2011-07-09

「宇宙人はいるのか?」 ~宇宙人ブームとその背景

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UFOや宇宙人の目撃情報は巷に多く流れていますが、果たして本当に地球に来たのでしょうか?
地球外生命体が存在する可能性は否定しません。むしろ地球外にも水は存在するし、水がなくても生命体的なものが存在する可能性も十分にあります。
しかし、とてつもなく離れた星に誕生した生命体と、地球誕生から46億年のうち500万年、地球史のたった0.1%しか存在しない人類が彼らと接触する確率は極めて小さいと考えられます。
この間、いくら探しても信憑性の乏しい断片情報ばかりで、公的機関の研究結果も天文家たちの情報もありませんでした。ネットサーフィンしても書籍などでも宇宙人が地球にいると断定できる決定的な証拠は何一つありませんでした(知っている方は是非教えて下さい)。
ということで今回はなぜ宇宙人情報が飛び交うのか、最も有名なロズウェル事件を軸にその背景に迫ります

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先日のブログ「宇宙人はいるのか?」~宇宙人にまつわる事件と概要のリンク集の中に取り上げたサイトでも、宇宙人やUFOの目撃情報はアメリカに集中し、しかも、「エリア51」など軍事基地周辺に多くあります。アメリカ以外の国でも軍事基地付近での目撃情報が多いのも共通しています。
とすると、何らかの軍事機密や航空機等をUFOと見間違う、あるいは意図的に宇宙人を想起させるよう誘導したと考えられます。
宇宙人で、もっとも有名な事件のひとつである「ロズウェル事件」は1947年に起きました。アメリカの人たちは今なお宇宙人が回収されたと信じているようですね。

1997年のCNN/Time をはじめとする複数の世論調査は、アメリカ人の大多数は、政府が異星人の存在する証拠を隠していると信じており、中でも特にロズウェル事件において異星人が回収されたと信じていることを示した。
ウィキペディア

これに対しアメリカ空軍が1990年代に公表したレポートでは

ソビエトの核実験と弾道ミサイルを検知するためのマイクロフォンとラジオトランスミッターを積んだ気球が関与する。異星人の話は、擬人ダミーを使った軍の実験と軍隊員に怪我人と死亡者を出した事故を、誤認したことに起因するとして説明された。
ウィキペディア

昔からFBIや軍がUFOについてのレポートを作っていますが、その中で、未確認の飛行物体とは領空侵犯した正体不明の航空機や鳥、気球など確認できないもの総称であり、決して宇宙人情報ではありません。
第二次大戦が終わり、米ソの対立が深まる冷戦へと進み、それぞれが軍事競争が激化し始めた時にロズウェル事件が起きました。軍の中でも機密のプロジェクトが進み、観測気球やレーダーに映らないステルス機などの研究も行われていました。軍事機密を隠蔽するために当時はこの事件も気象観測用の気球が墜落したと報道されて事件を終息させたようです。
しかし、ロズウェル事件が全米に知れ渡るほどの事件となったのは79年でした。実は70年代に宇宙人・UFOブームが起きていたのです。
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40歳以上なら矢追純一をご存じの方も多いでしょう。彼が日本テレビで毎年UFO特番を制作し、日本にUFOブームを作り出した先駆け的存在です。それまで映画やテレビでは「ウルトラマン」や「謎の円盤UFO」といったフィクションでしかなかった宇宙人が、地球に実在するかのような番組は作られたことはありませんでした。
77年アメリカでは、UFOに遭遇し宇宙人とコンタクトしたストーリーの映画「未知との遭遇」が公開され、日本では年末に発売されたピンクレディが日清焼そばとタイアップした「UFO」が大ヒットしUFOブームがピークを迎えました。

そして、ロズウェル事件の当事者である軍事関係者が当時を振り返って取材に答えたのが78年。翌年ドキュメンタリー番組に取り上げられ、雑誌にも掲載され一気に有名になったのです。
では、UFOブームが起きた70年代とはどのような時代だったのでしょうか?
1969年~79年にかけデタント(緊張緩和)による軍縮へと傾いた時代でした。ベトナム戦争で双方が疲弊し、同時にアメリカの経済力が日本やドイツなどに敗れ衰退していく中、核兵器の量的削減などが始まったのです。

73年ベトナム戦争からアメリカが撤退した、その年末に矢追純一による日テレ特番がスタートしたのです。この特番は84年で終わり矢追氏も86年には日本テレビを退職しています。
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その後、87年にロズウェル事件は再び取り上げられ、大統領直属の極秘UFO調査機関の存在が示唆されたのです。さらに95年には宇宙人の解剖ビデオまで公開されました。(普通の人が見れば作り物としか見えないこの宇宙人ビデオは後に特殊メイクだと制作者が名乗り出たようです)
79年に始まったアフガニスタン戦争やイラン革命など、再び東西対立が深まったのが80年代、そして戦争で疲弊したソビエト連邦が民主化へと向かい始め東西対立が緩和したのが87年。その後、ソビエト連邦はルーブル危機に陥り解体されました。
東西対立緩和するとUFOブームが起きる。これは偶然ではなく、軍縮の流れを阻止すべく軍産複合体が作り出した仮想敵が宇宙人であり、大衆の不安心理を生起させようとしていたのではないでしょうか。

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さて21世紀に入り、ロズウェル事件が再燃しました。
なんとアポロ14号に乗って月面に降り立った宇宙飛行士エドガー・ミッチェルが08年に宇宙人との遭遇を語っています。

ミッチェル氏は、多くのUFOが地球に飛来していることをNASAでの経験から気づいたと語っています。ミッチェル氏によると、宇宙人は「奇妙な外見で小さな姿をしている」とのことで、大きな目と頭を持つ伝統的な宇宙人像に似ているそうです。
航空工学の理学士号を持ち、航空学と宇宙航行学の博士号も持っているミッチェル氏は、墜落したUFOをアメリカが回収したというロズウェル事件が真実であり、「政府は宇宙人の存在を60年間隠し続けていたが、徐々に事実が明かされていて、私のような真実を知る特権的な人間も何人かいる」とも述べています。
GIGAZIN 2008年07月25日「宇宙人は何度も我々にコンタクトしてきている」と告白するアポロ14号の宇宙飛行士

彼は地球に帰還後、宗教家になっている点にも注目されます。
ここ数年、日本でも再び宇宙人ブームが起き始めているようです。しかし以前とは少し位相が異なるように思います。
次回は21世紀に宇宙人を必要とする新しい勢力、その現象と人々の意識を探ります。
※ロズウェル事件の参照サイト:ロズウェル事件ー寡黙なる神話の中心

List    投稿者 tsuji1 | 2011-07-09 | Posted in ⑬宇宙人・スピリチャルNo Comments » 

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