2006-09-10

ミラーシステム上に言語遺伝子を発現

人類の言語獲得の時期や言語発生のルーツを特定するうえで注目されている『言語遺伝子(FOXP2)とミラーシステムの関係』について面白い研究内容がある。
この言語遺伝子の発現部位は、ブローカ野及びその右半球相同領域、そして両側の頭頂葉縁上回が主要部に占められているのですが、これらの領域のルーツを探ることで言語の起源を明らかにしようという研究内容があるのでそれを中心に紹介したい。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆引用はじめ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
>それでは、言語遺伝子が支配している脳の領野のルーツは何だったのか、ということになってくる。それこそまさに、言語の起源の問題の本質に絡んでくる問いのはずである。
これについては、ミラーシステムという認知神経科学的研究から提唱されている概念が、貴重な示唆を提供してくれている。ミラーシステムは、ブローカ野とその相同領域に存在するミラーニューロン、運動前野および縁上回を中心とする頭頂葉の部位から構成されている。他者の行為を認知する際に、それを自分自身の行う運動パターンをもとにして理解するためのネットワークである、「なぞる」という語によって、ほうふつとするような認識にコミットしている。
~中略~
つまり、相手が対象といかに関係しているかを観察し、その働きかけを自分自身の身体に引き移した上で、新奇なことばの意味を認識しようとする。それゆえ、もしミラーシステムが存在しなかったならば、人間はとても今日のような膨大な語彙を個々人で習得することはできなかっただろうし、運動性の言語中枢がシステムに組み込まれているのも、言語の進化を考える際、決して偶然の結果ではなかったと類推せざるを得ないのである。
京都大学霊長類研究所 認知学習分野より引用

★★★★★★★★★引用終わり★★★★★★★★★
ある対象や現象を視覚聴覚などの感覚器官によってそのまま捉えるのが本能機能ならば、ミラーシステムとは、ある対象に自らの意識を重ね合わし、それらを諸々の意識と照らし合わせる事で、その対象や現象の持つ意味や構造を認識できるシステム。そういう意味では、ミラーシステムとは本能機能を超えた共認機能そのものといって良いだろう。
例えて言えば、誰かのあくびを本能機能だけで捉えるとそれは口が大きく開いた現象としてしか捉えられないが、共認機能で捉えるとあくび=相手が眠い事が理解できる、といったような事だ。
詳しく共認機能を知りたい方は↓
るいネット実現論を参照。
そしてこのようなミラーシステム上に言語遺伝子を発現させたという事は、言語をはじめとした観念機能とは、自然などの対象に共認機能を向ける事で見出された成立構造を互いに共認する為に創られたものだという事がこのサイトから伺える。
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List    投稿者 staff | 2006-09-10 | Posted in ④脳と適応No Comments » 

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