2009-05-02

木から落ちたチンパンジー=初期人類にとっての外圧とは?

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(写真は「ネコろんで幸せ」さんよりお借りしました)
人類の誕生プロセスの仮説を立てた記事が昨日はありましたが、今日は木から落ちたサル=人類にとっての外圧状況を整理してみたいと想います。
イーストサイドストーリーはサヘラントロプス・チャデンシスの発見によって、ほぼ完全に否定されましたが、では、人類はどこでどのように進化してきたのでしょうか?(参考:人類誕生:イーストサイドストーリーの草原説から、森林説へ
近年は、人類誕生の場所は草原ではなく、森林であったという説が有力になっているようですが、その森林は木から落ちたサル=始原人類にとって、どのような外圧状況にあったのでしょうか。
それらを探ってみたいと想います。

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■猿の食性
真猿は基本的に雑食であるが、最も人類に近いチンパンジーはその中でも非常に食べるものの種類が豊富であるようです。

マハレのチンパンジーは、非常に多彩な食物レパートリを持っている。現在までに198種の植物、25種の昆虫、5種の鳥あるいはその卵、12種の哺乳類を食べるのが記録されている。このほか、シロアリ塚の土を少量口に入れたり、湖岸や谷底、岸壁の岩をなめたり(写真右上)、蜂蜜をなめるといった行動も見られる。ただし、チンパンジーの遊動集団の大きさや方向を決定づけているのは、これらの食物のうちのごく限られたものにすぎない。それは、主に甘味や酸味の強い果肉である。例えば、キョウチクトウ科の蔓性植物であるSaba florida、マンゴスチン属の喬木Garcinia huillensis、ウルシ科の喬木Pseudospondias microcarpa、オトギリソウ科の二次林性中木Harungana madagascariensis(写真左上)、数々のイチジク類などの果季においては、チンパンジーが大集団を作り、これらの果実を求めて遊動する傾向が強くなる。
(京都大学人類進化論研究室HPより引用)

■木から落ちたサルにとっての外敵
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ヒョウ(参考:Wikipedia
現在でもアフリカ大陸に生息している。サバンナ以外にも、森林にも生息しており、木に登るのが上手く、哺乳類も捕食するため、サルにとっても大きな外圧。当然、地上に落ちた人類にとっても、相当強力な外圧として存在したことが考えられる。
クマ(アグリオテリウムetc.)
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新生代第三紀鮮新世(300万~1200万年前)のユーラシア南部と北アメリカにはアグリオテリウムという原始的で脚の長いクマがいた。このアグリオテリウムがアフリカに進出したのは600万年ほど前のことだった。エチオピアでは440万年前のヒト化石の遺跡からも報告されている。鮮新世後期にはケープに至る全アフリカに拡がっていたようだ。
アグリオテリウム Agriotherium africanum は現代のクマよりも大型で頭骨の長さ45cm、直立すると高さ3m、推定体重750kgに達した。歯の構造は現代のクマに近いので雑食性だったようだが、クルテン(1971)は現代の多くのクマよりも捕食性であったろうと考えている。
(巨大動物図鑑より引用)

また、他にもオオカミジャッカルのような動物、ニシキヘビなど、危険な動物は相当数いたのではないかと推測されます。

食物に関しては、木から落ちても場所によっては賄える可能性はあるが、最大の問題は外敵闘争になりそうです。
森の中とは言え、外敵は多く、外敵闘争圧力は樹上に逃げられなくなったサル=人類にとっては非常に過酷なものであったと推測されます。
そう考えると、人類への進化が生じた場所は鬱蒼と樹木が生い茂った森林の奥地の、薄暗く、他の動物があまり来ないような場所でしょうか?そうであるとすると、その後の洞窟生活にも繋がりそうな感じもしますが…

これらについて、詳しくご存知の方がいらしたら、是非おしえてください 😀

List    投稿者 hadou | 2009-05-02 | Posted in 4)サルから人類へ…No Comments » 

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