2009-07-11

骨の秘密

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写真はこちらからお借りしました。
頭蓋骨、背骨、鎖骨、坐骨・・など骨にも様々な種類がありますが、生物の骨は大きく分けると、骨には外骨格と内骨格に分類されます。
内骨格は、文字からも連想されるように背骨や腕骨など、体の中を通る骨。外骨格というのは、貝殻の殻や節足動物の殻など、体の外を覆う骨が多いですが、さて問題。

人間にも実は外骨格に分類される骨が二つあります。
さて何でしょう? 🙄

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正解は頭蓋骨鎖骨

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写真は大日本住友製薬さんからお借りしました。

外骨格は魚類から両性類、哺乳類と進化するごとに退化していき、人類では頭蓋骨と鎖骨だけになってしまいました。体の外皮は殻や鱗、羽、皮膚など様々で、種がおかれている外圧状況によって様々に変化してきました。固い殻のような外骨格は外敵から身を守る必要性で進化してきましたが、人類では頭蓋骨と鎖骨だけになってしまったようです。なんででしょうね 🙄
私が思うに、自然圧力→種間圧力→同類圧力と進化の過程で主要な圧力が変わり、人類に至ってはさらに共認充足、スキンシップの充足が外皮に求められるようになり柔らかい皮膚になったのかな?と思っています。やっぱり女性の柔らかさっていいですもんね。 しかし頭蓋骨は結構イメージできるけど、鎖骨は何で外骨格なんだ??だれか知っている方がいれば教えてください。

さて、外骨格と内骨格は同じ骨でも形成過程や成分は随分と異なります。
人類の祖先を辿っていくと、哺乳類←両生類←硬骨魚類←軟骨魚類←・・となります。私達の大半の骨である内骨格の生成過程も、この進化の過程を辿り、まず軟骨組織を形成したあとその骨組織に血管が侵入して軟骨組織を破壊し、破壊されたスペースに硬骨組織を形成していく方式をとっています。これを軟骨性骨化方式といいます。対して、外骨格は、軟骨形成を辿らずに、直接表皮細胞に骨性構造物が形成される方式で、膜性骨化方式といいます。

また、外骨格と内骨格の組成も違います。カルシウムで出来ている点は共通していますが、外骨格は炭酸カルシウム、内骨格はリン酸カルシウムという違いがあります。内骨格が骨組織として形成された時期は、オウムガイに追われて海水から淡水へと生息域を変えた頃になりますが(プテラスピスという魚が最初に淡水に逃げ込んだと考えられています。)、淡水故のミネラル不足に適応するために、ミネラルの貯蔵庫として作ったのが内骨格の骨です。
そのミネラルの中でもとりわけリンは、生物誕生の頃から欠かせないエネルギー物質。単細胞の頃からチューブリンとしてリンを蓄え、RNAとしてリンを蓄え、そして淡水域への適応のため、骨にリンを蓄えられるように進化しました。
しかし、そもそも内骨格は何のために創られたのでしょう?硬骨魚類の前段階には軟骨魚類がいますが、軟骨は何のためにつくられたのか?

軟骨魚類といえばサメやエイ。サメといえば魚類の中では強者というイメージが強いですが、サメの種が登場した頃はそうでもなかったようですね。軟骨魚類の前段階には板皮類、甲皮類という魚類がいました。読んで字のごとく固い殻に覆われた魚で、当時の制覇種だったようです。
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写真は古代魚類館さんからお借りしました。
上図は板皮類のディニクチスがサメを襲っている図案が描かれていますが、軟骨魚類は板皮類から枝分かれしたようで、板皮類の中でも弱者が強者から逃れるように進化したのが軟骨魚類のようです。
遊泳能力、運動能力の向上の為、神経系を軸に内骨格を進化させ、同時に柔軟性を機動性を持たせるために外骨格を退化させていったようにも見えます。

List    投稿者 nannoki | 2009-07-11 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 とくめー | 2009.10.17 11:11

>挿入されたヌクレオチドは少なくとも、他の遺伝子群とは調和的なのであろう。しかし、外圧を遮断した状況下では、どのような可能性が開かれたのか?要不要が判断されずに、収束先が不明なまま残存していると考えた方が良いのではなかろうか。
 収束先とは可能性収束先の事であり、対象である外圧は必ず存在します。
 欠失より挿入の方が多かったヌクレオチドという(外圧が無いという)実験結果から、収束先が不明なまま残存している状態だと捉えるのが理に適うと思います。

 nodaojisan | 2009.10.17 22:31

遺伝子が変化するシステムは突然変異だけではない。生物自らが自分の遺伝子を変化させるシステムを身につけている。
①遺伝子の水平移動
 大腸菌はプラスミド(染色体以外の小さなDNA)を受け渡し、薬品に対する耐性を獲得している。
②有性生殖
 無性生殖は単純なコピーであるが、有性生殖はオスメスの遺伝子を融合して多様性を自ら生み出す。さらに減数分裂の過程でオスメスの遺伝子を一部交換しさらなる多様性を自ら作り出している。
③トランスポゾン遺伝子
 遺伝子は通常、同じ複製を作ることを目的とし修復機構も備えているが、トランスポゾン遺伝子は自らの遺伝子をコピーペースト、カットペーストする遺伝子。自らの遺伝子を変化させる遺伝子を生物は持っている。

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