2009-01-01

迎春2009 新パラダイムの予感

新年明けましておめでとうございます
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昨年は、生命起源の解明に向けて分子生物学的なアプローチが印象に残る1年でした。
検索エンジンなどでは最先端の生命科学分野の論文等に肩を並べて、当ブログがヒットする機会が非常に増えたとの報告もいただいております 😀
一方で、もっと気軽に書き込めるような空気が少し足りなかったかななどと反省したりもしています
いつも応援ありがとうございます 😀
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ところで、社会情勢の方に目を向けると、昨年の後半は に端を発する国際情勢の異変には驚かされました。
「市場社会の優等生」と言われ、貿易立国によって世界最大の債権国となったある日本でさえ、貿易赤字国に転落するかも知れません
アメリカを中心した市場社会が大きな転換点に差しかかっているのは事実です。
今年は未曾有の激震が日本をはじめ先進各国を襲ってくるのは確実です。
人類社会全体が近代的パラダイムを越え出ていくために不可避の新認識や新思想が生まれるとしたら、あるいは混迷から転換が余儀なくされるこんな時代なのかなと思ったりもします。
そんな中で、生物史を紐解き自然の摂理を解明しようという当ブログは、
市場社会が自然の摂理から逸脱した誤りを鮮明にし、次世代のパラダイムに向けた道しるべらしきものを発見できる可能性があります。
生命の起源の探索のような原理論はもちろん、脳神経回路の成り立ちから人間の認識機能を明らかにする方向、健康や免疫や自然治癒力のしくみの調査、持続可能な社会を可能にするソフト・ハード両面からのアプローチ、さらには、自然との一体感を決して失わなかった縄文人の生い立ち、もっと拡げれば思想史や文化人類史そのものを扱っていくなど、今年はあまり領域にこだわらずに、自然界・人間界を幅広く追究していくことになるかもしれないという予感もします
そんな訳で、会員の皆様からのも自由奔放な追究テーマの提案を期待して、2009年年初の‘書初め’とさせていただきます。
                                                   by管理人

List    投稿者 staff | 2009-01-01 | Posted in 未分類 | 6 Comments » 

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コメント6件

 KAM | 2009.02.12 21:43

chai-nomさん、こんにちは。
先日、新聞記事でこのことを知り、僕も興味を持って、ネットでいろいろと調べました。
幼虫の後ろ足の「太もも?」の部分を2時間刺激し続けると、群生相へ転換するそうです。
ぜひ、今年、試してみたいです。
chai-nomさんの記事にあった「相変異=突然変異」というところが、少し気になりました。
僕は、群生相は、再び、孤立相に戻ることができ、主として野形質が変化するわけではないので、相変異と突然変異は異なるものだと理解していました。
(僕の間違いなら、すみません)
孤独相から群生相への転換は、数世代をかけて進むそうです。
ということは、「スイッチが入った」という情報が遺伝するのだと思います。
塩基配列が変化しないとすると、メチル化などのエピジェネティックな情報が変化し、その結果として、遺伝子の発現パターンが変化するのではないかと予想しているのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
次世代に伝わる仕組みについては、調べても、よく分かりませんでした。
ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください。
相変異は、環境応答によって形質が劇的に変わる現象ですので、何か面白いものが潜んでいる気がします。

 chai-nom | 2009.02.14 22:04

KAMさんはじめまして。コメントいただきありがとうございます。
>ぜひ、今年、試してみたいです。
それは楽しみです。ぜひ結果を紹介いただければと思います。
>相変異と突然変異は異なるものだと理解していました。
ご指摘ありがとうございます。変異については、環境変異(environmental variation)や突然変異(mutation)や相変異(phase variation)などの大きく分類されるようですね。http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa2643165.html
今回のケースは1世代で変化をもたらしているという報告ですので、相変異(phase variation)が正しい定義だと思います。
いずれにしてもこのような大きな肉体変化が生まれることは興味深いですね。
そして今回の研究ではそのきっかけがセロトニンにあると発表されています。
ここからは少し私見ですが、孤独相の状態こそある本能が抑制されているのかな?と思いました。
というのも以前「原始生命と群れ【仮説】」http://www.biological-j.net/blog/2008/07/000519.htmlという記事が投稿されており、不完全な状態⇒群れるというのは生物の最も根源的な機能としてDNAに刻印されていると思います。実際人類の祖先であるサルが群れを作り出すようになったのも、大きな環境変化により、オキシトシンというセロトニンと同じような物質を大量に分泌することで群れを作ることを可能にしたといわれています。
>相変異は、環境応答によって形質が劇的に変わる現象ですので、何か面白いものが潜んでいる気がします。
生物は常に「安定と変異」の2つの異なったベクトルを内在しているのが面白いところで、安定だけに拘りすぎると硬直になってしまい適応できません。
そういう意味でも、phase variation/environmental variationを作り出していくことが生物の適応度を図る指針になるようにも思いました。

