2012-08-02

君もシャーマンになれるシリーズ12~シャーマン(予知・予言能力)の脳回路

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画像はこちらからお借りしました。
 
シャーマン(予言者)の脳回路は、通常の人類の脳回路とどのような違いがあるのか?
そのポイントが見えれば予知・予言能力回路の本質が見えてくる可能性があるので、現在、シャーマンの脳回路について様々なアプローチからの追求を行っています 🙄
今回より「君もシャーマンになれるシリーズ」では、いよいよシャーマニズムの脳回路の謎へと迫っていきます 初回は、日本古来のシャーマンである宮古島のユタを中心に、脳回路の特徴を見ていきたいと思います。
まだ明確に構造化されていませんが、どうやら左脳(言語・理性)の抑制右脳(感覚)の活性化に一つのポイントがありそうなことが見えてきました。

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以下、NHKサイエンススペシャル 驚異の小宇宙・人体Ⅱ 脳と心 果てしなき脳宇宙 無意識と創造性(NHK出版)よりの引用です。

脳波測定装置でイタコ(東北地方の巫女)の女性の脳波を測定してみると、驚くべき事実が判明した。イタコが依頼者の話を聞いているときは、左側の前頭葉が活発に活動して、右半球の活動は目立たない。しかし、口寄せ(死者がのり移って語りだす)が始まると、右半球の前頭葉の活動のほうが優勢になるのだ。
私たちの脳は、ふつう左半球に言語野があり、左と右の間に機能的なちがいがある。人類になって初めて複雑に発達した「言語」と言う新しい能力の活用に左半球が適応していったとすると、右半球はそれ以前の、古くからの能力を温存しているのではないだろうか。
イタコが死者の声に耳を傾け、それを告げているとき、右半球の前頭葉が活発に働いていると言う現象は非常に示唆的である。集合的無意識が語りだすことと、右半球の前頭葉が活発に働くということとは、何か深いつながりがあるのだろうか。
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画像はこちらからお借りしました。
宮古島の(ユタ(巫女)である)根間ツル子さんの前頭葉の脳波を測定させていただくことにした。(中略)その日は中年の主婦の方が相談に見えたので、取材の了承をいただいたうえで、根間さんの頭に測定のためのヘアバンドを取り付けた。まず歌が始まる前の脳波を記録する。主婦の方の話を聞いている。続いて歌がはじまる・・・・・。現場に持参したのが簡易測定装置なので、データを東京に持ち帰って分析してみないと詳しいことはわからないが、表示装置を見ていると歌が始まると左の前頭葉の活動が低下するように思われた。(中略)
この日、主婦の方のほか、夫婦で神事の相談に来た二人、横浜から全国を渡り歩いて宮古島に辿りついた青年、他の離島からわざわざやってきた二人のおばあさんのために「拝み」をしたときの、前頭葉の脳波を併せて測定した。そのデータを東京に持ち帰り、町教授に詳しく分析してもらったのである。その結果、歌を唄う前はふつうの脳波だが、歌が始まるとやはり、左半球の前頭葉の活動が抑えられる傾向がはっきり確認された。イタコの場合ほど急激な変化ではないが、歌が始まって三十秒の間に左半球前頭葉の活動がかなり抑えられ、右半球の前頭葉では、大脳皮質の活動を示すベータ波(活発な思考や集中と関連つけられる脳波)の活動が目立ってきた。歌の調子が上がるとともに、その活動は高まっていった。そして、ベータ波の領域に強いピークが現れたのだ。
とにかく、根間さんが歌を唄って神様と話しているとき、右半球の前頭葉がはっきり優位であることが確認された。音楽で右半球が優位になるのは当然だ、という考え方もあるが、驚いたことに、根間さんの歌が終わったとき、右半球の活動がさらに劇的に高まったのだ。神の言葉を告げる何分かの間、右半球の高まりは続いた。この結果だけで、大脳皮質全体の活動がわかるわけではないが、精神活動に特に関わりの深いといわれる前頭葉で右半球が優位であると言うことは非常に大きな意味をもつ。
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根間さんが神様や先祖の霊の言葉として集合的無意識からのメッセージを語り出しているのだとすると、やはり集合的無意識の浮上と右半球の前頭葉の活性化(あるいは左半球前頭葉の沈黙)が深く関係していることは確かなようだ。
※集合的無意識=心理学者ユングが唱えた無意識の階層構造のうち、いちばん浅い層である個人的無意識の下にある、他者と共通した無意識。個人の体験を超えて、民族に共通した、あるいは全人類に共通した、心の働き方の原型と言われる。
根間さんの前頭葉脳波で見つかったもう一つの大きな発見は、ベータ波の二〇~三〇ヘルツのあたりに、強いピーク(棘のような波)が認められたことである。これは平凡な人の脳ではまったく見られない現象だと言う。歌が始まって四~五分すると、非常に低い周波数のデルタ波が、特に右で強く出てくる。そのデルタ波が右に出始めたころから、ベータ波のピークが出はじめ、間欠的に出てくるが、やはり右側のほうが電位が高い。
(中略)
デルタ波は非常に周波数の低い波で、ふつうは深く寝入っているときに認められる。根間さんが歌を唄っているとき、もちろん眠っているわけではないのだが、何か夢と相通じる機構が働いて、脳の内部に蓄えられたイメージ、特に深い集合的無意識のレベルのイメージが浮上しやすくなるのではないだろうか。
根間さんの脳波で特徴的なのは、そうしたデルタ波と、大脳の活動を反映するベータ波のピークが連動していることだ。神様のイメージが現れるとき、デルタ波がきっかけを与えるのかもしれないが、根間さんの口を借りて神様が次々に語りはじめるとき、右半球の大脳皮質が非常に活発に活動しているのだ。
根間さんの前頭葉脳波で見つかったもう一つの大きな発見は、ベータ波の二〇~三〇ヘルツのあたりに、強いピーク(棘のような波)が認められたことである。これは平凡な人の脳ではまったく見られない現象だと言う。歌が始まって四~五分すると、非常に低い周波数のデルタ波が、特に右で強く出てくる。そのデルタ波が右に出始めたころから、ベータ波のピークが出はじめ、間欠的に出てくるが、やはり右側のほうが電位が高い。
(中略)
デルタ波は非常に周波数の低い波で、ふつうは深く寝入っているときに認められる。根間さんが歌を唄っているとき、もちろん眠っているわけではないのだが、何か夢と相通じる機構が働いて、脳の内部に蓄えられたイメージ、特に深い集合的無意識のレベルのイメージが浮上しやすくなるのではないだろうか。
根間さんの脳波で特徴的なのは、そうしたデルタ波と、大脳の活動を反映するベータ波のピークが連動していることだ。神様のイメージが現れるとき、デルタ波がきっかけを与えるのかもしれないが、根間さんの口を借りて神様が次々に語りはじめるとき、右半球の大脳皮質が非常に活発に活動しているのだ。

