2007-07-25

精子や卵子と体細胞との違い?

私たちの体は、元をたどれば、精子と卵子というたった一個づつの生殖細胞が受精してできたもの。
それが60兆個もの体細胞に分裂して、私たちの体はできあがっている。
考えたら不思議ですよね。

精子や卵子といった生殖細胞はどのようにしてつくられるの?
一般の体細胞とはどこが違うの?

Sperm-egg.jpg
<受精の瞬間:ウィキペディアより引用>

これが分かれば、雌雄分化の起源についても手がかりが得られるかも知れません。
前の7/24のエントリーを受け、始原生殖細胞がどのように精子や卵子になってゆくかから考察してみます。

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●精子がつくられるプロセス
精原細胞→第一次精母細胞→第二次精母細胞→精細胞→精子
 clip_image002.jpg
                                                            <リンクより引用>

精巣の中で、始原生殖細胞(受精後すぐに体細胞と分化した生殖細胞のもと)は精原細胞になる。精原細胞は生殖適齢期になると、絶えず分裂して、精原細胞のストックを作るとともに、次の段階へ移行する幹細胞となって行く。

次の段階へ移行できる精原細胞は、さらに分裂して第一次精母細胞になる。はじめは核も細胞質も小さいが、時間をかけて成熟し、核が大きくなる。成長した精母細胞は、減数分裂Ⅰによって、2個の第二次精母細胞となり、つづいておこる減数分裂Ⅱによって4個の精細胞になる。精細胞は減数分裂の結果、一般の体細胞よりも核も細胞質も小さくなる。

造精細胞にピタリと寄り添って※セルトリ細胞があり、精細胞はセルトリ細胞の細胞質内に頭を突っ込んで変態を始める。そして、精細胞は細胞質を失い、先体、ミトコンドリアの詰まった中節、尾を備えた精子となる。

※セルトリ細胞というのは、造精細胞が精子になるのを助ける細胞。中胚葉由来の細胞で、精細管の壁から立ち上がるように間隔を置いて配列されている。核に切れ込みがあり、細胞の区画がはっきりしない。造精細胞へ栄養補給を行ったり、細菌等の外敵から造精細胞を守ったり、体細胞が造精細胞を異物と認識して攻撃するのを防いだりする役割を担っている。

●卵子がつくられるプロセス
卵原細胞 → 第一次卵母細胞 → 第二次卵母細胞 → 卵

卵形成も、精子形成と同じように進むが、卵は精子のように変態しないので、第二次卵母細胞は減数分裂Ⅱの過程で卵になる。ただし、卵形成は精子形成のように一気には進まないし、卵原細胞から4つの卵が形成されることは無い。ここが卵形成の特殊な点である。
<以上リンクを参考、引用>

●精子や卵子といった生殖細胞が一般の体細胞と違うポイントは、大きくは以下の点だろう。
受精後すぐに体細胞の系列と分化するが、生殖腺(精巣、卵巣)に収まると、生殖適齢期になるまでは休眠している。
②生殖適齢期に達すると活発に活動するが、減数分裂によって、二倍体細胞から一倍体細胞に変わる

生殖細胞系列と体細胞系列が、受精後すぐに分化する(体細胞がある程度成長してから体細胞の器官から分化するわけではない)のは、雌雄分化が生物進化上、極めて根源的な位置にあることを示唆しているのではなかろうか。

受精できるようになるのに、生殖細胞が二倍体から一倍体に変わるのは、二倍体のままでは四倍体になってしまって、二倍体の体細胞にはならないから当たり前のようにも思えるが、減数分裂の際に遺伝子の乗り換えによって、遺伝子の組み合わせが組み変わるというのが注目点である。

体細胞は、多細胞生物で高等になればなるほど、分裂によって多様な器官に分化してゆく。どの遺伝子がどのように発現するかで、細胞の多様性も生まれてくるが、遺伝子の組み合わせそのものが変わるものではない。それに対して、生殖細胞の受精(⇒減数分裂)による遺伝子組み換えの多様性は、比較にならないくらい大きい。オスとメスの遺伝子の組み合わせの多様性は級数的で天文学的な数字になる。仮説になるが、おそらく、生物は外圧へ適応する変異多様性を飛躍的に増大させるため(⇒それを担保するため)に、未分化のままの状態で生殖細胞と体細胞とを専門分化させたのであろう。(体細胞がある程度成長してから分化したのでは、変異多様性が小さくなる。)そして、そのような生殖細胞と体細胞の専門分化は、生物進化の根源的な段階で起こった。だから、生殖細胞系列は受精後すぐに体細胞系列と分かれるというシステムになっているのではないだろうか?

