2007-10-10

なんでや劇場「有性生殖へのみちのり」レポート② 無性生殖の高度化(有糸分裂の仕組みとは)

今週は、9/30に行われた「なんでや劇場」での気付きを、順を追う形で報告していきます。今日はその第 弾として、『無性生殖の高度化(有糸分裂の仕組み)』を生物素人 向けにまとめてみました。
まず一番の驚きは、原核単細胞よりも、真核単細胞は、正確に2分割する仕組み・機構を持っている。ということ!
そもそも、細胞分裂といえば、アメーバだろうが人間だろうが、みんな同じように2等分されていると思っていたくらいの素人 なので、純粋に驚きました
ではまず、原核単細胞の分裂の様子を大雑把に説明してみましょう。
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原核単細胞の分裂
 分裂に向けて、核がコピーされて2倍の量に増えます。
 分裂リングが細胞の中央部分に登場します。
 分裂リングが、きゅ~っと細胞を絞って、
 ぷちんと2つに分割されます。
イメージとしては、こんな感じです。
参考に、こちらをご覧ください。分裂リングによる分裂の様子 関連サイト
大体同じ内容量の細胞が2つ出来上がっているのが分かると思います。
もちろん、ここでは細胞の気持ちとしては(気持ちはないんだけど )、当分に2つ に分けるつもりでいます。が、如何せんそれぼど正確に分裂できるとも限りません。
原核単細胞の分裂というのは、例えて言えば、あんこがいっぱい詰まったお饅頭 を、糸 で絞めて真ん中辺からぶちっとふたつに分けた感じです。
もちろん、大体2個同じ量のあんこが入っていることになっていますが、厳密にはそうでないかもしれません。(むしろ、しばしば同じでない状態になります。)
何だかとてもいい加減な 話をしているようですが、この曖昧さが、原核単細胞のいいところでもあります。
例えば、細菌やウィルスが、次々と新しい種を作り出すことが出来るのは、この不正確さを利用しているわけです。
簡単に言えば、原核単細胞は、適当に2つ分かれるので、時には別物になったり死んだりします。別物になることを、「ウイルスが進化した」なんて言うように、原核単細胞にとっては案外へっちゃらなことなのです。
つまり「原核細胞なのに、厳格じゃない!?」
…で、次に真核単細胞の分裂を見てみましょう。
この分裂は、原核単細胞とは違ってきっちり2つに分かれます。その必要があり、また同時にその仕組みを兼ね備えているからです。
まず、きっちり分かれないと困る事情から説明します。
真核単細胞の内部には、ミトコンドリアや、葉緑体や、小胞体・ゴルジ体や、何やらかんやら沢山の器官があります。それぞれが勝手に働くわけにもいきませんので、誰かが統合しなくてはなりません。その役割を担っているのは、言わずもがなDNAの入っている核なのですが、この司令塔である核の情報をきっちり2つに分けておかないと、統合の機能がうまく果たされないわけです。
原核単細胞よりも多機能な真核単細胞にとっては、きちんと2つに分かれ、過不足無く統合機関が分離することが、重要なことなのです。
では、一体どういう仕組みで、きっちりとした2等分がなされているのでしょうか。
有糸分裂という仕組みは皆さん聞いた事があるかもしれません。実は、この有糸分裂が、きっちりとした2等分を実現させているのです。
有糸分裂は、原真核細胞(核+ミトコンドリア)に運動性スピロヘータが共生したことにより、可能になったと考えられています。
微小管や動原体や紡垂体といった器官は、全て、この有糸分裂=2等分に役立っています。
では、大雑把にどんな手順で分裂するか追ってみます。
 まず、分裂に備えて、ミトコンドリアなどなどの内部器官を2倍にする。
 最後にDNAを2倍にする。
 あとは、理科の授業でもお馴染みの有糸分裂によって、キレイに2個に分裂する。
有糸分裂については、分かり易い図解入りのサイトを見つけたので、参照してくださいね。)
 
要は、細胞内で2極からDNA(染色体)を引っ張り、端に引き寄せるのですが、そのおかげで、染色体を途中でぷちんと切断してしまうこと無く2等分できるのです。
またお饅頭 に例えてみましょう。ちょっとあり得ない話ではありますが、お饅頭の皮の中で、皮を切断することなくあんこを先に2等分するという技を編み出したわけです。つまり、各々のあんこをお饅頭の中でちゃんと端っこに寄せておいて、あんこのない部分に包丁をすとんと入れて2つに分割する、といったイメージです。(こうして考えると、すごく画期的!)
今日のまとめはここまでです。
ご拝読ありがとうございました☆  (内野をつとめたザッキーでした)

List    投稿者 zakky | 2007-10-10 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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