2020-12-03

数百年続く日本企業は「共同体の和と自然との和≒生物原理」を持っています

生物史から観て「持続可能な開発目標 (SDGs)社会」は正しいか?(リスト)の続きです

現在、世界共通目標になろうとしている認識

自然との循環共生社会

持続可能な開発目標 (SDGs)社会

が有りますが、SDGsの中の「持続可能な開発の三側面、経済・社会・環境を調和させる。:古来、日本においては老舗企業(数百年に及び長寿企業)は「三方よし」を経営哲学としている」

最先端を行っている日本企業にスポットを当てた投稿が有りましたので転載します

国際派日本人養成講座「和」のパワーでグローバルに活躍する日本企業

> 三方よしとは、結局、従業員、顧客、社会への貢献を目的として、和を以て働く事ですが、その和には二種類あります。共同体の和と自然との和です

★千年以上の老舗企業が今も発展している

★企業間の和の力を発揮している「自動車産業」

★自然との和を生かす「電子部品産業」、「日本料理」

 

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“和”のパワーを原動力にした日本企業が世界で活躍している。

■1.千年以上の老舗企業が今も発展している

ヨーロッパには創業200年以上の長寿企業を会員とするエノキアン協会がありますが、欧州企業の最古参は1502年創業のドイツの”The Coating Company”です。近年は日本企業も入会を始め、現在のトップは石川県の温泉旅館「法師」です。717年創業ですから、欧州最古参よりもさらに800年も古いのです。 しかし、日本では「法師」よりもさらに古い企業がいくつもあります。578年創業の金剛組(大阪、社寺建設)、587年池坊華道会(京都、華道茶道教授)を筆頭に千年以上の会社が10社ほどもあるのです。

■2.三方よし経営が長寿企業を生んだ なぜ、これほど我が国には長寿企業が多いのでしょうか?

「三方よし」がその秘密だと考えます。何百年という間には、従業員、顧客、世間のニーズは不断に変化していきますが、売り手よし、買い手よし、世間よしを心がけていれば、変化を機敏に把握して、現時点で何をすることが、売り手・買い手・世間のためになるかをよく考え、時代と共に変化していくことができます。

たとえば、羊羹(ようかん)などで有名な虎屋は室町時代後期の創業との由で、500年ほどの長寿企業ですが、求められる甘さも時代によって変わっていくといいます。同じ甘味でも、戦争直後、甘いものが不足している時代に感じる甘さと、現代のように和洋菓子が豊富にある中での甘さは感じ方が違うそうです。したがって、甘みも時代によって変えていかなければなりません。 虎屋17代当主・黒川光博氏は「伝統は革新を連続させることにある」と言われています。何百年もの間の絶え間ない革新の連続が積み重なって、長寿企業の伝統が形成されていくのです。そういう革新を続けていく原動力が、三方よしの精神なのです。

(中略)

■5.和の力を発揮している自動車産業

三方よしとは、結局、従業員、顧客、社会への貢献を目的として、和を以て働く事ですが、その和には二種類あります。共同体の和と自然との和です。 自動車分野は日本企業がまだまだ強く、2019年の販売台数ランキングで見ると、1位はフォルクスワーゲンの1097万台ですが、2位はわずか23万台差でトヨタ自動車、3位はルノー・日産・三菱自動車連合で、日系メーカーとは言いがたいですが、旧日系企業分が過半を占めています。7位にはホンダが入っています。 スマホやパソコンでは日系企業の影が薄くなってしまいましたが、なぜ自動車では日系企業がこれほど頑張っているのでしょうか?