  
以上、整理するとシャーマンの脳の働きには以下のような特徴があげられるようです。
 
左半球の前頭葉・大脳新皮質(=言語野)の働きが抑えられ、右半球(空間把握などを司ると言われる。言語以前の能力・働きは右半球が司る?)が活発化する。
 
思考の活発化や集中時に見られるベータ波に(通常は見られない)ピーク波が現れる一方で、通常眠っている時にのみ見られるデルタ波も現れる。
 
①②いずれも、通常の脳の活動状況には見られない現象ですが、シャーマン以外に大脳右半球の活動が活発化する「症例」として、映画レインマンで取り上げられ有名になった「サヴァン症候群」と言われる症例が知られています。
 
サヴァン症候群は、特に言語・論理的な知的障害があるにも関わらず、膨大な書籍を一度見ただけで記憶する、特定の日の曜日を言える(カレンダー計算)、10桁以上の素数を言える、初めて聞いたチャイコフスキーの曲をいきなりピアノで再現できるなど、特定分野で超常的な能力を発揮する人々のことです。
参考:リンク
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画像はこちらからお借りしました。
 
サヴァン症候群の詳細な原因構造はまだまだ判明していないと言われますが、脳の画像診断により、言語野のある左脳損傷がその原因となっているであろうことが解ってきており、左脳損傷を補おうと右脳が何らかの能力を発揮しているのではないかと言われています。
(又は、通常は左脳が右脳を何らかの形で制御しているのが、左脳損傷によりその抑制が取り払われ、右脳の能力のみが全面的に発揮されているのではないかと言う仮説もあります)
「シャーマン脳」と「サヴァン症候群」の間に共通するのは、左脳の働きの低下と右脳の活性化です。
 
人類の脳は、左脳・右脳それぞれバランスを取って活動を行っているので、(一時期流行した右脳トレーニングのように)右脳のみの働きを活性化させれば良いと言うことでは決してないと考えますが、右脳に秘められた「言語(=観念)以前の能力」(おそらく共認機能~観念原回路と思われる)構造を解明することは、シャーマニズム=予知・予言能力を解明する上でも、重要な意味を持ちそうです
 
これらの構造をより詳細に解明する為に、今後は、右脳・左脳の構造の違い有意識・無意識(特に人類共通と言われる集合的無意識)の構造について追求していきます
次回は右脳・左脳の構造を知る上でもまず基本となる、脳の構造の本質部分について迫っていきます。
次回もお楽しみに
 
最後まで読んでいただきありがとうございました 😀

List    投稿者 yamatetu | 2012-08-02 | Posted in ④脳と適応No Comments » 

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