2019-06-02

川や海洋だけではない!大気中を移動するマイクロプラスチック

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                    画像はこちらよりお借りしました。

西欧科学の産物の一つ、プラスチック。
マイクロプラスチックの拡散状況について、最近の報告を2つ紹介します。

1.世界の6つの海溝に生息する生き物からマイクロプラスチックを検出
世界の6つの海溝(日本海溝、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝、ケルマデック海溝、ニューヘブリデス海溝、ペルー・チリ海溝)に住む深海の端脚類(小さなエビに似た甲殻類)から、プラスチックの合成繊維が見つかった。
2.そよ風で移動するマイクロプラスチック 
マイクロプラスチックは少なくとも100キロメートル離れたところから辺境の山地まで大気中を移動するという。マイクロプラスチックの拡散経路は川や海洋だけではないようです。

1.世界の6つの海溝に生息する生き物からマイクロプラスチックを検出
以下「プラスチックの海」より引用。

6つの海溝に住む深海の端脚類(小さなエビに似た甲殻類)から、プラスチックの合成繊維が見つかったことがニューカッスル大学(英)の最新の調査でわかりました(Jamieson et al. 2019)。
さらに、地球上で最も深いマリアナ海溝では、調査した全ての生物から合成繊維が検出されました。

・どんな調査?
同大学の研究チームは、過去10年間で集めた水深6,000 ~ 11,000mに生息する多数の端脚類のサンプルを所持しており、その中からプラスチックが検出されるか調査を開始しました。
サンプルを採取した場所は日本海溝、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝、ケルマデック海溝、ニューヘブリデス海溝、ペルー・チリ海溝(4つの深度)の合計9ヶ所。
太平洋内の広い範囲を網羅しており、地球の最深部である水深約7,000~10,890mのチャレンジャー海淵(マリアナ海溝の一部)も含まれています。

・調査の結果
解剖を行なった90匹の端脚類のうち、65匹(72%)からマイクロプラスチック122個が検出されました。
海溝別に見ると、最も少なかったのはニューヘブリディーズ海溝で50%、最も多かったのはマリアナ海溝で100%という驚くべき結果に。深い場所で採取された個体ほど多くのマイクロプラスチックを摂取していました。
さらにマイクロプラスチックを分析したところ、そのほとんどが合成繊維でした。
マイクロプラスチックが検出された端脚類の84%が合成繊維を食べており、そういった個体はどの海溝でも見られました。

・プラスチックは海のあらゆる場所に存在する
繊維1つ1つは軽いですが、バクテリアが付着し始めると重さが増し、最終的に海底に沈んでいきます。
海に流れたプラスチックは最終的に海溝に堆積し、それ以上どこかに行くことはありません。
今回調査された6つの海溝は地理的に大きく離れています。
それにも関わらず、全ての海溝の個体からマイクロプラスチックが見られたことを受けて、論文著者のJamieson氏は、「プラスチックはありとあらゆるところに存在すると断言できる。これ以上プラスチックを探す必要はなく、それが生物に及ぼす影響について研究を進めるべき」と述べます。

・生物への影響は?
プラスチック汚染は非常に深い海で広範囲に及んでいます。
しかし、実験室で深海の圧力を再現することは困難です。
海の底に生息する生物がプラスチックを摂取するとどうなるのか、その影響を知ることはほぼ不可能であるとJamieson氏は警告します。
プラスチック粒子はほとんどの生物にとっては非常に小さなもので、そのまま体の中を通り抜けて行くかもしれません。
しかし、今回の端脚類や動物プランクトンといった小さな生物ではどうでしょうか。
体内への影響度が変わってくるのは誰の目にも明らかです(PHYS.ORG Feb 2019)。
(引用終わり)

2.そよ風で移動するマイクロプラスチック
以下「natureasia.com」より引用。

マイクロプラスチックは大気中を移動し、元の放出源から遠く離れた地域にまで到達し得ることを報告する論文が、今週掲載される。

マイクロプラスチックは非常に小さなプラスチックごみの欠片で、川や海洋、「手つかずの」極域でも見つかっている。これまでの研究では、マイクロプラスチックは川に沿って長い距離を移動して海洋に到達し、その途中で水生生態系に影響を及ぼしていることが示唆されてきた。しかし、マイクロプラスチックによる汚染が大気中を移動できるかについては、情報がなかった。

Deonie Allenたちは今回、フランス・ピレネー地域の人里離れた山間地の集水域を5か月にわたり調査した。5回の試料収集期間に大気中の乾燥した堆積物と湿った堆積物を収集したところ、プラスチック片、フィルム、繊維片などの大量のマイクロプラスチックが見つかった。Allenたちは、マイクロプラスチックの1日の堆積速度は1平方メートル当たり365個と測定している。

またAllenたちは、大気シミュレーションを用いて、マイクロプラスチックが少なくとも100キロメートル離れたところから大気中を輸送されたことを示した。
この研究から、大気輸送は、マイクロプラスチックが汚染されていない地域に到達して影響を及ぼす上で重要な輸送路となっていることが示唆される。
(引用終わり)
関連記事:「辺境の山地にもマイクロプラスチック、大気中を浮遊」(AFP

 

 

List    投稿者 seibutusi | 2019-06-02 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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