2007-08-03

分裂と生殖の秘密4:多細胞生物(動物)に進化し得たのが2倍体真核生物だったのはなぜ?(7/22なんでや劇場のまとめ)

 原始的な真核単細胞生物(ゾウリムシなど)は、それまでの単細胞生物と同様、細胞分裂(=無性生殖)と、減数分裂を伴う遺伝子組み換え(=有性生殖)の両方の過程を持っています。
 
それに対して、その後登場した多細胞生物(動物)は、真核細胞で成り立っていて、生殖は、もっぱら減数分裂を行う生殖細胞(=有性生殖)によって行います。
 
人類を含めた動物は、みな同じシステムを持っていますが、ではなぜ、こうしたシステムを持つ生物のみが進化し得たのでしょうか?
 
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 単細胞生物や植物と比較して、動物は、その名の通り、優れた身体機能こそが生きのびる上で決定的に重要になりました。早く走ったり、空を飛ぶことで他の動物を補食したり、補食されることから逃れています。
 
それを実現しているのが、骨、筋肉、内臓、血液、脳や神経など、徹底した体細胞の機能分化でした。
 
多細胞生物が、単細胞生物よりはるかに複雑な構造を持っているにも関わらず、運動機能において単細胞生物を凌駕しているのは、それを実現するため極めて専門的に機能分化した細胞を持っているからとも言えます。
 
それら細胞を専門機能に特化させるためには、核=DNAをコンパクトにまとめて安定性・保存性を向上させ得る真核細胞こそが不可欠だったでしょう。(例えば、強い骨、強靱な筋肉などは原核細胞では実現できないと思われます)
 
機能分化したという点では生殖細胞も例外ではありません。
 
体細胞は、専門的な機能を実現するため、分裂時のエラーは最小化されているので、多様化を実現するための生殖細胞の変異可能性(=厳格な2倍体であること)は、原核生物と比較すると、むしろ重要なものになっています。(もちろん、全体としての機能は持続させた上で、ですが)
 
体細胞には真核細胞、その維持には分裂(=無性生殖)のシステムを利用し、生殖には減数分裂(=有性生殖)のシステムを利用しているのが、今日見られる動物の姿と言えます。他のシステムで、今日の動物のような複雑なシステムを実現するのは不可能だったと言えるでしょう。
 

List    投稿者 blogger0 | 2007-08-03 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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