2008-11-11

原始地球の材料を使って膜の起源に迫る!?

こんにちわ。アリンコです。今回は、かなーり前に調べていた膜について再度調べてみました。調べてみて分かったのですが、膜の研究ってDNAやタンパク質に比べて遅れているみたいですね。歴史的には、まず遺伝子研究があり、タンパク質研究があり、そして、膜、主に脂質の研究が始まり・・・・・という事の様です。今回は、「膜の起源」について、興味深い研究内容があったので紹介します。
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さて、どんな研究かというと、
原始地球にあったと考えられる物質で膜を作ってみるとどうなる??というものです。
 細胞膜の重量な性質の一つとしては「選択透過性」ですが、Mansyという人物を中心とした研究者グループが、糖類やヌクレオチドが透過可能な膜の組成を検討して, 始原細胞のモデル内部で塩基配列の複製が可能であることを示しました。
 従来、脂肪酸を主成分とした膜胞は UMP(ウリジル酸)などのヌクレオチドを透過しづらく,最初の細胞が外部からヌクレオチドなどを取り込むのは困難と考えられていたようです。そこで著者らは膜胞の両親媒性分子の組成を変化させ,ヌクレオチドなどの透過性を比較しました。
 この研究では、基準としてミリストレイン酸(炭素数14個で二重結合を1つ含む不飽和脂肪酸※1)のみからなる膜胞を用いています。ミリストレイン酸のみからなる膜胞ではリボース(糖)の透過性は悪く, 頭部基の異なる両親媒性分子を混ぜた膜胞が比較されました。
 比較の結果、
「短く,不飽和度が高い、または分岐したアシル鎖を持ち,頭部基の大きい」両親媒性分子の膜胞, またはそのような分子の混ざった膜胞で透過性が高いことがわかりました。
 このような分子は膜の構造を乱しやすく,リボース(糖)などの分子を巻き込んで裏返りつつ, 内部に透過させるものと推定されています。
 一方、原始地球に無生物的に生成した両親媒性分子としては,短鎖の「飽和脂肪酸※2」やグリセロール(グリセリン)がエステル結合した状態である「グリセロールエステル」が考えられるそうです。
 そこで実際にデカン酸という、炭素数が10の「飽和脂肪酸」について検討したところ, デカン酸にグリセロールモノエステル(GMD)を混ぜたときに高いリボース(糖)の透過性が得られたそうです。
 また、ヌクレオチドの透過性に関する研究も行っています。先ほど登場したミリストレイン酸とそのグリセロールモノエステル(GMM)の膜胞では、ヌクレオチドはMg2+が存在する場合にのみ膜胞を透過し,しかも AMP と ADP を透過した一方, ATP は透過しないという事が分かりました。この理由は、電荷が多い物質ほど両親媒性分子の膜胞を透過しにくいため、リン酸の多いATPは透過しにくかったのだと見られています。
 このことから、NTP(NTPのNは、核酸塩基(G、C、A、U)のどれでも良いことを、意味します。)を生物が利用し始めたのは, 比較的遅かったとも推測されます。
 NTPの代わりに考えられたのは、ピロリン酸(二リン酸)の代わりにイミダゾール※3で活性化されたヌクレオチドで、これはリボースと同様の透過性を示したそうです。さらにオリゴ-dCという物質の鋳型上に相補鎖(対称物質と同じ方向をした鎖)を合成する単純な系が 膜胞内で働くかどうかも調べられました。条件としては、鋳型鎖は膜胞内部に,ヌクレオチドは膜胞外部に用意されました。
 この実験は、ミリストレイン酸:グリセロールモノエステル(GMM)(2:1)と,デカン酸:デカノール:グリセロールモノエステルGMD(4:1:1)の膜胞でそれぞれ調べられ、いずれの場合にもヌクレオチドが膜胞内部に取り込まれて重合することが分かりました。(産物のオリゴヌクレオチドは膜を透過せず,膜胞内部に留まったようです)。
※1飽和脂肪酸:炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有しない脂肪酸
※2不飽和脂肪酸:炭素鎖に二重結合、三重結合を有する脂肪酸
※3イミダゾール:5員環上に窒素原子を1,3位に含む含窒素芳香複素環化合物の一つ
以上が、研究成果です。原始地球にあった材料から膜を考える事で生物の起源にも繋がりそうですよね。一つ気になったのが、原始地球にあった材料にグリセロールエステルが考えられるとあるのですが、古細菌の膜はエーテル結合なんですよねえ。古細菌=始原生物と考えていた僕には、おやっという所です。確かに言われてみると現存している生物の膜がそうだからといって、始めに出来た膜がそれであるとは限らないですよね。引き続き追求課題です。
参考:生物の起源 http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/scripts/molcell.html#080811

List    投稿者 arinco | 2008-11-11 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 zen | 2008.12.24 17:06

> 中心体は変異するのか?
> 中心体はなんらかの仕組みで、生物の変異を誘導するのか?
このあたりにすごく興味があります。

 2U | 2008.12.27 0:37

今年1年生物史の勉強をしてきましたがかなり面白かったです。もともと生物の勉強はまったくしていなかったのですが、なんで⇒調べる→少しわかる→新たななんで?⇒調べるの繰り返しでした。
そんななかで少しわかってきたことは、生物進化とは非常に複雑で多様性(あらゆる方向の可能性)をもっていることと、普遍的な摂理が両方あることです。
これは現実の課題・問題でも同じで、複雑な事象を統合できる理論が一番スッキリ度が高いです。

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