2008-10-06

miRNAの遺伝子制御ネットワーク

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masamuneです 8) 。
今日は最近研究者の中で熱い視線をあびている(らしい)miRNA(microRNA)について紹介したいと思います。
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蛋白質 核酸 酵素 vol.53 No.13 ( 2008 ) 「miRNAの遺伝子制御ネットワーク」 藤田修二・伊庭英夫(東京大学医学研究所)著 から引用、【 】は加筆

miRNA(microRNA)は二十数塩基からなる機能性RNAであり、配列の相補性【核酸の塩基配列において、アデニンとチミンまたはウラシル、グアニンとシトシンが特異的に対合する現象。 [参照]を利用して標的となるmRNAの非翻訳領域に結合し、RISC(RNA-induced silencing complex)【siRNAとともにmRNAを切断するもの。 [参照]】の構成因子のひとつとして、標的mRNAの翻訳制御、分解、不活性化を引き起こす。

著者らは、miRNAがとくに重要だと考えられるのは、転写因子とアナロジー【類似】が見られる点だと考えている。ヒトゲノムには多数の転写因子をコードする遺伝子があり、それぞれの転写因子はさまざまな局面で特異的に発現し、多数の標的遺伝子の発現を一括して制御する。同様に、miRNAをコードする遺伝子もヒトゲノムに500種類以上も存在し(800種類以上が存在するともいわれている)、それぞれが多様な発現パターンを示すばかりが、1つのmiRNAあたり200ほどの標的遺伝子をもちその発現を制御していると考えられている。そして、どちらもそれぞれの認識配列の特異性を利用し、同じメカニズムを使いまわしながらも多様な制御を可能にしている。この多様性と汎用性のある遺伝子制御機構のため、miRNAに注目が集まっているのではないだろうか。転写因子は標的遺伝子を転写レベルで制御するのに対し、miRNAは転写後レベルで制御するため、それぞれの制御レベルを独立したひとつの制御層とみなし、これらの多層制御によって細胞の複雑かつロバストな制御【元の成分に多少のバラツキがあっても、完成品の制度はそこまで変わらないような制御。 [参照]】が実装されているというとらえかたもなされている。

つまりmiRNA(microRNA)は小さいけどすごい
どうすごいかというと、遺伝子の制御をしている。しかもたくさん(200ほど)!RNAワールド仮説を裏付ける鍵になるかも!?研究者の中で熱い視線を浴びてしまうのも納得です 🙄
miRNAの働きはおさえていただいたとおもいます。ではmiRNA自体の発現はどのように制御されているのでしょうか 😀 ?続きを引用します。

最終的にmiRNAとみなされる二十数塩基のRNAは、細胞質内でRNaseⅢファミリーに属するDicer【酵素の一種 [参照]】によって、pre-miRNAとよばれる60~70の塩基からなるヘアピン型RNAから切り出される。そして、このpre-miRNAは、より長いRNAからやはりRNaseⅢファミリーに属するDrosha【たんぱく質の一種 [参照]】によって核内で切り出されていると報告されている。この長いRNAはpri-miRNA(primary miRNA)とよばれ、これまでの報告から、おもにRNAポリメラーゼⅡ【酵素の一種 [参照]】によってDNAから転写されることがわかっている。つまり、miRNAをコードする遺伝子は、pri-miRNAとして転写される際に転写制御をうけていることになる。

まとめると、DNA =(RNAポリメラーゼⅡ)⇒ pri-miRNA =(Drosha)⇒ pre-miRNA =(Dicer)⇒ miRNA
となっているようです 🙄 。
ちなみにmiRNAをコードする遺伝子の転写制御に関する報告は少ないそうです。その理由のひとつに、pri-miRNAはpre-miRNAが切り出される過程で破壊されてしまい、その検出が非常に困難なためpri-miRNAの構造があまり知られていないことがあげられます。また、pre-miRNAをコードするプロモーター【mRNA合成の開始に関与するDNA上の塩基配列 [参照]】もよくわかっていないそうです。
これまでに書いたことを整理してみると、
○miRNAは遺伝子の制御をしている。
○miRNAの内容はDNAに書いてある(どこに書かれているかはわかっていない)。
○その転写はRNAポリメラーゼⅡがおこなっている。
ということです。
しかしながら、([参照])によると、RNAポリメラーゼⅡ制御機構の中核となる制御機構の中核要素となるTFⅡD【基本転写因子蛋白質 [参照]】のサブユニットであるTAF4bが行っているそうです
では、TFⅡDがどう制御されているかというと、、、
わかってないそうです 。 [参照]
今後の研究成果が待たれますね 😀 。

List    投稿者 MASAMUNE | 2008-10-06 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

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コメント1件

 iwaiy | 2008.11.24 21:50

> タンパク質とヌクレオチドの複合体が細胞分裂の司令塔を担っています。
これはおもしろいですね~
動物との共通点と違いが鮮明になるとスッキリしそうです。

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