2006-08-23

「母子手帳」に添った子育ては危ない?!

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’90年くらいからアトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー症状が急増してきて問題になっている。既に、極めて身近な問題になっており、’98年に日本 学校保健会が行った全国調査では、アレルギーと診断されている子どもはなんと“4割”を超えているというから驚きだ。実際、友人の子供にもアトピー性皮膚炎を患っている子供は珍しくはなく、アナフィラキシー(急激なアレルギー症状によりショックを起こし死ぬこともある)を起こすので母親が神経をすり減らしながら食事制限をしている、といった人も友人にいる。
2005/1/31の東京新聞に、このアレルギーの急増の原因についての記事があった。
かなりショッキングだったので紹介する。
変温化する子ども 『早期の離乳食原因』
>「全国一律で進める育児法の誤りが子どもを壊している。母子健康手帳の指導で、生後五カ月から食べさせる離乳食が変調の要因だ」と警鐘を鳴らすのは、元東京大学医学部講師で日本免疫病治療研究会の西原克成会長だ。「人の腸は一歳前後で完成する。それまでは母乳か人工乳だけで育てるべきだ。早期の離乳食でタンパク質を与えると、分解できずにそのまま吸収して抗原になり、アトピー体質になる」
西原氏は、学会の主流からは外れているようだが(トンデモ系と思われている節もある)、重力進化論を唱えたり、子育てにおける免疫・内臓系の言質で有名(著書もいくつか)。彼のHPなどを見てみると、全面的に事実とするには慎重になった方がよさそう、と思う反面、一部かなり注目すべきと思われることも書いてある。
>当時の育児書に「スポック博士の育児書」があり、出産祝いに贈るのが新しい流行でもありました。因みに、私自身この育児書を友人から贈られた一人でした。そこには、それまでの本能や祖母・母から受け継いだ子育てではなく、高度に管理された「知的な新しい子育て」が書かれていました。個性や自立が何よりも重要だと教えられた世代の母親にとって、多くはわが子もそのように育てることが必要だと信じて疑いませんでした。そのために、「一人で寝かす、添い寝はしない」「泣いてもすぐに抱いてはいけない」など、乳幼児期にこそ必要なスキンシップが欠落し、親和欠損・親和不足をもたらしてしまったのだと思います。(“「母性喪失」から「母性再生」へ”大木さん)
この投稿にも出てくる、当時流行した育児書『スポック博士の育児書』なるものが、この記事でも問題になっている。
>国内で離乳食が広がり始めたのは、早期の離乳食を薦める『スポック博士の育児書』の翻訳本が発行された六六年からだ。八〇年に厚生省(現厚生労働省)が離乳ガイドラインを定め、母子健康手帳で全国一律に指導し始めてから一般に定着した。
どうも、この育児書を参考にして育児要領、「母子手帳」が作られ、それに基づき半強制的に誤った指導が行われている可能性がある。(子供をさっさとおっぱいを吸う状態から引き離すことは、楽だしバストの崩れも抑えられるし…、という面で母親にとって願ったりかなったりだったことも、その育児書が“流行”にまでなった背景にはあるのだろう。)
>西原氏の批判に賛同する声は多い。大手育児用品会社の研究員は「西原先生の理論は筋が通っていて分かりやすい。子どもの体の変調は深刻で、国が全面的に西原先生の考えを受け入れれば、状況が変わるのではないか」と期待する。が、一方で「日本のお役所は何事につけ、一度決めたことは変えない体質がある。子どものためを第一に考えたいが、国が方針を変えてくれないと、営利企業は動けない。現状を変えるのは難しい」と悲観的だ。
>西原氏は過去に三度、厚労省幹部に離乳食の廃止を訴えた。しかし、幹部らは「先生の意見はよく分かるが、離乳食で利益を得ている人が多く、方針を変えるのは資金がかかりすぎる。一度決めたことは動かせない」と話したという。

このくだりに耳を疑うと同時に、もし事実だとしたらかなり犯罪的なのではないかと感じる。
>西原氏はこう警告する。「子どもの変温動物化と少年犯罪の凶悪化はリンクしている。体の不調が強いストレスになり、キレやすくなっている。性問題の低年齢化も早期発情が原因だ。動物は体が弱り生命の危機を感じると、子孫を早く残そうという本能が働く。早期の離乳食をやめ、戦前から昭和四十年ごろまで行われていた、一歳まで母乳・人工乳中心の育児に戻すべきだ。育児法とは、医学ではなく伝承。哺乳動物として自然にかなった育て方が正しい」
変温動物化や子供がキレやすくなったことまでもが、彼の指摘する育児書の誤りに起因すると言い切ってしまうには、まだ証拠不十分という気はしますが(加えて、東京新聞の過剰にセンセーショナルな報道姿勢も疑問ですが)、この『スポック博士の育児書』に基づく子育てで実際問題が起きていて、アメリカの現場では既に切り替えられているという事実もあり、そういった可能性については考慮して転換すべきところは転換すべきだと思う。それなのに、日本の官僚のこの対応…。どうなの?これって。
さらに、彼は自身のHPで以下のようなことを書いていた。
>国民の健康よりも、自分の名誉や経済のほうが大事な人が、日本の医療の頂点で隠然たる力を発揮し続けています。かつて『スポック博士の育児書』を導入した人たちが、その誤りを認めないまま逃げ切ろうとしています。この人たちは、いまの医療の問題点をマスコミで公表しようとしても裏から手を回してもみ消しています。
「社会を変えられる可能性があるのは、庶民だけなのだ」(冨田さん)にあるように、事実や人々の危険を無視して保身に走る統合階級・メーカー・マスコミは一刻も早く一掃しなくてはならない。
それにしても、従来の『母子手帳』に基づいて治療を受けながら「アトピーが治らない」「アナフェラキシーがいつ起こるかわからない」「ゼンソクの発作がしょっちゅう起こってえらいことだ」と、今この瞬間苦しんでおられるおかあさん方や子供たちが山のようにいるわけで、「一部ガセの可能性もあるけど、少なくともこういう研究結果もあるよ」と多くの人に伝えたくなった。
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List    投稿者 staff | 2006-08-23 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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