2007-01-14

感情とホルモンについて

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サル関連の記事が続いていますが、少し現代的なテーマに引き付けたいと思います。
最近、突発的な感情や鬱が原因となる自殺が後を絶ちません。(年間3万件)
そこで今回は、人類が高度化させた適応上の機能『感情』について触れてみたいと思います。
まず、人類の意識は「幸福感」「喪失感」など、色々な感情が絡み合って構成されています。
それらの感情を産み出すのがホルモンで、以下の2つがその代表格です。
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セロトニン
・体温調節、血管や筋肉の調節、攻撃性の調節、運動、食欲、睡眠、不安などに関わっている。ノルアドレナリン(恐れ、驚き)に対しては制御する方向で働き、精神を安定させる作用がある。
ノルアドレナリン
・不安や恐怖を引き起こしたり、目覚め、集中力、記憶、積極性、痛みを感じなくするなどの働きがる。敵に出会った緊急反応の際に分泌され、神経を刺激し、血圧や心拍数を高める作用がある。
ストレスがかかると、生物は適応のために緊張状態(人間でいう身構える)になり、戦闘態勢になるための手段としてノルアドレナリンが分泌され、セロトニンの放出がストップします。
要するに、感情のブレーキを解除して、アクセルを吹かしている状態です
そのストレスに対して、実際に戦ったり、逃げたりして危機を脱することができれば、セロトニンが働き出し、脳も肉体も安定状態を取り戻せます
しかし、家庭内暴力やいじめなど、逃げようにも逃げられないようなのっぴきならない状況が続くと、全身が戦闘態勢モードのままで解けず、常に緊張した状態が続くことになります。
短期的な解消法として、脳はセロトニン量をなんとか増やそうとすることで対応するらしいのですが、セロトニンの生産スピードにも限界があり、脳内のセロトニン濃度は低くならざるを得ません。
こうして、アクセルとブレーキを踏み込んでいる状態が作り出され→精神破綻すると考えられてます 😥
心身の戦闘態勢を解くことができなくなると、恒常的に心拍数の増加、頭/胃痛、不眠症、血圧の上昇などの症状を引き起こし、ひどい場合には神経症へと発展するわけです
これに対して心身がとる最後の切り札が脳の活性を抑制することでノルアドレナリンの分泌も抑制してしまう(すなわち、危機逃避本能や、恐怖や緊張を起こさせなくする)ということなのではないでしょうか?
全てにおいて気力も活力も無く、ストレスにも反応しない、=「うつ状態」の出来上がりです
「病気なんだから薬を飲んでゆっくり休みなさい。」と周りも言ってしまいがちですが、実際にはそのことで現実からの逃避先を作って、いよいよ本人の行き場を奪っているケースも多いでしょう。
日本が今後、自ら命を絶つ人を減らす為には、鬱が再生産され続けている企業/家庭/学校などの既存の場の病巣に踏み込んでいかざる得ないのは明らかでしょう。
参考:るいネット「うつ病のメカニズム」
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=93827

List    投稿者 drumsqo | 2007-01-14 | Posted in ④脳と適応1 Comment » 

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コメント1件

 tennsi21 | 2007.02.21 20:50

たしかにそうですね.
脳の容量だけ見ると現代人よりネアンデルタール人の方が大きいそうです.
また現代でも水頭症という先天的疾患がありますが,常人の10分の一の脳でも知能指数が126もあり人もいます.この病気の半数は知能指数が100以上有り日常生活に支障のない人がいるそうです.またいるかの脳は人類より大きい.
何を言いたいかというと脳そのものより入れ物としての脳が乗る身体の構造条件が、重要ということです.
さらにいうとその周囲の環境条件がもっと重要.
簡単に言うと脳の構造は脳が決めているのではなく、器である身体とその環境が決めているといえると思います。
やっさんの言うように人類は外圧に適応してきた(=外圧適応態)ことに生きてきた意味があるし、これから生きていく意味もそこにあると思います。

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