List    投稿者 fkmild | 2007-07-25 | Posted in ①進化・適応の原理6 Comments » 

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コメント6件

 匿名 | 2007.08.19 14:19

>なぜ、個体や細胞や高分子が‘意図ある計画者’ではありえないのか。なぜそれらに自律性があってはいけないのか。科学が神の手の創造を排除したついでに、生命物質系からあらゆる主体性を否定し去ったのは、どのような根拠に基づくのか。
 意図ある計画者であるという証拠がないからでしょう。在野の人はこういうことが気楽にいえるのです。プロはそうはいかない。ただそれだけのことですよ。

 たぬ= | 2007.08.20 16:58

こんにちは。上の方とかぶってしまいますが、
>なぜ、個体や細胞や高分子が‘意図ある計画者’ではありえないのか。なぜそれらに自律性があってはいけないのか。
いけないことはないです。ただ、そう主張する根拠がないと言うだけです。根拠がない物は存在しない物として扱うのが科学のルールです。牧野氏のその本は読みましたが、彼の批判や主張の根拠になっているのは何らかの「事実」ではなく、彼の哲学や宗教観です。しかし哲学を元にした議論は科学的議論とは言えません。
まさに5/9のエントリで仰っているように、
>だから批判だけに終わらず代わりの仮説を出して欲しい。
を牧野氏に向けて発するべきでしょう。

 yama3 | 2007.08.20 22:44

牧野氏は科学的であろうとすることを否定している訳では勿論、ありません。そうではなくて、神学を否定して=科学的であろうとする結果、逆説的にネオダーウィニズムがドグマ化していることに疑問を提起しているのです。そして、「近年のDNA科学やタンパク質科学が明らかにしつつある、生体高分子の驚くべき相互認識能と自己組織化能」に注目すべきという「仮設」を提起しています。私は、この方向こそ、行き詰った進化論の突破口だと考えます。
例えば福岡伸一先生もこのような考察をしておられます。
ジョージ・パラディが私たちに残した宿題はこうである。
「物理化学的にはきわめて安定的で不活性ですらある細胞膜が、生物学的には何故かくもダイナミックかつ高速に変化変形しうるのだろうか」
この問に対して‘観念的に’答えるのは簡単である。細胞膜の内や外、あるいは周縁には目に見えない精霊が飛び交っており、彼ら彼女らが膜をくびれさせ、さらにはくっつけているのである、と。
ではこの問いに対して‘実在論的に’答えるにはどうしたらいいか?・・(中略)・・つまり精霊たちが結び合う手とは、すなわちタンパク質の形なのであり、生命現象が示す秩序の美は、ここでも形の相補性に依拠しているのである。
「細胞膜の持つ活性=力は形そのものがつくりだすのだ」という結論ですが、そこで福岡氏は生命の持つ神秘そのものを否定はしません。生命の持つ力、ダイナミズムを‘精霊信仰的な直感で’認めた上で、その実在論的な追及を続けます。
このような生命に対する驚きや畏怖を持って、事実を追及するというスタンスが生物学の、そして進化論の基本なのではないか?と私は考えます。

 一般法則論者 | 2007.08.21 3:07

 ドーキンスを初め、普通多くの人たちがその存在を否定するのは、人類史が始まってから宗教と共に発明された神のことです。
 この意味の神を研究対象にしているのは、宗教学や文化人類学や社会学。
 この意味の神は、ヒトが発明したものですから、最初から天然自然の中には存在していません。
 天然自然の中に存在していない神を、科学者が扱いようが無いのは当然です。
 http://blog.goo.ne.jp/i-will-get-you/
 

 カクレクマノミ | 2007.08.21 19:33

自己組織化とは、「力ないし意志」なんかなくても起こる組織化のことです。だから、「自己組織化」する「力ないし意志」なんてありえません。
逆に言えば、力ないし意志がはたらいていたら、それは自己組織化と呼べません。

 一般法則論者 | 2008.02.15 2:27

 ドーキンスも、実在する天然自然の存在の創造主である神のことは知らない。
 実在する本物の神自身に自らの存在証明をさせる形の神の存在証明の方法があることについても知らない。
 そもそも、自然科学とは何かの定義も、ドーキンスは、知らない。
 http://blog.goo.ne.jp/i-will-get-you/
 いわゆる神の存在証明がもたらす意味について
 天然自然の存在の創造主である神の存在証明をして、神が造ったこの世界の成り立ちと仕組みについて説明し、人類史のリセットと再構築を試みる。
  一般法則論者
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