性の起源~動物の性別決定は外圧に対応するための純粋な役割分担からスタート?~
こんにちは 😀
お盆休み 真っ最中ですね。
今回は、地球年代史と生物進化の時系列を整理しながら、性の起源を検討してみました
(★印がそのポイント)。
探っていくと、有性生殖の起源は確かに2倍体~減数分裂システムに求められそうですが、多細胞動物の雌雄性別決定は必ずしも遺伝子(=性染色体)によってではなく、最初は純粋な集団内の役割分担からスタートしたと考える方が自然なのかも。
ではまずは年表で生物の進化を追ってみましょう
その前に、応援お願いします 😀
135~150億年前 宇宙 の誕生
46.5億年前 原始太陽系 の誕生
45.5億年前 現太陽系 の誕生(=地球+太陽系惑星の誕生)
39.0億年前 今日まで一度も溶解しなかった最古の岩石
※この岩石は炭素と有機物を含有(≒生物の存在を示唆)
38.0億年前 海 が存在していたことを示す最古の地層
35.0億年前 生物(=細菌:原核単細胞生物)存在を示す確実な証拠
34.7億年前 シアノバクテリア(=光合成生物)の登場
※ほぼ同時期に好気性細菌も誕生したと言われている
34.0億年前 繊維状細菌(≒一種の始原多細胞生物)の登場
15~20億年前 真核生物(=単細胞原生生物)の登場
約12億年前 有性生殖の原型=異型配偶子型生殖を行う珪藻類登場
※exユードリナ他
約10億年前 始原多細胞動物(exニハイチュウ)の登場
※この段階ではまだ2倍体が常態には至っていない
★この間に2倍体+減数分裂の生殖システムが主流となっていく
※この時代は地球史の中でも最も過酷な超寒冷期で外圧△
約6億年前 エディアカラ動物群の登場
5.5億年前 バージェス動物群の登場(カンブリア大爆発)
※現存する動物の原型のほとんどが登場
★魚類~爬虫類の性別は生後の環境によって決定される種も多い
※遺伝子決定=生涯性別固定が貫徹されるのは哺乳類以降
約2億年前 哺乳類(食虫目)の登場
5~6千万年前 原猿の登場
3~4千万年前 真猿の登場
2~3千万年前 初期類人猿の登場
約500万年前 人類 の登場
どうやら、哺乳類に通じる性や有性生殖の直接的起源は、減数分裂による半数性をもった生殖細胞と2倍体の体細胞の役割分化に求めることができそうです
このシステムが確立した(=主流になっていった)のは概ね7~10億年前ぐらいだと推測されますが、その原基形態はそれよりも少し前の約12億年前の珪藻類の段階にあります。
おそらく、カンブリア大爆発に連なる多細胞動物全盛の時代も、この生殖細胞と体細胞の分化・統合がシステム的に達成されたからこそ、体細胞の役割分化も促進されることで多種多様な多細胞動物が誕生したと考えるのではないでしょうか?
また、哺乳類以前の魚類~爬虫類には、外界の温度や集団内での体格差によって性転換する種が多数存在しています クマノミ などがよく知られていますね。
詳しくは 外圧の高まりと共に、性決定は固定化されてきた。
このことは、必ずしも性染色体の組み合わせによって雌雄が決定される訳ではないことを示しています。
つまり・・・外圧状況に応じた役割分化によって個体の性別が決定されるメカニズムの方が先行しており、より過酷な生存状況に置かれた哺乳類の段階から生涯固定の(≒染色体の組み合わせに支配された)性別=雌雄役割分担が常態化したと考えられるではないでしょうか??
哺乳類以前の生物史まで遡って、性の起源を改めて追求してみると奥が深い
新しい発見が満載でした。
さんぽ でした。
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菅野敬子 | 2007.09.12 22:53
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