2007-09-27

「病気にならない生き方」は「自然の摂理」か

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今日は最近るいネットでも取り上げられている新谷弘実さんの「病気にならない生き方」から紹介してみたいと思います。(2007年09月23日・田野さんの記事より)

新谷氏の本に関しては、牛乳の弊害を巡って論戦が続いたり、ミラクル・エンザイム説がトンデモ視されたりと、ネットでも話題は尽きません。
 
出版から二年以上経って、いまだに彼の本が話題になるのも、三十万以上の臨床例に接したという類い希な経験が彼の主張を裏打ちしているからに他なりません。
 
そして、彼の言う「命のシナリオに耳を傾ける」という言葉は、「自然の摂理=生命原理」を学んで、人類としての生き方を見つめ直そうとする当ブログの方向性とも合致していると思います。
 
しかし…

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その一方で、彼が推奨する「コーヒー浣腸」や「酵素サプリメント(彼のサイトから購入できます)」については、本当に「命のシナリオ」に沿ったものなのか、という素朴な疑問を抱かざるを得ません。
 
また、ミラクル・エンザイム説については、学術的根拠に乏しく、少なくとも現在の分子生化学とは相容れない部分が多そうです。
 
それでもなお新谷氏の本が売れ、酵素サプリメントが売れ続けるのは(コーヒー浣腸セットもネットで買えます)、「豊か」とされている現在の食生活に対して感じる根元的な疑念(「貧しさ」と言ってもいいかもしれない)に対して、他に答えを出せる人がいない、ということなのでしょう。
 
学問として探究しているはずの分子生化学者や他の医療従事者に、「食と健康」という誰もが関心のある問題の答え(新谷氏の仮説)を検証できる材料を提供しようという人が居ないのが不思議です。
 
と、今回はBiological Journalらしくないテーマになりました。
 
次回の記事では、酵素の基礎について簡単にまとめてみたいと思います。

List    投稿者 blogger0 | 2007-09-27 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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