この点は東京大学ものづくり経営研究センターの藤本隆宏教授が主張されている「擦り合わせ」という言葉で説明できます。 車のボンネットを開けてみれば、多くの部品がぎっしりと詰め込まれています。それらは自動車メーカーを中心に多くの部品メーカーが、互いの機能の連携や空間の取り合いに関して「擦り合わせ」をしながら、車全体の信頼性や性能、コストを追求しているのです。「擦り合わせ」ができるのは、企業間に「和」があるからです。 これに比べると、スマホやパソコンは標準部品を市場から購入して、組み立てることで製品ができます。個別製品のために開発しなければならない部品はそうありません。ほとんど組立メーカーの単独の力だけで、製品を作れるのです。 自動車産業ではまさしく、日本の人々の「和」の力を原動力として、日系企業が世界市場で活躍しているのです。

■6.自然との和を生かす電子部品産業

スマホやパソコンでは日系企業の影が薄くなりましたが、実はそれらの中には、日系企業が作っている電子部品がたくさん使われています。アップルのiPhoneや、中国のファーウェイなどのスマホの中を見れば、日本製の電子部品がたくさん見つかります。 電子部品の世界生産額は25兆円、そこで日本企業は約40%のシェアを持っています。

上位は日本電産、村田製作所、TDK、京セラ、等々、日本企業が独占しています。電子部品は、物質の特性を引き出す開発、製造プロセスでも高度な素材管理、清浄度管理、設備管理などが必要であり、中国や韓国では一朝一夕に真似のできない分野なのです。 なぜ電子部品では、これほど日系企業が強いのでしょうか?

たとえば多くのスマホでは受信するとブルブルと震える機能がついていますが、そこでは大きさ4ミリほどの超小型モーターが使われています。そのブラシは直径0.01ミリ、髪の毛の細さの1/8ほどの金の極細線で作られています。 世界に金の極細線を供給しているのが、田中貴金属工業です。同社は明治18(1885)年に東京日本橋で両替商「田中商店」として出発しました。金は錆びず、熱や薬品にも強く、導電性も高く、さらに薄く長く伸ばせます。1グラムの純金を、太さ0.05ミリの線にすると、3千メートルにもなります。そうした貴金属の特長を、長年磨いてきた加工技術で引き出しているのです。 同社ではさらに、プラチナでガン細胞の成長を抑えるとか、銀にカドミウムを加えて接点としての性能をあげる、など、貴金属の新しい特性を引き出す革新的な研究開発を続けています。同社の技術開発部門長の本郷茂人(まさひと)氏はこう語っています。

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貴金属のほうから、そういう特性を世に出してくれ、出してくれって言っているような気がするんですよ。われわれが特性を探し出すんじゃなくてね。世の中に出してくれ、出してくれと言っているものを出してやるように努力するのが、われわれの仕事じゃないかと思うんです。[野村,p46]

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すべてのものは「神の分け命」です。それぞれの「神の分け命」の声を聞いて、その可能性を最大限に引き出し、処を得られるようにしていくことは、まさに自然との和の協同作業です。

エレクトロニクス化が進む自動車分野や医療分野でも電子部品のニーズは高まりつつあり、一層の高精密部品が求められていきますから、日本企業の活躍の場はさらに広がっていくでしょう。

■7.ミシュラン星付き店、東京はパリの2倍。 製造業以外にも、日本人が「和」の力をフルに発揮して、世界で存在感を示している分野があります。日本料理がその一つです。世界の一流レストランを国別や都市別にガイドブックにしている『ミシュランガイド』では、東京版が星付きレストラン226軒で、従来に引き続き世界一となりました。本場パリが113軒、ニューヨークが77軒に比べると、独走状態です。 東京ばかりでなく、京都106軒、大阪98軒も、ニューヨーク以上ですね。日本版のガイドを発行している日本ミシュランタイヤのポール・ペリニオ社長は次のように語っています。

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驚くのが、日本のどこに行ってもその地方だけで1冊のレストランガイドを作るだけのコンテンツがあるということです。・・・これまで、(北は北海道から南は九州まで)色々なエリアを取り上げたガイドブックを発行してきましたが、どこに行っても本として成立することに感動します。 日本各地のガイドブックを積み重ねると、何十センチもの高さになる。フランスのミシュランガイドは全国をカバーする1冊だけです。(JOG注: 日本は)飲食店の数が多く、平均レベルがとても高いんですね。[グルメクラブ]

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日本料理の特質は、素材の味を最大限に引き出すことです。日本列島の多種多様な自然の恵みを生かして、各地域でその土地ならではの料理が発達しています。それはまさに自然との「和」の産物なのです。

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List    投稿者 seibutusi | 2020-12-03 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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