2010-05-05

免疫って何(5)マクロファージの起源

免疫シリーズの第五回になりました。
今回は免疫の中でも最も早く登場した「マクロファージ」の起源に迫ります。
免疫って何(3)でも簡単に触れられていますが、マクロファージは多細胞になった時から存在しているようです。詳しくは当ブログの記事「4/29なんでや劇場レポート2 マクロファージの起源は…」にありますので紹介します。

 一般的にマクロファージの起源はカイメンという多細胞になりたての動物に存在している個虫アメーバであると言われています。
 この個虫アメーバ。果たして、カイメンの中でどんな役割を果たしているのでしょうか。
まずは個虫アメーバがどこにいるのか。という所から入りましょう。
 カイメンは、図のように体の一部がグニューっとへこんだ形をしており、ここで栄養を摂取しています。このへっこんだ部分の正面には、襟細胞といわれるひげのようなものが存在しています。このひげから栄養を摂取するわけですね。
 襟細胞の周辺を拡大して見てみると、襟細胞の背後に空洞が存在するのが分かります。
実は、この空洞内部に個虫アメーバが動き回っています。多細胞生物の中で細胞が独立して動くということで、個虫アメーバは多細胞の中に単細胞生物がおり、それが動き回っているというイメージですね。

 

 ここで空洞とされている部分にはゲル状の物質があり、自己の死んだ細胞や襟細胞が消化し切れなかったものなどが個虫アメーバに取り込まれ消化されています。
 カイメンは二胚葉性動物と呼ばれ、簡単に言うと皮膚(上皮細胞)と消化器(襟細胞)の内外二重の構造になっています。二重構造の隙間にゲルがあり、襟細胞が消化し切れなかったものやどこからか侵入してきた異物を個虫アメーバが貪食しているとすれば、まさに血液等の体液とマクロファージの関係と酷似していますね。
さらに起源を探ると…

その前に応援よろしくお願いします。
ブログランキング・人気ブログランキングへ
にほんブログ村 科学ブログへ

 にほんブログ村 科学ブログへ

 この個虫アメーバは栄養を摂取した後、なんと生殖母細胞にもなるのです!カイメンは、有性生殖を行いますが、オスとメスに分かれておらず、雌雄同体なので、卵子の元になっているという事です!
つまり
襟細胞⇔個虫アメーバ→生殖母細胞→精子、卵子
という事になっているのです。

個虫アメーバは生殖母細胞にも体細胞にもなる万能細胞です。
もう少し起源を遡って考えると、個虫アメーバの持つ生体防御のための貪食機能と生殖機能を兼ね備えたもの、それは単細胞生物そのものと言えるのではないでしょうか。

アメーバやゾウリムシ(繊毛虫)、ユーグレナ(鞭毛虫)などの原生動物は、ひとつの細胞で1個の動物として生活している。原生動物はそれ自身が貪食細胞であり、細胞食作用は自身の防御作用であり、また栄養摂取作用でもある。
 マクロファージの系統進化―1

さらに免疫の特徴である認識機能の面から着目すると、

あるアメーバでは,その細胞膜上にIgG(免疫グロブリン)に特異的に結合するFc受容体様分子が存在しているというし、ゾウリムシなどの繊毛虫が有性生殖の原型ともいえる「接合」時に、接合できる相手を認識する機能をもっているが、それは、脊椎動物におけるマクロファージの異物認識に深く関連する事象であることを想起させるとみなされているようである。
 マクロファージの系統進化―1


ゾウリムシの接合
また、カイメンには海綿の体内には大量の微生物が共生しており、種によっては全体積の 40% を微生物が占めると言われています
これらのことから有性生殖時の同類他者認識や、共生生物あるいは外敵などいくつかの非同類に対する認識機能をも単細胞生物や初期の多細胞生物の段階で有していたと考えられます。
したがってマクロファージの機能的起源は単細胞生物の段階にまで遡り、細胞間で役割分化が行われた=多細胞生物の始めからマクロファージ様な細胞は存在していたと言えます。
免疫シリーズ、次回はNK細胞です。お楽しみに

List    投稿者 tsuji1 | 2010-05-05 | Posted in ⑤免疫機能の不思議1 Comment » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2010/05/970.html/trackback


コメント1件

 Sammy | 2010.12.31 20:58

うさぎのペアを一緒にしておくと、朝から晩まで血が出てもHを続けるので、飼育する際は注意が必要です。これもウサギの進化の末の行動なのでしょうね。

Comment



Comment


*