 KAM | 2009.02.15 0:42

chai-nomさんへ
「原始生命と群れ【仮説】」を拝見しました。
生物個体を独立したものとして捉えるのではなく、
不完全なもの=外部に開かれているものとして捉えていて、それを群れることの原因としている見方が面白かったです。
>生物は常に「安定と変異」の2つの異なったベクトルを内在しているのが面白いところで、安定だけに拘りすぎると硬直になってしまい適応できません
同感です。この相矛盾する2つを抱えている点にこそ、生きている状態の本質があるように思います。
僕は、生物が「ある行動パターン」にしたがいつつ、その行動パターンが袋小路に入ると、その行動パターンから抜け出し、別の行動パターンに移ることができる仕組みにとても興味があります。
これは、遺伝子レベルの話だけでなく、コメツキムシが足をじたばたする行動パターンから、あるところで抜け出して、パチンとはねるといったことも、同様の現象だと捉えています。
多くの場合、飢餓などの生存にかかわるストレスが閾値を超えると、いままでのやり方をあきらめて、新たな可能性を探るように見えます。
トランスポゾンによる突然変異は「一か八か」というように見えますし、相変異はプログラムとして折込済みであるように見えます。
ここから先は仮説です。
この2つが元をたどれば同じものだとします。
相変異の場合
①環境への応答として、メチル化がはずれるなど、エピジェネティックな変化が起こる。
②遺伝子の転写パターンが変化し、形質が変化する。
③環境が変化し、それに応答し、エピジェネティックな変化が元に戻る。
④形質が元に戻る。
環境変異の場合
①②は共通
③メチル化がはずれていることによってトランスポゾンが動き、DNAが変化する。
④元に戻らなくなる。
—-仮説ここまで—-
相変異が、DNAの変化なのか、エピジェネティックな変化による転写パターンの変化なのかが知りたいです。
もし、エピジェネティックな変化だとすると、DNAの変化がなくても、形質を大きく変化させることが可能だということになりますので、DNAの変化は、その変化を不可逆にする役割を果たしているだけという場合もあるかもしれないと思っています。
相変異のメカニズム(セロトニン濃度が上昇した後、どのように形質変化につながるか)の解明が、進化のメカニズムの解明に役立つかもしれないと思い、今後の解明に期待しています。

 アヨアン・イゴカー | 2009.02.19 23:25

『飛蝗』と呼ばれる蝗ですが、セロトニンが原因だったのですね。これは素晴らしい発見です。ジキルとハイドのように、同じバッタが、突然筋肉増強剤を打たれたかのように変化し、色まで変わり、草と言う草を食べつくして、人間の脅威となってきたのでしたが、その原因が一部ではありますが、解明された訳ですね。
>多くの場合、飢餓などの生存にかかわるストレスが閾値を超えると、いままでのやり方をあきらめて、新たな可能性を探るように見えます。(KAMさん)
この考察も説得力があります。
門外漢、大いに興味を持ちました。

 chai-nom | 2009.02.21 23:46

KAMさん、コメントありがとうございます。
>もし、エピジェネティックな変化だとすると、DNAの変化がなくても、形質を大きく変化させることが可能だということになりますので、DNAの変化は、その変化を不可逆にする役割を果たしているだけという場合もあるかもしれないと思っています。
最近の投稿でも、「DNA情報の発現制御システムは、置かれた外圧状況によって違ったタンパク質をつくることができる仕組みになっているのだと考えられる。」 http://www.biological-j.net/blog/2009/02/000675.html
というように、DNA→mRNA→タンパク質の形成プロセスでは、一つの遺伝子から一つのタンパク質がつくられると思われがちだが、実は違っていて、一つの遺伝子から多様なタンパク質がつくられることが発見されています。
おそらく、タンパク質の多様さは、ノンコーディング領域におけるDNA情報の発現制御システムの高度さに拠っている、という考察も注目されます。
DNAの変化がなくても、形質を大きく変化させることが可能であるとおもいます。
>DNAの変化は、その変化を不可逆にする役割を果たしているだけ
という意見は大変興味深いです。生物進化は常に「塗り重ね」です。40億の生命史が現代の私たちにも受け継がれていると考えると感慨深いものがあります。不可逆にすること=一発逆転で過去をリセットして進化が始まることはありえないということを示していると思います。

 chai-nom | 2009.02.21 23:47

アヨアン・イゴカーさん はじめまして。コメントありがとうございます。
芸術の森のHP拝見させていただきました。
音楽などの芸術に関する記事が豊富にありますね。わたしもごくたまにバッハを聞きます。
音楽の捧げもの、シャコンヌなどを聞いていると落ち着きます。
ところで生物と音楽の接点として、「サイエンスオペラ」という記事が生命誌研究館http://www.brh.co.jp/seimeishi/is/no08.htmlというHPに掲載されていました。
興味深いですね。
>この考察も説得力があります。門外漢、大いに興味を持ちました。
わたしも同感です。KAMさんのこのコメント、現代社会にも通じるものだと思います。

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