2008-02-08

「脳」に関するブログの紹介

「脳」のテーマを、ブログ形式で扱うのは並大抵のことでは続かないようです。ネット検索してみて、なかなか見つからないので、あきらめかけていましたが、探せばあるものです。
そんな中から、力作のいくつかを紹介してみます。
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◆カウンセリングルーム:Es Discovery
 http://charm.at.webry.info/
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カウンセラーをするかたわら、その視点から見る「脳」をテーマに展開されてます。目ぼしいテーマを上げてみますと、
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脳の構成要素である“ニューロンの創発性”と行動の発現:
ニューロンの分類
http://charm.at.webry.info/200509/article_17.html
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脳の解剖学的構造と生理学的機能:脳と心の相関関係
http://charm.at.webry.info/200505/article_4.html
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理性的抑制と本能的欲望が葛藤する脳の構造:
『認識能力』と『行動制御』で構成される責任能力
http://charm.at.webry.info/200610/article_3.html
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視床下部と脳下垂体 -1
http://synch.at.webry.info/200510/article_13.html
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ポール・マクリーンの脳の三層構造仮説:本能~情動~知性の相補的な機能http://charm.at.webry.info/200506/article_5.html
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◆抜粋◆

ポール・マクリーンの脳の三層構造の仮説は、現代の最新脳科学では厳密なモデルとしての正確性はありませんが、脳の構造と進化の大まかな理解や認識を得るのには便利な仮説です。
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ポール・マクリーンの脳の三層構造説
1.爬虫類脳(reptilian brain)
進化の時間的過程において最も古い年代に発生した脳器官であり、自律神経系の中枢である脳幹と大脳基底核より成り立つ。
心拍、呼吸、血圧、体温などを調整する基本的な生命維持の機能を担い、爬虫類に特徴的な自分のテリトリー(縄張り)の防衛意識などを発生させる。
種の保存というよりも自己保全の目的の為に機能する脳の構造部位である。
2.旧哺乳類脳(paleomammalian brain)
爬虫類脳に次いで進化した脳器官で、海馬、帯状回、扁桃体といった“大脳辺縁系(limbic system)”から成り立つ。
個体の生存維持と種の保存に役立つ快・不快の刺激と結びついた本能的情動や感情、行動につながる動機を生起させる機能を担い、危険や脅威から逃避する反応、外敵を攻撃する反応を取る原始的な防衛本能を司る脳の構造部位である。
大脳辺縁系は、本能的に遂行される“種の保存の目的=生殖活動”を司る部位であり、自己の遺伝子を継承する為の情動的評価に基づく社会的活動や集団行動を行い、無力な子の育児や保護を行う母性的な欲動・本能の源泉でもあるとされる。
3.新哺乳類脳(neomam-malian brain)
最も新しい年代に発生した脳器官であり、大脳新皮質の両半球(右脳・左脳)から成り立つ。
言語機能と記憶・学習能力、創造的思考能力、空間把握機能などを中軸とする高次脳機能の中枢であり、ヒトと高等哺乳類において特に発達した知性・知能の源泉でもある。
マクリーンの仮説では、新哺乳類脳は、最も高次の階層構造として最も高度で複雑な情報処理を行う部位であるとされるが、大脳新皮質単独では高度な情報処理を行うことはできず、大脳辺縁系や脳幹、小脳などと相補的に協調し連動しながら高次な精神機能を実現していると考えられる。

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◆科学的世界観のblog
 http://nbsakurai.exblog.jp/
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力作ですが、休眠中です。
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科学的世界観のBlog の 目次
http://nbsakurai.exblog.jp/
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*書籍の紹介記事ですが、脳進化を概観するのに
 有用そうですので紹介しておきます。
   ↓   ↓   ↓
115 脳の進化の歴史
http://nbsakurai.exblog.jp/3115806

