2008-08-29

サルはマネしない!?

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画像はコチラからお借りしました。
初エントリーMASAMUNEです。
「サルマネ」ってよく聞くんですが、サルにとってマネは簡単にできるものじゃなくて訓練しないとできないらしんです。
しかも、マネする機能を強化することによってヒトは知能進化したのではないか?とさえ言われています。
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バイオメカニズム学会誌(vol.29,No.1 2005)より引用。
模倣はいかに進化してきたのか?-比較認知科学からのアプローチ-

「模倣」はヒトの知性を探るうえできわめて重要な鍵となる能力らしい。
実際にはサルは模倣しない。研究をすすめてみて驚いたことに、模倣はチンパンジーにとってもかなり難しいことがわかってきた。つまり、模倣は、われわれヒトの祖先がチンパンジーの祖先と枝分かれした後、およそ500万年前に比較的に獲得してきた、ことばに匹敵するほど重要な能力であるようなのだ。

では、ヒトはいつごろから模倣をはじめ、どのように模倣能力を発達させていくのだろうか。
メルツォフとムーアによる報告は、ヒトは生まれながらに、自動的に模倣できる能力をもつ可能性を強く示唆した。
彼らは、生後まもないヒトの新生児が、「舌の突き出し」や「口の開閉」など、他者の表情のいくつかを模倣できることを明らかにした。この現象は「新生児模倣」と呼ばれている。では、新生児模倣は、ヒトのみに備わった能力なのだろうか。私たちは、ヒトの新生児における実験と同一の手続きを用いて、チンパンジー、さらにはテナガザル、ニホンザル、リスザルの新生児を対象とした比較実験をおこなった。その結果、新生児模倣の明瞭な証拠がチンパンジーでは認められたが、その他の3種では観察されなかった。

さらに興味深いことに、チンパンジーの新生児模倣は、生後8週齢を過ぎる頃からは見られなくなった。こうした新生児模倣の消失は、ヒトの乳児でも報告されている。ヒトでは、生後6-8週頃にいったん模倣が見られなくなるが、その後8-12ヶ月頃より再び表情の模倣を行うようになる。
では、チンパンジーの表情模倣は、どのような発達的変化を遂げるのだろうか。新生児模倣の実験を継続した結果、チンパンジーは生後9ヶ月頃突然、模倣「らしき」反応を見せた。ただし、チンパンジーの反応は、ヒトで見られる模倣とは異なり、(モデルが唇を突き出せば、)モデルの口が唇部に自身の口唇部を接触させようとする、という特徴をもっていた。
チンパンジーがこうした反応を見せたのは1ヶ月程度だけであり、その後は、モデルの行為にほとんど関心を示さなくなった。

では、チンパンジーの模倣能力は、ヒトに比べてどのような点が制限されているのだろうか。私たちは、大人のチンパンジーの模倣能力を調べた。実験者がモデルとなり、物の機能に関係しない「無意味な」行為を、対面してチンパンジーに見せた。
その結果、チンパンジーは呈示した行為を、訓練なしに見ただけで再現する(模倣する)ことはほとんどなかった。
運動パターンが再現に及ぼす影響についてみると、なじみのある運動パターンは、なじみのない運動パターンに比べて、再現しやすかった。ただし、たとえなじみのある運動パターンであっても、模倣する頻度がとても低かったことは注目に値する。最後に見落とせない点として、チンパンジーの誤反応にははっきりとした特徴が見られた。それは、チンパンジーにとってこれまでの生活経験でなじみの深い物には、ある特定の運動パターンが固執敵にむすびつき、それ以外の運動パターンを柔軟にあてはめて再現することができなかったことだ。

これまで得られた結果をまとめてみよう。ヒトとチンパンジーにおいては、新生児模倣のレベル、つまり限られた「身体の動き」である表情の情報を処理する能力は、生まれた時点ですでに備わっているようだ。しかし、より複雑な「身体の働き」を含んだ物を操作する行為の情報を精確に処理する能力はチンパンジーではヒトに比べてかなり制限されている。
とくに「身体の動き」の情報しか含まない(物を操作しない)行為、例えばパントマイムなどは、模倣するのがとりわけ困難だと予測できる。ヒトの祖先は、チンパンジーの祖先と分岐した後、「身体の動き」だけからなる行為、つまり身ぶりを模倣する能力を飛躍的に獲得した可能性が高い。

ではなぜヒトは身ぶりを模倣できるようになったのだろうか。日常場面をふりかえってみると、ヒトは他者とコミュニケーションする際、言葉だけに頼るのでなく、他者の身ぶりを頻繁に模倣し、また同時に模倣されていることに気付く。他者の身体の動きに注目した模倣は、他社と同じ経験を忠実に繰り返すことを可能にする。その結果、自分の心と他者の心をしっかりと重ね合わせることができ、他者がなにを考えているのか、何を意図しているのか、といった心的状態を、他者の行為を観察するだけで読み取ることができるようになる。これは、自分が属する社会のメンバーと円滑にコミュニケーションするうえで、欠くことのできない能力である。このような身体の動きを利用した情報伝達が、言語に先立って成立していた可能性は高いだろう。

1990年代にリツォラッティらのグループが見出した「ミラー・ニューロン」は、模倣能力との関連において大変興味深い。このニューロンは、サルがある特定のものの操作をするときと、他者(ヒト)がそれと同じ操作をするのを見ているときの両方で同じように活動する。つまり、このニューロンの存在は、認知できる行為は実行できる行為であること、つまり模倣できることを示唆する。しかし、不思議なことに、サルがこうした行為を模倣できることを示す証拠はこれまでまったく得られていない。ミラー・ニューロンが果たすといわれている役割と、実際表に表れてくる行動とのギャップはあまりに大きい。果たして、ミラー・ニューロンは模倣能力と密接に関連するのだろうか。行動レベルで蓄積されたデータを、脳化学の分野から得られた成果と関連づけて、総合的に検討する必要がある。

「サルまね」ってよく言いますが、「身体の動き」の情報しか含まない(物を操作しない)行為、例えばパントマイムなどを模倣するのはサルにとって非常に困難なようです
引用元にもあるように、サルからヒトに進化していく過程で、ヒトは「模倣=真似る」という行為を発達させていったようです。:roll: 。
なんで模倣する能力を発達させたかというと、コミュニケーションをとるため。言ってしまえは共認充足を得るためです。
共認充足するためにはどうするか?というと、相手を自分と重ねて見て(同一視)、相手になりきり、相手の期待を捉えて応えていけばいい。その「相手になりきる」ために獲得した機能が「模倣」なのではないでしょうか?
サルからヒトになる過程で、共認充足のみを命綱とし、逆境を乗り越えてきたヒト特有の機能が「模倣」だとも言えます。
現代では「ヒトの真似はイヤだ!」なんていう方もいますが、それは間違い!
ヒトの進化の過程から考えてみると、真似をいっぱいして、充足+進化していくのが本来のヒトの生き方だと言えますね:D 。

List    投稿者 MASAMUNE | 2008-08-29 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 のだおじさん | 2008.10.11 20:17

レトロトランストランスポゾンのメチル化に関与しているsmallRNAがあるということは、レトロトランスポゾンもちゃんと制御されていると言うこと。
レトロトランスポゾンの役割は遺伝子の書き換えですから、遺伝子の書き換えも制御されていると言うことですね

 iwaiy | 2008.10.11 20:30

レトロトランスポゾンがどこまで制御されているかは微妙かもしれません。
いたちごっこになっているようにも思います。

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