2008-01-27

両生類から哺乳類への卵の進化

ってどのように進化してきたのでしょうか?
卵生の生物と胎生の生物はどこで別れたのでしょうか?

その謎に迫るべく、もうしばらくにこだわってみたいと思います。
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●両生類から哺乳類にいたる進化系統樹

              ┏━単弓類━━━━━━━━━哺乳類
両生類━有羊膜類━┫
              ┗━双弓類━爬虫類・(恐竜)・鳥類
                (竜弓類)

両生類から、有羊膜類が分岐し、さらにそれが単弓類と双弓類(竜弓類)に大きく分かれた。単弓類と双弓類(竜弓類)への分岐が起こったのは、3億年前の石炭紀くらいである。

有羊膜類というのは、卵に羊膜を持つ仲間。羊膜というのは、胚体を囲む膜のことで、中に羊水を満たしており,胚体を乾燥や温度の急変、機械的衝撃などから守る役割をしている。

有羊膜類の双弓類(竜弓類)から爬虫類と恐竜、鳥類が進化(恐竜は絶滅)し、単弓類から哺乳類が進化した。

●各々の卵の特長
■両生類の卵
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<カエルとその卵:ウィキペディアより引用>

・水中で産卵
。卵は水中の酸素や養分を取り入れるためのゼリー状の物質で保護されているだけ。特に膜らしきものや殻はない。
○カエル
・たいていの種が水中に、ときには水草に付着させて産卵する。陸上のしめった場所に産卵するものや、卵を両親どちらかの体に付着させるものもいる。
○イモリやサンショウウオ
・水生種はふつう水中に産卵する。陸生種は、湿った地面に掘った穴に産卵するのが普通だが、卵胎生のものもいる。

■爬虫類の卵
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<ウミガメの卵:リンクリンクより引用>
・ほとんどの爬虫類は、陸上で産卵。地面に掘った穴に卵を産むか、地中の浅い所に卵を埋める。日光で卵を温める
・卵は、ふつう革のような膜構造におおわれている。膜構造は、羊皮紙の層のように薄いものから、鳥の卵に似た厚い殻までさまざまである。卵はすべて多量の卵黄を含んでいる。殻の中に羊水が入った袋があり、その中に子が包まれている。
○ヘビ
・およそ3/4は卵生。残り(マムシ・クサリヘビ・ボア・ウミヘビなどの一部)は卵胎生で、卵は輪卵管内で発育し幼蛇となって産まれる。卵の殻は皮のように柔らかいものが多い。
・ニシキヘビは抱卵する。
・マムシなどの卵胎生のヘビの子は、殻ではなく、膜に包まれて育つ。出産の時には膜ごと誕生する。生まれた後、自力で膜を破って外へ出る。
○トカゲ
・卵は皮のように柔らかい殻。ほとんど成長しきった卵を産み、卵が産みつけられるとすぐに、幼体が軟らかい殻を破って外に出てくる場合もあれば、母親の卵管で卵が孵化する場合もある。
○ワニ
・全て卵生。砂地を掘って卵を産んだり、母ワニが造る草木を積み重ねた巣に産んだりする。後者のような巣では、発酵した植物の腐敗熱が卵の孵化を助けている。抱卵する例もわずかにみられる。
○カメ
・全て卵生。砂地に穴を掘って卵を産む。卵の殻が硬いものと、皮のように柔らかいものがある。殻が固いものは、かなり強固な石灰質の卵殻を備えている。大きな卵白がある。ウミガメやカワガメの卵は柔らかい。膜でおおわれている。

■鳥類の卵
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<ニワトリの卵:リンクより引用>
固い卵殻をもつ。卵殻は主に炭酸カルシウムから成る多孔質の殻で、外部から酸素を取り込み、胚の呼吸によって生じた二酸化炭素を放出できるようになっている。卵殻の内側には卵殻膜と呼ばれる薄皮がある。固い殻は抱卵する親鳥の体重から卵を保護する。ツカツクリを除き、全ての鳥は自分の体温で卵を温める
原基卵黄のほかに、タンパク質の塊である卵白を含んでいる。卵白は、雛(ひな)の発生に必要な補足的な栄養源である。

■卵生哺乳類の卵
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<カモノハシ:リンクより引用>
・卵を体外に産みつける。羊皮紙のような薄い殻と多量の卵黄をもつ卵を産む。
○カモノハシ
・メスが巣穴の中で抱卵。曲がりくねった長い巣穴で暮らすが、巣穴は河岸にメスが掘ることが多い。巣穴は、外敵の侵入や洪水を防ぐために、ところどころ泥でふさがれている。
○ハリモグラ
・自分の育児嚢の中に卵を産む。生まれた子は、トゲが生えはじめるまで、そのまま育児嚢の中で生活する。育児嚢を出た後は、子は母親から乳をもらう。
・穴を掘るのは非常に巧みで、岩の裂け目や丸太の穴の中にもぐりこむ。

●卵の進化

両生類は水中に産卵するが、有羊膜類は陸上に産卵する。羊膜ができることによって、乾燥に耐えて発生を進ませることができるようになった。

同じ有羊膜類でも双弓類と単弓類では卵の進化が全く違ってくる。双弓類の多くは固い殻を獲得してゆく。最も進化した鳥類では、固い殻であることに例外はない。それに対して、単弓類は現存する卵生哺乳類から類推して軟らかい膜のままであったと考えられる。単弓類は、哺乳類に進化してゆく過程で胎生を獲得してゆくが、おそらく、胎生は軟らかい膜の卵生から進化したものであろう。(固い殻の卵生から胎生に進化するとは考えにくい。)

おそらく、胎生を獲得した哺乳類の先祖は、双弓類に比べると弱者であったのであろう。双弓類は固い卵殻を獲得して地上を制覇していったが、哺乳類の先祖は穴ぐらや土中に隠れ棲むしかなかった。地上で産卵することができない弱者であったがゆえに、軟らかい膜のまま産卵するという戦略をとったのではないか。しかし、逆にそのことが、寒冷化が進む時代に胎生を獲得することに繋がったのではないだろうか。

次回は、卵をつくる機能がどのように進化していったかを見てゆきます。お楽しみに!

List    投稿者 fkmild | 2008-01-27 | Posted in ①進化・適応の原理3 Comments » 

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コメント3件

 さんぽ☆ | 2008.02.22 3:04

「記憶」できるっていうのすごい!
確か、粘菌の特性を生かした「粘菌コンピュータ」というものの研究が進んでいるとの話を聞いたことがあります。
粘菌って、不思議な生物ですね。

 風と雲の郷 | 2008.02.23 17:17

これが粘菌ですか。話には聞いていましたが、写真を見るのは初めてです。一度実物をこの目で見てみたいものです。

 ないとう@なんで屋 | 2008.02.25 0:20

>さんぽ☆さん
粘菌コンピューター(!)初めて聞きました。
粘菌のような生物でも、人間世界で再現しようとすると、世界中の化学工場を同時に動かしても、まだ足りないくらいの処理を一瞬でしてしまうそうですよ。
学ぶことはまだまだありそうですね。
>風と雲と都さん
切り株とかに生えているコケというかカビのようなものが粘菌だそうです。森か林に入れば、すぐに見つかるそうです。この生物を最初に研究したのは、南方熊楠という日本人だそうですが、不思議な生物に目をつけるものですね。

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