「性的存在」へと肉体改造を果たした、真猿のオンナ
まず、下の2頭のチンパンジーのポートレートを見て欲しい。片方がオスで片方がメスなのだが、どちらがどちらか分かるだろうか?
正解は・・・・・・・
答えは クリック
の後で
正解は、左=オス 右=メス。
ほぼ100%の人が分かったのではないだろうか。オスに比べメスは明らかに体格、顔つき、表情が柔らかく、右の彼女にはそこはかとない色気すら漂っているようだ。
顔形だけではない。真猿時代、メスは大掛かりな「肉体改造」を果たしている。
良く知られているものの一つは、発情期の性器の肥大(性皮腫脹)による挑発機能だ。発情期のメスチンパンジーでは、性器がこんなに大きく肥大化して、オスチンパンジーを誘惑する。
さらに、乳房の発達。子育てをする母チンプの胸や表情は、もうヒトとさして変わらない。ヒトの乳房も内容物は大半が皮下脂肪で、視覚的挑発以外その大きさに機能的な意味は無い。
真猿のメスは、これらの視覚的な挑発を含め、「性」の機能をとことん強化する方向で、肉体改造を果たしたのだ(無論この機能は、その姿を見たオスの興奮スイッチとセットで進化している)。一般の生物ではメスはむしろ地味な姿で、発情期の視覚的アピールを性闘争の手段としているオスの方がずっと派手だ。このことからも、真猿そして人類のメスの特殊性が分かる。
これは、熾烈な同類闘争を集団で闘うという、生物史上、真猿が初めて直面した劇的な生存環境の変化から来ている。
また、人間では、女性の皮膚の快感神経が男性よりずっと発達しているという。これも、セックスや子育てに伴うスキンシップに女自身が快感と充足を強く感じることで、より性的に役割収束していくための肉体改造の一つと言える。最近の実験(人間)では、好意を持つ男性と手を繋ぐだけで女性のストレスが急激に解消する、という報告もある。
人間の女性が一生懸命オシャレをするのも、スタイルを気にするのも(最近の過剰なダイエット志向はあまりいただけないが)、綺麗で滑らかな肌を保とうとするのも、スキンシップが好きなのも、全てはこの真猿時代の性的役割への収束⇒性機能収束が原点にある。
真猿の登場以来3000万年、女は徹頭徹尾、性的存在として進化してきたのだ。
(S.Tanaka)
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