2007-01-09

「性的存在」へと肉体改造を果たした、真猿のオンナ

まず、下の2頭のチンパンジーのポートレートを見て欲しい。片方がオスで片方がメスなのだが、どちらがどちらか分かるだろうか?
chimp-male.jpgchimp-female.jpg

正解は・・・・・・・
答えは クリック の後で
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正解は、左=オス 右=メス
ほぼ100%の人が分かったのではないだろうか。オスに比べメスは明らかに体格、顔つき、表情が柔らかく、右の彼女にはそこはかとない色気すら漂っているようだ。
顔形だけではない。真猿時代、メスは大掛かりな「肉体改造」を果たしている。
良く知られているものの一つは、発情期の性器の肥大(性皮腫脹)による挑発機能だ。発情期のメスチンパンジーでは、性器がこんなに大きく肥大化して、オスチンパンジーを誘惑する。
chimp-female2.jpg

異性の体に見られる身体的特徴に発情するのは、特に霊長類に強く見られる傾向である。この視覚的刺激には、発情中の異性の生殖器周辺の充血や特徴的な膨らみ等であるが、チンパンジーにおいては発情中の雌個体は生殖器周辺部が瘤のように腫れあがり、これを見た雄の個体は性的興奮を覚えるし、ニホンザルの場合は尻の充血・発色具合を見て興奮する。これは録画ビデオによっても性的興奮が起こる事が確認されており、純粋に視覚的刺激によって性的興奮が起こっているとされる。
(ウィキペディアより)

さらに、乳房の発達。子育てをする母チンプの胸や表情は、もうヒトとさして変わらない。ヒトの乳房も内容物は大半が皮下脂肪で、視覚的挑発以外その大きさに機能的な意味は無い。
chimpfe-female3.jpg

真猿のメスは、これらの視覚的な挑発を含め、「性」の機能をとことん強化する方向で、肉体改造を果たしたのだ(無論この機能は、その姿を見たオスの興奮スイッチとセットで進化している)。一般の生物ではメスはむしろ地味な姿で、発情期の視覚的アピールを性闘争の手段としているオスの方がずっと派手だ。このことからも、真猿そして人類のメスの特殊性が分かる。
これは、熾烈な同類闘争を集団で闘うという、生物史上、真猿が初めて直面した劇的な生存環境の変化から来ている。

真猿以降、メスに決定的な変化が生じる。真猿集団は、同類闘争(縄張り闘争)を第一義課題として共認している。ところが、本能に基づく外敵闘争ではなく闘争共認に基づく同類闘争になると、体格が劣るメスは全く戦力にならない存在となり、存在理由を失って終う。その結果、メスは極度に依存性を強め、首雄に強く依存収束する(強固な依存収束回路を形成する)と共に、首雄の性的期待に応望すべく、自らの全存在理由をかけて性機能(挑発機能や発情機能)を発達させてゆく。
(るいネット『実現論』より)

また、人間では、女性の皮膚の快感神経が男性よりずっと発達しているという。これも、セックスや子育てに伴うスキンシップに女自身が快感と充足を強く感じることで、より性的に役割収束していくための肉体改造の一つと言える。最近の実験(人間)では、好意を持つ男性と手を繋ぐだけで女性のストレスが急激に解消する、という報告もある。
人間の女性が一生懸命オシャレをするのも、スタイルを気にするのも(最近の過剰なダイエット志向はあまりいただけないが)、綺麗で滑らかな肌を保とうとするのも、スキンシップが好きなのも、全てはこの真猿時代の性的役割への収束⇒性機能収束が原点にある。
真猿の登場以来3000万年、女は徹頭徹尾、性的存在として進化してきたのだ。
(S.Tanaka)

List    投稿者 s.tanaka | 2007-01-09 | Posted in 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ)No Comments » 

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