2007-10-11

なんでや劇場「有性生殖へのみちのり」レポート③ 有性生殖の起源とは

レポート②に引き続いて、9/30に行われた「なんでや劇場」での気付きを報告していきます。今日はその第3弾として、有性生殖の起源をまとめてみました。
有性生殖というと難しく聞こえますが、ある細胞とある細胞が合体して少し違う細胞を作り出す、というように理解すれば解り易いと思います。
これは人も同じですよね。
お父さんの精子とお母さんの卵子が合体して子供が生まれる。顔つきも骨格も親とよく似ているけれども少し違う。何故少し違うかというと、それは両親の遺伝子を少し組み換えているからなんです。
つまり有性生殖とは細胞同士が合体し各々の遺伝子を組み換え同類他者の細胞を作り出すために行われているといえます。
ではそのような有性生殖が何時から行われてきたのか?というと、それは真核単細胞生物まで遡ります。
有性生殖の起源は真核単細胞生物の接合(合体)→減数分裂の仕組みを獲得したことに始まります。その後多細胞生物段階で生殖細胞と体細胞の分化がおこり、オスメスの分化がおこり、その後哺乳類、人類へと進化していくほどにオスメスの役割分化は加速されていきます。
性って何なん?という疑問は私たちにも身近なテーマの一つですが、この合体→減数分裂の仕組みにどうやらその答えがあるようです。

 にほんブログ村 科学ブログへ


ます、何故真核単細胞生物は合体→減数分裂の仕組みをつくりだしたのか?
からみていきたいと思いますが、そこには生物全般に共通する適応原理があります。
種として存続していく為には安定的に同類を作り出していく必要があります。つまり元の細胞と変わらない細胞を作り出すことが必要です。お父さんとお母さんから猫や魚が生まれてしまっては人類が滅びてしまいますもんね。
しかし環境は常に変化し続けるものなので、全く同じコピーを作っているだけでも滅びてしまいます。変化する環境に常に適応するためには変わり続けることも必要です。
つまり外圧に適応する為には、変わらないこと変わり続けること、という相矛盾したことが求められているのです。
真核単細胞生物はまさにこの相矛盾したことを求められました。
原核単細胞から真核単細胞に進化を遂げた事によって、真核単細胞は多様化した各組織の統合と、その仕組みを正確に分裂させ子孫を残す必要に迫られます。そこで獲得した仕組みが有糸分裂です。(前投稿のレポートを参照してください)
有糸分裂によって真核単細胞は原核単細胞に比べて格段に変わらない事を獲得することができました。
しかし先ほどのべたように生物とは変わり続けることも同時に求められています。栄養枯渇時や環境悪化時には変わる必要がある。そこで獲得した仕組みが合体です。そしてその合体した細胞がお互いの遺伝子を少しずつ組み換えて少し変化した細胞を作り出す仕組みが減数分裂です。
このようにして真核単細胞は、有糸分裂という不変性の獲得を基盤にして、合体→減数分裂という可変性の仕組みを得たことで、意図的・システム的に変わらないことと変わり続けることを両立させていきました。原核単細胞が登場してからここまで約20億年の道のりがあります。その後このシステムに生殖細胞と体細胞の分化、オスメスの分化を塗り重ねることで進化し、私たちに繋がっていきます。
不変性と可変性の両立。
可変性の獲得というのは不変性の獲得を基盤にして行われている。

これって現代にも通じますよね。
私たち現代の企業でも新しい開拓を行う時は失敗しても生き残れるように安定した事業基盤を土台にして組立てられていたり・・・
仕事場面でも、内容を更新し塗り重ねていく時は必ずコピーをとり、何時でも立ち戻れるように原図は残しておく・・・
真核単細胞に仕事の教訓を教わったような・・そんななんでや劇場でした。
今日のまとめはここまで。
ご拝読ありがとうございます 😀

List    投稿者 nannoki | 2007-10-11 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2007/10/306.html/trackback


コメント1件

 ブログ de なんで屋 @東京 | 2007.11.09 21:24

行ってきました!白門祭☆

白門祭記事盛り上がってますね!
今回はお手伝い代表として、いろんな露店に参加させてもらっている私、さちが記事を書かせてもらいます。
私は学園祭最終日に…

Comment



Comment