『EQ ― こころの知能指数』 
ダニエル ゴールマン 土屋 京子 講談社
P29
 何百年にもわたる生物の進化の歴史のなかで、脳は原始的な部分の上に進化した脳を建て増しする形で発達してきた。(中略)
(脳幹-生命維持の脳)
 脳のなかで最も古い部分は脊髄の上端をとり巻く形をした脳幹で、ひととおりの神経系を持つ生物種にはすべて共通に備わっている。脳幹は呼吸や代謝など生命維持の基本にかかわる機能を調節し、またあらかじめ決まっている反応や動作をコントロールしている。この原始的な脳は、考えたり学習したりする機能をもたない。むしろ、生命を維持し命を守るのに必要な機能をあらかじめ決められたプログラムに従って調節するのが、脳幹の役割だ。爬虫類の時代には、この脳が主役だった。(中略)
(大脳辺縁系-情動の脳)
 情動の脳の原点は、においを認識する嗅葉と呼ばれる部分だ。(中略)
 嗅葉から情動を支配する脳の最初の部分が発生し、やがて脳幹の上端をとり巻くほどの大きさになっていく。初めのころ、嗅葉はニューロンが二、三層重なった程度の簡単な構造だった。一段目のニューロンがにおいを感じ取り、食べられるものか毒か、性行動の対象になりうるのか、敵なのかえじきなのか、弁別する。そして二段目のニューロンが神経系を通じて全身にメッセージを伝え、食いつく、吐き出す、近づく、逃げる、追いかける等の反射行動を命じる。
 原始哺乳類の登場とともに、情動を支配する脳に大きな変化が起こった。新しい脳は脳幹をとり巻くドーナッツのように発達し、下のほうに脳幹の先端がはいりこんだ格好になっている。脳幹の周囲を縁どる形状から、この脳を「大脳辺縁系」と呼ぶ。大脳辺縁系によって、脳は独自の感情機能を持つようになった。強い願望や怒りで頭がいっぱいのとき、恋に目がくらんでいるとき、恐れおののいて後ずさりするとき、行動を支配しているのは大脳辺縁系だ。
 大脳辺縁系は、進化するにつれて「学習」と「記憶」の能力を向上させていく。この二つの能力が革命的に発達したおかげで、哺乳類は生死を分ける場面で適切な選択ができ、周囲の変化に対していつも決まった反応ではなく、少しずつ対応を工夫して適応できるようになった。(中略)
(大脳新皮質-思考する脳)
 今から約一億年前、哺乳類の脳は一気に大きく成長した。計画し、知覚したことを理解し、身体の運動を調節する動きを担っていた二層の薄っぺらい皮質の上にあらたに何層もの脳細胞がつけ加わって、大脳新皮質ができたのだ。(中略)
 進化という観点から見れば、大脳新皮質を得ることによって生体は逆境を生きのびるための微調整が格段にうまくなると同時に、そうした有利な神経回路を子々孫々に伝達できる可能性が大きくなる。人間のサバイバル能力が向上したのは、作戦を練ったり長期的な計画を立てたりできる大脳新皮質を得たからだ。芸術や文化・文明の開化も、すべて大脳新皮質のおかげだ。
 大脳の発達は、人間の感情にさまざまなニュアンスをつけ加えることになった。(中略)
 爬虫類からアカゲザル、そして人間へと系統発生図をのぼっていくにつれて、大脳新皮質は大きくなっていく。それとともに、脳の神経回路の結びつきも幾何級数的に増加していく。脳の神経結合が多ければ多いほど、生体が選択しうる反応の種類も多くなる。大脳新皮質の存在によって、たとえば自分自身の感情について何か感じるというように、人間の感情の動きは一層微妙で複雑なものになった。大脳新皮質と辺縁系の連絡は霊長類が最も稠密で、なかでも人間の脳は他とは比較にならないほど発達している。だから、私たち人間はさまざまな感情に対して他のどの動物よりも多様で複雑な反応を示すのだ。(中略)
(大脳新皮質と辺縁系)
 けれども、大脳新皮質はすべての情動を支配しているわけではない。情動にかかわる非常に重要な問題が起こったとき、特に緊急事態が起こったときには、辺縁系が新皮質を押さえ込んでしまうのだ。大脳新皮質の多くの部分は、辺縁系から派生したり拡大したりする形で発生している。つまり、神経回路の構造から見ると、情動を支配する脳が決定的な部分を握っているわけだ。系統発生的に根っこに近いぶんだけ、情動を支配する脳は大脳新皮質のあちこちにつながる無数の回路を持っている。そのため、情動は思考をつかさどる新皮質を含む脳全体の働きにとてつもなく強い影響力をおよぼすことができるのだ。

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◆進化を考える・もう一つの脳
http://cell-brain.cocolog-nifty.com/p4/2007/05/index.html
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ブログというには、超大作のものです。
日を追って読み進むには、追いつかないほどのものを展開されてます。
饒舌で論理簡潔性に欠けますが、「細胞脳」という発想は面白そうです。
但し、細胞のDNAを「細胞膜の認識機能?」に置き換えれば・・・ですが。
by びん

List    投稿者 ayabin | 2008-02-08 | Posted in 未分類 | 4 Comments » 

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コメント4件

 医者嫌い☆ | 2008.03.06 21:52

はじめまして☆
記事とは少しズレるかもしれませんが、抗体を体が作る前に、
病院に行ったりして、抗生物質を投与したりする場合って、
体はもう、抗体を作らないってことなんでしょうか?

 わりと淡白な人 | 2008.03.06 21:55

DNA組み換えをして、獲得した抗体って、
後世に受け継がれるんですか?
現代人って、年々弱体化しているようなイメージがあって、
そんなに強い抗体が受け継がれているイメージもなくて、、、、
やっぱり、進化には長い年月が必要なのかなぁ~

 arinco | 2008.03.08 12:42

医者嫌い☆さん。こんにちわ。
 体が抗体をつくる前に抗生物質で敵を倒してしまうと原理的に言っても作らないのだと思います。むしろ抗生物質には副作用、つまり正常な細胞を殺してしまう作用もあります。
 抗体は作れない、細胞は壊す。そう考えるとなにげなく飲んでいる抗生物質も考え物ですね。
 ちなみに、日本人は、胃が痛くなるとすぐ胃薬を飲みますが、それがむしろ胃を弱らせていっていると聞いた事があります。

 arinco | 2008.03.08 12:46

わりと淡白な人さんこんにちわ。
 僕の知る限りでは、後世には、受け継がれません。(もしかしたら長い年月では受け継がれる部分もあるかもしれません)受け継がれるのは、あくまでもその「仕組み」ですね。逆に受け継がない事で変わりゆく外圧に適応してするのではないでしょうか。
 抗体は外圧を受ける事でつくられるものですから
現代人が弱くなっているのも当然なのでしょうね。

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