2008-09-16

ヌクレオチド(核酸の材料)はどうやって作られるか

ヌクレオチドはDNAやRNAの材料で、塩基、糖、リン酸から作られます。糖とリン酸はDNAやRNAになるときに、鎖状にヌクレオチドを繋いでいく役割を持っています。塩基は、A・G・T・C・Uなどの遺伝暗号をコードしている部分で、A・Gはプリン体からつくられているのでプリン塩基、T・C・Uはピリミンジン類からつくられているのでピリミジン塩基と呼ばれています。
細胞分裂のときなどには、DNAが2倍に複製されますから、細胞分裂が始まるためにはDNAの材料であるヌクレオチドが作られる必要があります。細胞の中でヌクレオチドはどのように作られているのでしょうか。
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図:プリンヌクレオチドの代謝とその調節
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この図は「通風と核酸vol25・プリンヌクレオチド生合成経路の代謝調節機構」からお借りしました

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この図は、プリンヌクレオチドの製造過程と分解過程の図ですが、製造過程にはデノボ経路とサルベージ経路の二つがあることが分かります。まず、子の二つの違いについて説明します。
デノボ経路のデノボはラテン語でde novo英訳するとfrom new 「新し物から」という意味で、日本語では新生経路と呼ばれています。ヌクレオチドを新しく作るという意味です。
サルベージ経路のサルベージは、もともとは海難救助や沈没船の引き上げを意味し、壊れたものを直して再利用する場合にも使われ、日本語では再生経路と呼ばれています。
ヌクレオチドを構成している材料のうち、リン酸と糖は細胞内の比較的ありふれた物質で、ここで新生とか再生とか言っているのは、主に塩基の部分を刺します。塩基をゼロから作るのか、一度作られたヌクレオチドが分解されて出来る塩基を再利用するかの違いです。
この二つの経路の役割分担ですが、細胞分裂などの大量に核酸を必要とする場合はデノボ経路、壊れたDNAの修復程度の少量の核酸しか必要ない場合はサルベージ経路を使っています。
サルベージ経路は、廃品を利用するので消費エネルギーが少なく効率的ですが、生産能力は限られていて早く大量に作るのには向いていません。一方、デノボ回路はサルベージ経路の8倍もの生産能力がありますが、サルベージ経路に比べ大量のエネルギーを消費します。
ですから、需要が少ないときは効率的なサルベージ経路を使用し、デノボ経路細胞内のヌクレオチド濃度が下がったときだけデノボ経路が働き出し、ヌクレオチドが十分に生産され濃度が高くなるとデノボ回路は働かなくなります。
先ほどの図の中で、AMP・ADP・GMP・GDPから上に出ている矢印が、マイナスのフィードバックを示していて、ヌクレオチド(AMP・ADP・GMP・GDP)が作られると、ヌクレオチドの材料であるPRPPやIMPの合成酵素の働きが阻害されることを示しています。
ヌクレオチドの合成経路にはデノボ経路とサルベージ経路がありますが、塩基部分をゼロから作るデノボ経路は、プリンヌクレオチドとピリミンジンヌクレオチドで若干の違いがあります。
プリンヌクレオチドは、まず、糖と燐酸がくっついたPRPPという物質が作られ、そこにプリン塩基が10段階を超える化学反応を経て組み立てられていきます。プリン塩基を作る過程には、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、ギ酸、CO2、酵素が使われます。その様子が以下の図です。(この図は福岡大学理学部化学科ヌクレオチドの合成よりお借りしました)
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一方で、ピリミジン塩基は、最初にピリミジン塩基がグルタミン、アスパラギン酸、CO2から酵素の働きで合成され、そこに糖と燐酸がくっついたPRPPという物質がくっついて出来上がります。その様子が以下の図です。(この図は福岡大学理学部化学科ヌクレオチドの合成よりお借りしました)
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また、ヌクレオチドの分類には、DNAの材料になるデオキシリボヌクレオチドとRNAの材料となるリボヌクレオチドがあり、リボヌクレオチドからデオキシリボヌクレオチドが作られます。
核酸では、遺伝子DNAからRNAが作られ、RNAから酵素やタンパク質が作られますが、核酸(DNA、RNA)の材料になるヌクレオチドは逆で、アミノ酸や酵素から、RNAの材料となるリボヌクレオチドがつくられ、そこから、DNAの材料となるデオキシリボヌクレオチドが作られるのです。

List    投稿者 nodayuji | 2008-09-16 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

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コメント1件

 tsuji1 | 2008.11.05 5:13

原核と真核でアクチンとチューブリンの役割が逆転すると言う発想は面白いですね。
ただ、塗り重ね構造と反するのが気になるところです。植物細胞ではアクチンは細胞小器官の配置に役立っていたりするので、細胞分裂の際、もしくはその後の固定化になんらかの役割をはたしているのではないでしょうか?

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