2021-09-09

哺乳類の誕生 その時の環境って!?

哺乳類の追求に入るにあたって、まずは哺乳類が誕生した背景について抑えていきたいと思います。
今回は原モグラより前の哺乳類。第一次哺乳類と呼ばれる哺乳類について紹介します。
その当時、おかれていた環境とは?

以下るいネット(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=126777)より引用です。

1.氷河によって水辺を追われ、寒冷化に適応して生き延びた
3億5000万年前に地球は氷河期に突入し、約1億年間それが続いた。
その中で2億9000万年前爬虫類が出現、そしてさほど間をおかずして単弓類(哺乳類の前身)が出現する。単弓類とは、頭骨の左右に1つずつ、単弓型側頭窓という穴を持つ四肢動物。

単弓類Edaphosaurus_BW

Wikipediaより引用
これは恐らく、氷河拡大期中、多くの地域で池や川が氷結し、その結果、水中に棲めなくなり(or卵が水中で孵らなくなり)止む無く水辺を離れざるを得なかったからで、その為肺呼吸や心臓の機能を(心肺機能)を高める方向で進化を遂げた種たちが辛うじて生き残ったということではないかと思われる。
この単弓類の特徴は、摂取した食物を熱エネルギーに変え、かつ熱を汗腺によって発散する機能がある。つまりある程度の恒温性を獲得しているこれは基本的に寒冷下で生き延びられるように適応した結果であろう。
そして恒温性を獲得した結果、卵胎生=卵を体内で孵して生む種も登場している。そのようにして寒冷化に適応した単弓類は、変温動物であった爬虫類(従って赤道近辺にしか棲息でき無かっただろう)に対してより広域の生息域を一旦は確保する。

注)一般には哺乳類は爬虫類から進化したと考えられている。しかし恒温性の獲得や汗腺の存在。更には単弓類の後期には汗腺を発達させ栄養分を分泌する乳腺の原型が登場していることから見て、私は彼らを先哺乳類と呼んでも差し支えないと思う。そして、この単弓類=哺乳類の祖先の登場時期が、爬虫類の登場とさほど時間的に差が無いことから、両生類から爬虫類の系統とは別に直接枝分かれした可能性が高いと思う。
更に(初期単弓類が卵生と卵胎生どちらであったかははっきりしないが、)もし卵胎生の単弓類が主流(もしくは先行している)であれば、両性類が水中で孵していた卵を、母体の羊水の中で孵すように進化したと考えられる事から、(爬虫類は硬い卵の殻を作っている)両生類から直接進化した可能性がますます高まる。

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2.低酸素化の難
2.5億年前地球は火山活動活発化の結果酸素不足に陥る。その際恒温性である単弓類は極めて生存上困難な事態に陥る事になる。
つまり体温維持のため常に高エネルギーを消費するためすばやい動きが出来なくなるのだ。彼らも低酸素状態に対しては、横隔膜を作る等ある程度適応を遂げているが、それでも対応できなかったのであろう。最盛期には3m以上あった大型の単弓類はほぼ絶滅し、辛うじて小型化したのものだけが生き残る。その後原哺乳類にいたるまで、基本的に小型化戦略をとらざるを得なくなり、爬虫類に主役を譲ることとなる。

3.寒冷期に於ける原哺乳類の登場と恐竜の制圧下での進化
2億2千万年前ごろより地球は一時的に寒冷期に突入する。その際に一段と高い恒温性を獲得したものが原哺乳類である。しかし彼らは10cmしか体長が無い(アデロバシレウス等、参考:http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=126245)。
その後温暖化に向かうにつれて大型爬虫類が繁栄していく。かかる中において弱者である哺乳類は恒温性を武器に夜行密猟動物として辛うじて生き延びていく。(変温性の爬虫類は太陽の当たらない夜は極めて動きが鈍くなる)。夜行の密猟捕食の動物となることで(食料は小型の虫)、聴覚を発達させ、その結果脳を発達(大脳新皮質の獲得)させた。しかし恒温かつ大量のエネルギーを消費する脳によって、生き残った哺乳類はほぼ一貫して体長は小さいままであり、かつ寿命は2年間と極めて短命である。
(恐らくこの初期哺乳類の段階で既に胎生に転換している。但し胎盤は無く子宮のみ)そして胎児の安全を確保する=多産と引き換えに、生体後の淘汰を強めることでより適応的な遺伝子を残すために性闘争本能をより強化したのもこの時期であろう。
更にその後1億2000万年前位から、高緯度の土地から順に寒冷化が進んでいく、哺乳類はこの寒冷化への対応のひとつとして胎児の出生確率をより高める胎盤(胎児への栄養補給)を獲得し、現在生存する哺乳類の基礎的機能をほぼ整えることになる。

 

List    投稿者 takayama | 2021-09-09 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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