2007-08-16

ちょっとした化石の発見が簡単に定説を覆すのが人類学の世界

どうも雅無乱です。

人類史の定説を覆す発見があったようですね。

2種類の人類祖先が同時期に存在か ケニア北部で定説覆す化石発見
(2007年8月9日 中日朝刊)
http://www.chunichi.co.jp/article/world/news/CK2007080902039665.html
pic-04-02-2.jpg
※画像は群馬県立自然史博物館のHPより
http://www.gmnh.pref.gunma.jp/demeter/demeter4-02.html

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2種類の人類祖先が同時期に存在か ケニア北部で定説覆す化石発見
 ケニア北部で、いずれも約百五十万年前のものとみられる二種類の人類祖先の化石を発見したと、英米などの国際チームが九日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
 二種類のうち一方は猿人と原人の特徴を併せ持つホモハビリス、もう一方は原人ホモエレクトスとみられる。現在、人類はこの二百万年の間に、ホモハビリスからホモエレクトスに進化、さらに現代人のホモサピエンスになったと考えられている。今回の発見で、ホモハビリスとホモエレクトスは同時期にほぼ同じ地域で暮らしていたことになり、定説の見直しが迫られるという。
 チームは二〇〇〇年、トゥルカナ湖東岸で上あごと頭骨の化石を発掘。上あごには六本の歯があり、犬歯や臼歯の形状からホモハビリスと判断した。地層の火山灰から百四十四万年前のものとされ、これまで百六十五万年前までとされていたホモハビリスの存在時期を二十万年以上更新した。
 頭骨は頭頂部やあごとの結合部の形状などから百五十五万年前のホモエレクトスと判断された。
 この結果、ホモハビリスとホモエレクトスは五十万年間、ほぼ同じ地域で生きていたことになり、チームは「ホモエレクトスはホモハビリスから進化したのではなく、共通の祖先から分かれたのだろう」としている。(2007年8月9日 中日朝刊)


もともとロブソトス猿人(顎の発達した根菜食の猿人の一種)も、100万年前くらいまでは生きていたという痕跡が残っており、この時期には何種かの人類が生まれては消えということを繰り返していたと思われます(化石が見つかってないだけで、ほかにもいたりするのでは?)。

当時の人類は、まさに死ぬか生きるか、絶滅するか生き残れるかのギリギリのところで生きており、「身体的特徴」では適応には何が幸いするか何が災いするか分からない状況だったのではないでしょうか。おそらく、共認機能が有効に機能する集団形態を採りえて、それを基盤に状況を自在に掴んで柔軟に対応しえた人類の種だけが生き残っていったのでは?

身体的特徴だけ見るならば、現代人より背が高く俊敏だったと思われる種も絶滅したりしているようです。

たまたま見つかった化石だけを並べて、現代人につながる身体的特徴を指標にして系統樹を描いているから、「ホモハビリスからホモエレクトスが進化した」という誤った定説が生まれたものと思われますが、実はこの時期、まさに人類はさまざまな試行錯誤を行っていて、身体的特徴についてはかなり多様な種が存在していたのではないでしょうか。

しかし、少数の化石の発見が簡単に定説を覆してしまうほど、実は人類史というのはまだまだ何も分かっていないのだ、とあらためて思いました。

List    投稿者 nanbanandeya | 2007-08-16 | Posted in 4)サルから人類へ…1 Comment » 

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コメント1件

 匿名 | 2007.09.11 16:33

西谷さんの論理(というのもどうかと思うような代物ですが)は性決定機構の進化を考えると明らかにおかしいでしょう。それからもう一ついいことを教えてあげます。以下のリンク参照。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=10949301&dopt=AbstractPlus

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