光合成生物の進化の過程を示す、貴重な事例発見!!
>『膜を形成することで、好気性細菌(ミトコンドリア)、葉緑体(シアノバクテリア)、小胞体(原始真核細胞)などを取り込むことが可能となった』という諸説と整合する。
(2007年06月21日 第79回なんで屋劇場「生物から学ぶ自然の摂理」メモより)
別の生物を自分の中に取り込んじゃうってどういうこと~ ??
そんなことできるのかしら ???…と思ったのは、私だけではないはず。
ところが、この「別の生物を取り込んで新たな機能を獲得⇒進化」
を裏付けるような生物が、ほんとうにいるそうです!!
朝日新聞「be on Sunday」2007年7月8日に掲載の
「日曜ナントカ学2」に載っていましたので、引用して紹介しますね☆
つづきをどうぞ~
筑波大学の大学院生だった岡本典子さん(現メルボルン大学)は00年秋、和歌山県で開かれた日本珪藻学界の帰り、和歌山市磯ノ浦海水浴場の波打ち際で採取した砂の中に変な微生物がいるのを見つけた。
緑色の胴体から鞭毛(べんもう)を投げ出しては体を引き寄せ、尺取虫のような動きをする。培養がうまくできずに現地へ通って採集して調べるうち、おかしな細胞分裂をすることに気付いた。
一つの細胞が二つに分かれる際、片方は緑色のままだが、もう一方は透明になった。緑色の方を電子顕微鏡で観察すると、二つの細胞核がある。
一つはプラシノ藻と呼ばれる藻類で、もう一つが本体の核だった。新発見の単細胞生物が藻類を体内に共生させた姿と判明した。岡本さんと指導教員の井上勲教授(藻類学、原生生物学)は「砂浜に住むナゾの生物」の意味を込め、「ハテナ・アレニコラ」と名付けた。
植物に化ける
分裂で生じたハテナには、他の生物を取り込む捕食器がある。しかし、いったん藻類を獲得すると捕食器は消え、同じ場所に藻類が光を感知するための「眼点」と呼ばれる組織が現れる。最大で4個まで藻類を取り込むが、眼点を使うのは一つだけ。動物が植物に化けるために自分の口を消し、捕らえた植物の光センサーをその跡に張り付けるようなものだ。
井上教授は「光合成植物の進化の過程を示す、貴重な例」と説明する。
朝日新聞「be on Sunday」2007年7月8日に掲載の記事より
ハテナ・アレニコラが、取り込んだ葉緑体をどのように自分の機能として活用するのかは、この記事だけでは分かりませんが、生物の進化の第一歩を示す事例で大変興味深いです☆
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