海水魚から淡水魚へ
今後、Biological Journal では会員同士のリレー形式にて、魚類から人類に至るまでの逆境の歴史を紐解いて行きたいと思います。
シリーズ1:海水魚から淡水魚へ
地球上での魚類の誕生は今から5億年ほど前。
当時の地球上では、まだ陸上に進出した生物はおらず、海中では様々な生物が進化をしました。
魚類の祖先アランダスピス
胸ビレ等がないので、自由に泳げない。海底のドロの中の微生物を口ですくって食べていた。(アゴがない)
しかし、当時の海の覇者は、体長5mにも及ぶ大型の頭足類、エンドセラスなど頭足類(オウムガイの仲間)で、当時まだヒレも発達せず泳ぎの下手な初期の魚類(アランダスピス)にとって、オウムガイの存在はまさに逆境であったと言えます。
オウムガイに追われた魚類は、ここで淡水域への決死航を試みたのです。
塩分濃度の違いは、浸透圧の差となって細胞を簡単に破壊してしまいます。その浸透圧を克服する為に、体の表面を硬い鱗で覆い、体中に入り込んでくる水を排水する為に、(血液中の余分な水分を濾過する)ポンプの役割を果たす腎臓を獲得しました。さらに、海中に比べて酸素濃度が低く、ミネラルも1/10~1/100しか含まれて居ない淡水において生命活動を維持する為に、酸素を食べる仕組みとして食道の一部を肺に作り変え、ミネラルの貯蔵庫となる硬い背骨を獲得しました。
ここで、子供達が学習の成果を発表してくれている興味深い投稿があるので、引用させて頂きます。
かくして魚は両生類になった②
図(オウムガイから川に逃げてから)
肉食の淡水魚が登場し、そうでない淡水魚は
↓ ↓
海に逃げる 川の上流に逃げる
↓ ↓
まだオウムガイはいる 肉食魚が追ってくる
↓ ↓
オウムガイから逃げるために 巨大な肉食魚が入ってこれない
今の魚に近いものに進化した 浅瀬の泥の中に潜った
(このとき手足の原型ができる)
~引用終わり
常に逆境に追われ続けていた魚類は、後の生物進化史上において重要な機能を果たすことになる呼吸機能(肺)やポンプ機能(腎臓)、そしてミネラル貯蔵庫(背骨)を元に、身体形成の基礎となる要素を築いてくれたのです。
さて、次回は淡水魚のその後へバトンタッチ!(member:かわい)
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