2016-01-08

植物が進化した理由は、緑色の光を他の生物に明け渡す共生の道を選んだから

植物は緑色の光を反射しているため緑色に見えます。

ところが、緑色の可視光線植物は太陽から地球に降り注ぐ電磁波の中で最大の量になります。こんなに多い電磁波エネルギーを利用しなかったのはなぜでしょうか?

 

 

 

 

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生命誕生は、38~34億年前とされ、最初の生命体は化学合成菌と呼ばれる、分子や原子の化学反応によりエネルギーを得ていた硫黄酸化細菌などで、電磁波エネルギーは利用していませんでした。

次に、30億年前くらいに、海底下の数千メートルの地中から、硫黄酸化光合成菌などの、地熱から出る赤外線を利用した光合成を行う、酸素を発生しない菌が登場します。その後、27億年前ころに、やっと酸素発生型の光合成菌が登場します。

この光合成菌のクロロフィルが現在の植物のそれとほぼ同じです。

そして、地表に到達する太陽光は、下図のような分布をしています。最大値は可視光線の緑色付近で、緑を含む可視光線の両端に紫外線と赤外線があります。しかし、この分布は現在のもので、生命誕生時とは少し異なります。

太陽光分布.jpg

 

それはこの当時酸素はまだ大気中にはなく、したがってオゾン層も形成されていないため、短波長の紫外線や紫色・青色の光の量は現在よりずっと多く地球に降り注いでいたためです。

その量は、緑の可視光線ほどではないですが、保有するエネルギーは振動数(波長の逆数)に比例するため、利用さえ出来れば品位の高いエネルギー源になるのです。

そこで、酸素発生型の光合成菌は、危険を承知で海底から電磁波の届く海表まで進出し、見事に紫外線に耐え青色の光に変換できるクロロフィルを作り出し適応したのだと思います。

その後、自ら発生する酸素により、大気中の酸素を増やしオゾン層の形成にも寄与しますが、効率のよい青色を吸収するクロロフィルはそのまま利用したので、緑の可視光線を利用することは無かったのではないかとおもいます。

また、可視光線という言葉は、人間や動物の視覚性能から規定されたもので、物理学的な区分があるわけではありません。酸素やオゾン層ができた後に誕生した生物が、もっとも効率のよい、その時点の最大到達量の電磁波に適応してきた結果に過ぎません。

そして、植物が緑色の可視光線を利用しなかったため、他の生物にそれを明け渡すことで、共生が可能になりました。

それは、

植物が緑色なのは、他者との共生を望んだからではないか?
植物は、自ら地上で栄えるばかりでなく、自らの直接の取り分を小さくしてまで動物たちに太陽光の最も豊かな部分を反射して分け与え、共生する道を選んだのだと、稲本さんはおっしゃるのである。

植物が意識的に (植物に意識というものがあると仮定して)そうした崇高な道を選んだのかどうかは、わからない。単に偶然の結果、そうなっただけなのかもしれない。

しかし、太陽光の独占 (「強欲」 といってもいい) は、動物との共生 (受粉だけでなく、根からの栄養分の吸収にも土中の動物は大きな役割を果たす) の道を狭め、結果的に自らの生命の可能性をも小さくする。

のような、宇宙の法則にうまく適合した進化の道を選んだことになり、その結果として、その後の植物の反映が実現できたということではないでしょうか?

List    投稿者 sinsin | 2016-01-08 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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