2008-05-01

4/29なんでや劇場レポート1

こんにちは~ 😀
4/29に行われた、なんでや劇場『生物史から学ぶ自然の摂理⑨ 免疫細胞の認識機能~知られざる膜タンパクの仕組み~』はとても気付きの多い劇場でした!
この気付きを皆さんに教えないのはもったいない!ということで、今日から数回かけてなんでや劇場レポートをお届けしたいと思います
その前に お願いします 😀
いつもありがとう
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最近では美容、健康ブームもあって、免疫の話題が目に付きますよね。その中でもマクロファージは原始的な免疫細胞として取り上げられることが多いです。
マクロファージは食機能をもった大きな動く細胞で、ばい菌や死んだ細胞などを貪食し消化してくれる細胞です。ただし、マクロファージは何でも食べている訳ではなくって、同類の正常細胞は食べないし、乳酸菌や大腸菌など食べない菌もあり、食べるものと食べないものをちゃんと識別しています。
 
 
ではマクロファージはどうやって食べるものと食べないものの識別をしているのでしょうか?
 
makuro.jpg
 
 
マクロファージがばい菌などの細胞を食べる様子を見てみると、まずマクロファージの細胞表面の受容体がばい菌と接着し、ばい菌の周囲を細胞膜で取り囲むようにして食胞を形成します。そして消化酵素を分泌し分解します。食べる前の段階には、まず相手の膜タンパク質の形を識別しくっつかないといけない段階があるのですね。その様子を図にするとこんな感じですね。(アメーバ状の形をしたのがマクロファージで、青色がばい菌。2本の赤色部分が膜タンパクで繋がっているところです。)
 
またこの図を見るとマクロファージがばい菌を食べるというように見えますが、ばい菌から見てもマクロファージを食べようとしている事を忘れてはいけません。生物の原点は食い合いであり、ばい菌も相手の膜タンパク質の形を識別してくっついるのです。
 
つまり“食べる”というと主体的にどちらかが食べようとしているように捉えがちですが、その本質はお互いにくっつく=接着することにあるのですね。
 
 
では、お互いにくっつくことが=食べるとするならば、何で自分の細胞は食べないのか?DNA構造が同じならば作られる膜タンパク質の構造も近いハズ。私達の体を構成している体細胞も細胞同士がくっついているのでは? 🙄 なんていう疑問もでてきます。
 
 
が、実は同類の細胞というのは同じ電位を持っていて反発もしているのです。結合様式には水素結合のように電位差を利用した結合様式がありますが、同類の細胞同士は電位が同じで、磁石の+と+が反発するのと同じように、同じ仲間ほど反発する性質も併せ持っているのではないかと。つまり同類の細胞はつかず離れず、接着と反発のバランスによって成立しているから、同じ細胞同士の共食いが起きない仕組みになっているのです
接着=食べる。反発=離れる。接着+反発=細胞郡が維持される。
この基本構造が大きな気付きポイントの一つでした!
 
 
このあたりの詳細な膜タンパク質の仕組みについては、次回のなんでや劇場のテーマとして扱われることが予告されています。次回もお楽しみに~ 😀

List    投稿者 nannoki | 2008-05-01 | Posted in ⑦なんでや劇場レポートNo Comments » 

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