2006-10-30

哺乳類の性闘争本能の強化と内雌外雄1

性闘争本能の強化を考える上で、まずは進化過程(適応過程)と同時にみる必要があります。
るいネットの投稿『哺乳類の性闘争本能』が参考になると思われますので、編集、抜粋しながら見ていきます

卵産動物が一般に大量の卵を産み、その大部分が成体になるまでに外敵に喰われることによって淘汰適応を実現している。

卵生動物の場合には外敵闘争(種間闘争)などの自然淘汰を生き延びたものが適者という事になるます。
つまり、卵生動物はこのような淘汰適応を受けて、次世代を担える=子孫を残せる適者(=強者)を選別しているのです。
では、胎生である哺乳類はどのように適応してるのでしょうか
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胎内保育と産後保育の哺乳類には、卵生動物の適者だけ生き残ることによって種としてより秀れた適応を実現してゆく淘汰適応の原理が働き難くなります。

鮭の産卵の映像、雄同士が雌と産卵地点の権利を争っているのをどこかで見た方もいると思われますが、これも性闘争=縄張り闘争を行っている姿です。そして、その争いの勝者(強者)が子孫を残せます。
子孫を残す=「種の保存」とは、より外圧に適した強者を選ぶことです。
そして、これを強者選択本能と言います。
鮭はあまり良い例ではないのですが
多くの卵生動物の場合には、この強者選択本能の大半、成体になるまでを自然淘汰に依っていると言えます。
では、哺乳類の場合は

淘汰適応が成体後に引き延ばされ、成体の淘汰を激化する必要から、哺乳類は性闘争=縄張り闘争の本能を著しく強化してゆきました。実際、性闘争を強化した種の方が適応力が高くなるので、性闘争の弱い種は次第に駆逐されてゆきます。
かくして哺乳類は、性闘争を極端に激化させた動物となっていきました。現哺乳類の祖先と考えられているモグラの場合、性闘争に敗け縄張りを確保できなかった個体(=大半の個体)は、エサを確保できずに死んでゆきます。

まず、性闘争とは

メスの獲得を巡るオス同士の闘いであり、オスはメスを手に入れる為には、メスが安全に出産・子育てする為の縄張りを確保しなければならず、従って縄張り闘争も闘わなければならない。

ということです。
つまり、哺乳類の場合は淘汰適応が成体後に引き延ばされ、自然淘汰だけでは適者=強者を決定するには不十分となります。
従って、性闘争(=縄張り闘争)を強化し「種の保存」=淘汰適応を図ろうとしたのです。
哺乳類は絶えず性闘争(=縄張り闘争)の圧力に晒されているのです。
(鮭のように生殖時だけ、あるいは生殖したら終わりという訳ではないのです。)
哺乳類って大変

性闘争=縄張り闘争の本能は、脊椎動物の前から殆どの動物に存在していますが、哺乳類は、この性闘争(=縄張り闘争)本能を淘汰適応の必要から極端に強化した動物だと云えます。

哺乳類の特徴である胎内保育と産後保育は、闘争存在であるオスの闘争性の強化と同時に、メスの生殖負担の増大をもたらすことになります。
これは、胎内保育及び保育期間中に外敵に襲われる可能性が増大することを示しています。
・・・これは危険だ
危険だからこそ、

基本的に、哺乳類は外敵闘争の必然から性闘争(=縄張り本能)を激化させたと云えますが、メスはそれに同時に「安全な出産・育児と十分な食料確保」という期待 強者選択本能を強化していき、更に、オスの成体後の性闘争=縄張り闘争の本能を強化していったのです。

どれほど性闘争を激化させたのかは『シリーズ9原始哺乳類 あまり知られていない性闘争本能の重要性』を参照してください。
但し、注意してほしいのは、性闘争を行い相手を殺してしまえば種が絶滅の危機に瀕するため、性闘争本能には勝者に従う敗従本能が同時にセットされていると云うことです。

by 村田頼哉

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