、有機物の生成が始原的な生物の発生より前に起こったと考え、その有機物の生成過程を推論した。彼は、始原大気に太陽からの紫外線が当たり、アミノ酸や糖のような有機化合物が合成され、原始海洋に蓄積し、温かいスープを形成し、生命はそのスープから誕生したのであろうと考え、いわゆる「原始スープ」の概念を提唱した。

原始大気モデルに火花放電でアミノ酸が生成
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ミラー

1953年、当時シカゴ大学の大学院生であったミラー(1930年~)は、彼の師であるユーリー(1893~1981年)の想定した原始大気モデルであるメタン・アンモニア・水素・水の混合気体に火花放電を行ったところ、グリシンやアラニンをはじめ、7種類のアミノ酸が生成してくることを発見した。こうしてミラーの実験によってはじめて、原始大気のような簡単な物質にエネルギーさえ与えれば、アミノ酸のような生体物質が比較的簡単に合成できることが証明された。

つまり、原初の地球において、タンパク質は比較的容易に生成されていたということです。
では、原初の地球でRNAは生成され得たのか?
次回は、現在の状況とRNAの生成についてご紹介します。

List    投稿者 kumana | 2008-08-14 | Posted in 6)“祖先の物語”番外編No Comments » 

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