2007-03-15

ミラーニューロンが共感回路か?

サルの脳には、他者の運動を理解するミラーニューロンという神経細胞がある。
この神経細胞は、共感をつかさどる神経細胞ではないかと言われている。
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サルの前頭葉にF5と呼ばれる領域があります。図1の領域です。腹側の運動前野の一部で、前の部分に当たります。
Rizzolatti-monkeyF5s.jpg
図1 サルのF5領域、運動前野(黄緑色の部分)の一部で腹側前方に位置する。

このニューロンは、サルが自分で運動するときに活動するだけでなく、サルがヒトが行う同じ運動を見ているときにも活動します。

図2はサルのニューロンの活動の実験例(イタリア、パルマ大学のリゾラッティら)です。図2の右側の絵は、ヒトがトレーを持って、サルの手がトレー中央にのびているところです。その下がそのときのニューロンの活動です。(自分が運動する時は、当然ニューロンは活動します。)
図2の左側の絵は、ヒトが左手でトレーを持ち、右手で餌を摘んでいるところです。その下がそのときのサルのニューロンの活動です。このニューロンはヒトが指で餌を摘むのを見るときにも活動しました。
彼らはこのような活動を示すニューロンにミラーニューロンという名前をつけました。
Rizzolatti_Fig1As.jpg
図2 F5から記録されたミラーニューロンの例。一番上はヒトとサルの手の動作の絵。ニューロン活動の図の上はニューロンの活動電位を点で表してあり、10回同じ動作を繰り返したときの活動である。下の図は10回繰り返したときの活動を加算平均したヒストグラム。
以上京大霊長類研究所のHP
2006.03.06 他者の運動を理解するミラー・ニューロン
より引用要約

>ミラーニューロンは、他人の動作を自分の頭の中に写し出す鏡のような反応を示すことから名付けられたものである。このミラーニューロンは、他のサルが餌を取る様子を見るだけでも同様に反応することが発見されている。
>国立身障者リハビリセンターの西谷信之感覚認知障害研究室長らは、人にもミラーニューロンのような部位があることを明らかにした。棒の先を自分でつまんだときと、他人がつまむのを見るだけのときの脳内の活動部位を調べた。いずれも言葉をしゃべるときに関係する前頭葉の運動性言語野(ブローカー野)の領域が反応した。解剖学的にサルのミラーニューロンがあった部位に近い。他人がつまむのを見てすぐに自分もつまんだときは、その反応が一層強くなっていた。
(02年10月23日の日経新聞「アタマを探る7」より引用)

これらの実験事実は、サル・人類の脳回路には、相手と自分を同一視する機能をつかさどる回路が存在するということを意味しているのではないだろうか。リゾラッティらの実験では、人が人の手の代わりにペンチで餌を摘んだときには、サルのミラーニューロンは反応していない。人の動作を見るだけで反応するということは、相手の動作を自分と重ね合わせて同一視しているものと解釈していいだろう。ペンチの動作は自分とは同一視できないので反応しないと考えれば辻褄が合う。
人間の場合は、サルの部位と近い、言語をつかさどるブローカー野の領域にミラーニューロンのような部位があるというのは、ミラーニューロンが共認機能と密接に関係していることを示唆している。ミラーニューロンが同一視⇒共感回路⇒共認機能⇒言語を生み出していった回路である可能性は高いのではないだろうか?

List    投稿者 fkmild | 2007-03-15 | Posted in ④脳と適応No Comments » 

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