2015-08-21

予防接種の誇大広告に要注意~“集団免疫”は予防接種に係らず発生する“自然現象”の一つ

予防接種の意義・目的として、次の二点があげられる事が多い。

 (1)個人の感染予防・重症化の防止
 (2)多くの人が接種を受けることにより、感染症のまん延を
   防止する(集団免疫)という社会的な意義

例えば、リンクリンクなど、多くの医療期間や行政のサイトで、表現は異なるが概ね同じ内容で説明がなされている。

ところが、この説明には問題がある。(1)はまだしも、問題は(2)集団免疫。素直に読めば「大勢が一気に予防接種をした結果として集団免疫の効果が得られる。だから予防接種は必要だ。」と読み取れる。しかし、この説明には違和感を禁じ得ない。なぜなら、“集団免疫”とは、予防接種に係らず、一定規模以上の集団であれば発生する、一般的な“自然現象”だからである。

そこで今回は、感染症流行における“集団免疫”効果とは何か?“予防接種”の効果とは何か?について整理をしてみたい。

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■感染症の流行と収束
感染症の流行は、最初、誰も感染していない人々のところに、一人の感染者が来て始まる。時間とともに感染者の数は増えていく。それに続いて感染から回復し、免疫を獲得した人の数が増加する。流行開始から数日後に感染者の数がピークに達した後は、集団内に、感受性をもつ人(免疫を持たない人)割合が低下することによって、流行は緩やかになる。

集団免疫図2のコピー

 

感染症が終息していく理由として、以前は、人から人へ感染を繰り返している間に、ウィルスの感染性が低下すると考えられていた。しかし、必ずしも病原体の感染性が低下する必要はない。流行の進展とともに、感染性をもつ人が接触する人のうち、感受性をもつ人の割合が低下する。そのことが、流行終息の主な理由である。これが集団免疫と呼ばれる効果である。

■感染症の「小児の感染症
現代社会では、「小児の感染症」として知られる感染症がある。麻疹、おたふく風邪、風疹などがそれである。こうした、感染症が小児に対して特に高い感染性を持つことを意味するわけではない。それらの感染症は、免疫を持たない成人に対しても高い感染性を示す。

現代社会のように、成人の多くが免疫を有する社会では、子どもたちが唯一の感受性者となる。そのため、、これらの感染症が小児の感染症に見えるだけなのである。

■そして「ありふれた病気」の一つへ
こうした「小児の感染症化」が全世界的に広まり、残された処女地(これまで感染することがなかった地域)も次第に減少し、ついには人口に大きな影響を与えるほどの流行は地上から姿を消すことがある。麻疹、おたふく風邪、風疹などかつては猛威を振るった感染症は、現在では、あらゆる感染症のなかのありふれた病気の一つとなっている。

■予防接種の効果とはなにか?
ここまでみてきたように、かつて猛威を振るった感染症が次第に「小児の感染症」化し、ついには「ありふれた病気」の一つとなるまでの過程は、人工的なワクチン接種が関与していなくても生じる“自然現象”である。

予防接種は、通常、平均感染年齢を上昇させる効果があり、集団で予防接種することによって、免疫を持つ人の割合を上昇させる。それにより、集団免疫効果を促進する効果が期待できる。しかし、人類がこれまで様々な感染症がもたらす困難を乗り越えてこれてのは、治癒力という身体に備わった力を活かし、境面の改善、栄養状態の向上など、健康障害の発生を未然に防ぐことができるような生活環境づくりに人々が力を合わせ感染症と戦ってきた成果である。

それを予防接種することで、初めて集団免疫効果があるように説明するのは、やはり間違っている。そこには、人工的なワクチンの危険性や副作用などの様々な弊害を隠蔽してでも、予防接種を拡大したいという悪質な思惑があるといわざるを得ない。予防接種の「嘘」「誇大広告」に惑わされること無く、科学的な事実に基づき正しくリスクを判断し、本当に予防接種が必要か否かを考えて行く必要がある。

ワクチンの危険性が拭い切れない現在、まず取り組むべきは、食生活の改善や社会制度の整備など通じて、“集団免疫”という自然現象をより効果的に発揮できる社会の実現を模索することではないだろうか。

List    投稿者 seibutusi | 2015-08-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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