2007-01-03

聴覚は同類を対象に進化した

共感機能を獲得した真猿においては、同類圧力を「どうする?」から、「共感機能をより強固に作動させる」=「同類(仲間)の表情を読みとる」ために色覚を進化させたように思います

 進化に方向性は無い、という認識が進化学では主流のようです。しかし、視覚機能は外圧に適応するため共感機能(共認機能)という最先端機能に収束統合(進化)した、と考えることができ、そこからさらに「生物は外圧適応態である」という極めてシンプル、かつ潜在思念にも符合する構造認識を導き出すことができます。
では、昨日の視覚機能の進化に続いて、聴覚機能の進化に関する仮説を紹介します。

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原猿→真猿→人類の聴覚を比較すると、下記のような特徴があります。
・原猿
         低音から高音(16kHz辺り)に向かって一定の感度上昇を示す。
         また、32kHz程度の高周波にも高い感度を持っている。
・真猿
         中低音(1kHz辺り)にピークを示し、中高音(4kHz辺り)では逆に
         感度が低下する。また、32kHz程度の高周波の感度が下がり、
         チンパンジーなどは上限が20kHz程度、つまりヒトと同程度とな
         る。
・人類
         500Hzから4kHzまでは他の真猿と比べるとフラットな特性を持って
         いる。
 自然界のあらゆる音を対象とするなら、原猿の聴覚が最も癖がありません。測定器のような特性を持ってます。ところが、真猿→人類へ進化するにつれ、一環して癖が強まり、とりわけ同類他者の声に対して感度を上げていく方向を示します。
原猿から人類への進化過程では、自然界のあらゆる音を捉えるよりも同類他者の発する音声を捉えることが重要であった、すなわち、本能を超えた最先端機能である共感機能(共認機能)に収束することが外圧に適応した姿であり進化であった、と考えられます。
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List    投稿者 blogger0 | 2007-01-03 | Posted in ①進化・適応の原理2 Comments » 

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コメント2件

 nemo | 2007.01.29 20:53

いつも興味深く読ませていただいております。
直立歩行、謎ですよね。渚原人とか際物学説もありますが。
突然変異ありきで、確かに、おもしろい学説です。しかし、少数の突然変異の個体が生まれた場合、生存の危機になるような形質が受け継がれるような集団が形成可能でしょうか?弱者こそ生き残るという話もありますが。ご教示ください。

 さんぽ☆ | 2007.02.01 8:21

いつも読んで頂き、ありがとうございます!
私も同じような疑問を持ったことがあります。
こういうこと様ですよ↓↓。
>この肢の指の変化は突然変異と言っても、新しい機能が生まれたわけではありません。肢の指が木の枝を掴めなくなる=指が対角線上に曲がらなくなる、という否定形の変化です。
つまりある遺伝情報が発現しなくなる、というだけの変化です。
ウィルスであれ、ホルモン物質→内分泌の変化であれ、遺伝情報を撹乱・破壊する環境要因の変化があれば、一定の確率で、ある地域の集団内の複数の個体に充分起こり得るものです。
詳しくは⇒http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=51373

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