2006-12-08

サルの表情が豊かなのはなんで?(共認機能の進化)①

視覚の発達は、真猿類~類人猿~人類への進化の過程においても、とても重要な役割を果たしています。
霊長類の視覚の発達については、
霊長類の視覚進化②
原猿→真猿、視覚機能の進化
でも語られていますが、樹上適応の中で発達させた視覚は、その後仲間の表情を読み取る為の機能として更に進化して行く事になります。
それが、
本能を超えた新しい機能(共感機能)の獲得②
にて紹介されている、

依存収束⇒期待収束し、互いに相手を『注視』し続ける内に、遂に相手も同じく依存し期待している事を発見し(探り当て)、互いに相手の課題=期待を自己の課題=期待と同一視して理解し合うに至ります。

の部分。
相手注視⇒同一視⇒不安を期待へと転換させて、安心感・充足感を得る、という過程。注視・同一視、ともに視覚によってお互いの表情を読み取る、真似る事によって不全を解消できる、という能力を身に付けたんですね。
見てください、こちらのサイトからお借りしたこの写真。
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赤ちゃんにこんな表情で見つめられたら、思わず笑顔になっちゃいますね
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天敵からの防衛力・豊富な食料の揃った第4の楽園とも言える樹上を制覇したサル達は、同類同士が縄張りを接しあうといった、生物史上初の逆境に遭遇。そこで、他の動物とは違った共認進化への道を切り開く事になった。この新たな外圧への適応が、脳進化や視覚進化の土台ともなっているんですね。
そして、この共認機能の獲得こそが、真猿集団の統合を担っているのです。
ライオン等に見られる哺乳類の集団形態は、ボス1匹を中心としたハーレム(主雄集中婚)。性闘争を闘って勝利したオスのみが、メスと縄張りを獲得できる。原猿も、サルの前の原モグラさんも、同様でした。弱オスは淘汰されてしまう厳しい世界なのです。
しかし、共認進化を得た真猿類は、外敵闘争以上に大きな同類圧力へ適応する為に、複数のオス・メス同士が集まった集団を形成する方向へと進みました。もちろん、現代の人類とは違い未だ強烈な自然外圧の中での生存圧力を受けている為、本能による序列は非常に明確(100匹居れば1位~100位まで明確な力の序列が存在する)ですが、集団を共認によって統合する事で、同類同士の非常に拮抗した圧力状態(同類同士の力の差はごく僅か)に対峙していったんですね。
また、拮抗した同類闘争を主活力源とする中で、オス・メスの性差も拡大しました。体格差が決定的な力の差となって現れる為、オスは闘争、メスは生殖といった役割分化もこの段階で一層進化しています。
共認進化に纏わる機能進化は、まだまだ沢山の追及の余地在り、って感じですね。

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コメント2件

 太田幸雄 | 2011.08.29 11:40

数年前この本を拝読した者です。
意識に関しては量子論による説明がありますが、水による直截な説明に感心したのを覚えております。
もしお分かりになる方がいらしたら、この説明のその後について教えていただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

 太田幸雄 | 2011.08.29 11:40

数年前この本を拝読した者です。
意識に関しては量子論による説明がありますが、水による直截な説明に感心したのを覚えております。
もしお分かりになる方がいらしたら、この説明のその後について教えていただきたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

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