男女の脳ってこんなに違う③~サルも雄と雌では違う!~
「男女の脳ってこんなに違う!」ということで、男女の脳の違いから行動の違いを紹介してきました
ただ、「男女の行動の違いは、脳の違いからではなく、社会的環境(男は男らしく、女は女らしくと育てられる)によって、決定される」という説の方もいらっしゃると思います。
そこで、今回は、サルの事例を紹介したいと思います
今までのシリーズは、こちらです。
男女の脳ってこんなに違う!①~幼い時からこんなに違う!~
男女の脳ってこんなに違う②~「幼児の絵」における男女の違い~
画像はこちらからお借りしました。ゆんフリー写真素材集
いつも応援ありがとうございます
仔ザルの遊び方にも雌雄差がみられるんです
雄の子ザルは、活発 で、無鉄砲で、社会的攻撃性についても、威嚇行動のまねごと 👿 をしたり、ケンカ遊びをしたりします。
一方、雌の仔ザルは自分より幼い仔ザルを相手に、母親のような一種の「ママゴト遊び」をしたりする回数が多いとのことです。
これは、社会的環境によるものなのでしょうか?
それとも生まれつきなのでしょうか? 🙄
その解明のヒントになる、こんな実験があります。
アメリカのウィスコンシン大学(ゴイ博士)が行った実験です。
妊娠中の雌ザルに「アンドロゲン」(男性ホルモン)を注射しておき、その母親から生まれてきた雌の子ザルの遊びの行動パターンに影響があるかどうかを調べました。
その結果、胎生期にアンドロゲンの投与を受けた雌ザルの遊びパターンが雄型になることが判明しました。
このことは、アンドロゲンというホルモン物質が母親から胎盤を通して、雌胎仔の脳に作用して雄化が起きたと考えられます。
雄の仔ザルの場合には、胎生期に自分の精巣からアンドロゲンが分泌されているので、そのアンドロゲンが脳に作用して、雄化が起こります。(雌の仔ザルは、通常アンドロゲンを胎内で浴びることはありません。)
この実験から分かることは、このような遊びの行動パターンの雌雄の違いは、社会的環境によって決定づけられるものではない。
ホルモン分泌が胎仔の脳に作用することによって、雄、雌の行動の方向づけがおこなわれるということが分かります。
人間の胎児もこれを同じことが起こっているんです
それは、次回詳しく説明したいと思います
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ロスジェネ | 2010.12.21 23:59
ご無沙汰しています。砒素の件は、年末になって大興奮のニュースでした。
私自身も、今年は自分なりに興奮できる生物系のニュースがあり、発生と進化と環境のカテゴリーで、いくつか更新しました。古臭い内容が多分に含まれますが、よろしければざらっと見ていただけましたらと思います。
来年もできるだけ更新していきたいと思っています。