2006-07-27

たった2万5000年で急速に適応拡散した?霊長類の祖先

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初期の霊長類がどのような進化をたどったかの最新情報が、産経新聞(元ネタは東京新聞)に載っていたので、参考までに紹介。
リンク より
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霊長類は5550万年前出現 温暖化で生息地急拡大
 霊長類で最古の化石が見つかっている「テイヤールディナ」属は、約5550万年前の始新世初期、地球が非常に温暖化した時期に、アジアに出現し、欧州を経て北米に急速に生息地を広げた可能性が高いことが分かった。ベルギー王立自然科学研究所や米ミシガン大などの研究チームが、米科学アカデミー紀要の電子版に発表した。
 霊長類の起源は、近年までは北米との見方が有力だったが、中国科学院が2004年、湖南省の約5500万年前の地層から霊長類(真霊長類)最古の頭骨化石を発見したと発表。この化石は、米ワイオミング州やベルギーで化石が見つかっているテイヤールディナ属の新種「アジアティカ」に分類され、アジア起源説が浮上していた。
 研究チームは、中国、ベルギー、米国の各種のテイヤールディナ属化石の出土地層について、これらの掘削調査データを使い、炭素の放射性同位元素による年代測定を厳密に行い、さらに、米国で最近新たに見つかった同属化石を含め、歯の形状を詳細に分析した。
 その結果、アジアで出現したテイヤールディナ属は、わずか2万5000年間に、連続的に進化しながら欧州、北米に生息地を急拡大したと結論付けた。
【2006/07/24 東京朝刊から】

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たった2万5000年の間に進化しながら北米に適応放散した!というのはかなり無理のある仮説のような気もするが…(生物の進化史のタイムスパンとしては、この時間単位はあまりにも短か過ぎる)。でも、生物というのは時々、こちらの想像を絶する進化的飛躍をやってのけるからなぁ。もしかしてもしかするかも。
>始新世初期の10万年間は、「暁新世-始新世境界温暖極大(PETM)」と呼ばれ、世界各地で地価を掘削して堆積物を採取し、温暖化のメカニズムを探る研究が進んでいる。(産経2006.7.24朝刊)
米国の研究者の仮説によると…
=樹上生活をしていたテイヤールディナ属にとっては、温暖化により食物とする果物が豊富になり、グリーンランドなどの高緯度地域にも生活圏できる範囲が拡がっていた。つまり、温暖化によって豊かになった環境に新天地を求めて適応拡散していった…=
ということになっているが、わざわざ別の環境にそれほど急速に生活圏を拡大するには、やむにやまれぬ何らかの事情が無いと明らかにおかしい。
>陸・海・空とは別の樹上という第四の世界をほぼ独占した原猿たちは、最高の防衛力と生産力を手に入れたことになり、忽ち森林という森林を埋め尽くして(その食糧限界まで)繁殖していった。 (リンク
その時の外圧状況を想像すると、温暖化で爆発的に初期霊長類が繁殖し、森林に溢れて種間闘争が激化。縄張りを追われた弱い種が、新しい生活圏や食性をあがき苦しみながらなんとか獲得していった(もちろんチャレンジしたが失敗した大量の種の屍の上に細い細い命の糸をつないで…)というストーリーが考えられるがどうだろうか。
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List    投稿者 staff | 2006-07-27 | Posted in 未分類 | 2 Comments » 

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コメント2件

 春風 | 2006.12.24 16:48

機能的雌雄同体なんてものがあるなんて、初めて知りました!
生き抜くために生物は本当にいろいろな工夫をしているんですね!すごい!
同時的雌雄同体の内容について、ぜひもっと知りたいと思いました☆

 匿名 | 2011.07.16 12:34

教えてください。人間って、女性ホルモン、男性ホルモンの量で女性っぽい男性っぽいとかいいますよね?カタツムリやナメクジ
って雌雄同体のいきものは、ホルモンはどうなっているんでしょうか?
また、カタツムリやナメクジの性質を
人間にあてはめると両性具有になるんでしょうか?
くだらない質問で申し訳ありません。

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